細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ヘルボーイ』壮絶にして悪臭を放つアメ・コミの快感。

2019年09月01日 | Weblog

8月20日(火)13-00 六本木<アスミック・エース試写室>

M-065『ヘルボーイ』"Hellboy" (2019) Millennium Media, a Lawrence gordon/ Lloyd Levin Production / Dark house Entertainment

監督・ニール・マーシャル 主演・デヴィッド・ハーパー、ミラ・ジョヴォヴィッチ <120分・ビスタサイズ>配給・リージェンツ

アメリカン・コミックの人気者で、あの「スーパーマン」や「バットマン」とは真逆の存在ともいえる、超極悪なダーク・ヒーローの実写版の登場。

あまりそちらの世界にはご縁のない、同じ<ダークサイド>でも、チャンドラーやロス・マクなどのハードボイルド小説で青春を逃げ切った当方としては他所もの。

しかも、コミック・ヒーローものは一応は見て来たよそ者としても、ここまでクレイジーにダークなコミック・ワールドを実写映画の根性を示した、そのエネルギーには敬服。

象の牙のような大きな角を持った<ヘルボーイ>はワケありで根元からカットされているが、壮絶な悪魔的な形相だ。

その名のように地獄の超常現象調査防衛局のエージェントなのだが、ここでは最強の魔女ジョヴォビッチと対決することになる。

とにかく地上の激闘とはいえ、そこは得体の知れない怪物たちが大暴れするので、「スターウォーズ」の地上での悪魔たちの壮絶な激闘の連続で、とても説明は不可能だ。

一連のマーヴェルやDCのコミック・ヒーローとは違って、ここまで地獄の怪獣たちが大暴れしてくれると、もう、それをいちいち説明などは、さすがに出来っこない。

じゃー。このオバカ・コミックはつまらないか・・というと、イヤイヤ、そんなことはなくて、ここまで徹底的に地獄の激闘を展開してくれると、<常識>はアホになる。

と、とにかく覚悟を決めて、このアメリカン・ダーク・コミックの地獄絵を楽しまなくては、上映時間の無駄で、さっさと退場するしかないだろう。

しかし、それは<常識の非常識>であって、ここまでバカを承知で派手なバトルを繰り返しているのを見ていると、「スターウォーズ・地獄編」を見ている愉しさがある。

 

■強烈なレフトライナーがフェンスの境目に入ってしまい、ランニング・スリーベース。 ★★★☆☆☆

●9月27日より、全国ロードショー