細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『抱擁』で、フランク・シナトラの歌手兼ジョーカーの本領を見せつけた。

2020年04月28日 | Weblog
●4月27日(月)21-00 ニコタマ・サンセット傑作座<自宅>
0V-76-31『抱擁』"The Joker is Wild" (1957) Paramount Pictures
監督・チャールズ・ヴィダー 主演・フランク・シナトラ、ジーン・クレイン <ヴィスタサイズ・112分> VHS
この作品を最初に見たのは、1958年頃に、大学生の時代に、有楽町の朝日新聞ビルの7階にあった、パラマウント映画の試写室だった。
わたしは多摩美の学生だったが、当時のハリウッド映画に狂って、ほとんど上野毛の校舎よりも、パラマウント映画ファンクラブの幹事をして、
新作の団体チケットを丸の内の有名会社の人事厚生課に、新作映画のロードショー団体優待券を社内販売してもらう為に、チケットを配っていたものだ。
この作品の邦題は、揉めに揉めて、シナトラの人気などは、一部のボーカル・ファンだけのもので、結局は「旅情」や「慕情」などのようなイメージで「抱擁」と決まった。
まだ原題の「ジョーカー・・」も、トランプ・カードの認知しかなくて、わたしも大不満だったが、宣伝部会議で、この不思議な邦題に決まったのだった、
シカゴのギャング時代の取り締まりが強化された朝鮮戦争の時代か、バンド歌手のシナトラは、同僚の伴奏ピアノのエディ・アルバートと共に、出演クラブを替えた。
そのことでギャングの報復を受けて、喉を切られたシナトラは唄うことは出来なくなり、数年後にはクラブのステージで前座の漫談をして生き延びていたのだ。
そのジョークの中で、「それならば、ミカドにでも出ていろ」という部分があるが、当時シナトラは赤坂のクラブ・ミカドで初来日公演をしていたのだ。
わたしはアルバイトで工面した、当時としては超高額な15,000円の入場料をゲットして、ホンモノのシナトラのステージを見たのは、人生最高の時間だった。
ドラマでは、喉を切られたシナトラが、カスレ声で唄った「オール・ザ・ウェイ」がアカデミー歌曲賞を受賞して、フランク・シナトラは人気の絶頂期を迎えていた。
大富豪の娘のジーン・クレインの愛情と婚約の夢を捨てて、ダンサーのミッチー・ゲイナーとの邪恋の末に、一人きりになって深夜のシカゴの裏町を歩くシナトラに、
ショウウィンドウに反射している自身の影が、「おいおい、お前さんよ、そろそろ自分自身を幸せにしたら、どうだ!!」と声をかけて来る。
「地上より永遠に」でオスカーを受賞したシナトラの、これは本業の歌手としての名演を見せた、いかにもフランク・シナトラらしいアウトローな体臭が最高だ。

■VHSビデオ・テープでの鑑賞。 ★★★★++

●『復讐の涯て』に香る、50年代B・ムービーの気概とスピリット。

2020年04月25日 | Weblog
●4月23日(木)21-30 ニコタマ・サンセット傑作座(自宅)<ベータマックス輸入ビデオ>
OV:74-29『復讐の涯に』"Cry Vengeance" (1954) Republic Pictures Corporations 12636 Beatrice St. L.A.
監督・主演・マーク・スティーブンス、マーサ・ハイアー <83分・B&W・スタンダード>配給・リパブリック・ピクチャーズ
映画館はもちろん、いまでは試写もなくなって、試写状はかなり残っているものの、実際には、この<コロナ時世>で消滅している、という<外出禁止令>時代。
こうなったら、むかしの旧作ビデオ・コレクションから、<自宅名画座>を強行するしかない、・・という現実なのだが、・・そのVTRにも不具合連発だ。
わたしのようなオールド・ファンは、ベータマックスのVTRから集めていたのだが、ここにきて、そのBETAのテープが劣化してか、映像が乱れて困るのだ。
むかしからの特注電気屋さんに聞いても、<電化製品の劣化>も、ここ当面の多発トラブルで、とくにVHSはともかく<ベータマックス>は、ご高齢で手当も不可能。
たしか70年代の辺りに、よくハリウッドのハイランド横丁などにあったビデオ・ショップには、珍しい本邦未公開映画の傑作が出ていたのでコレクションしたもの。
結局、レーザーディスクとか、DVDでも発売されることもない、当時の二本立て興行の添え物B級映画には傑作も多くて、電通にいた石上三登志くんなどと買いに行った。
その傑作コレクションのなかの一本が、この作品で、テレビ連続ドラマの「サンセット77」のエフレム・ジンバリスト・Jrなどと共に人気のあったのが、このマークだ。
彼が主演で監督もしたリパブリック映画の傑作がこれで、そのビデオ・ショップのオーナーの推薦で<トラッシュ・バット・テイスティ!!>というおすすめで買った貴重品。
たしか監督・主演のマーク・スティーブンスは、70年代頃にはテレビでも連続探偵もののシリーズも手がけていた才人で、いつもスーツにハットを被る、という当時のスタンダード。
ジャン=リュック・ゴダール監督も憧れて、65年には「アルファビル」という、ハードボイルド私立探偵ものをコミック趣味で撮っていたが、これはマジなリベンジもの。
組織の策略で3年もの間、ムショで臭いメシを食っていたマークが出所して、その<ヴェンジェンス>で、組織のトップを探してアラスカの港町まで行くというハードボイルド。
余計な御託は抜きにして、一路復讐街道!!というのがいいが、あのシナトラの「走り来る人々」に出ていたご贔屓<マーサ・ハイアー>が出演しているのが、何とも嬉しいのだ。

■左中間に深々の、ゴロのツーベース。 ★★★☆☆++
●リパブリック・ピクチャーズ・ホームビデオ VHS・0780

●『その女を殺せ』は、誇り高いRKO映画の最後の傑作だった。

2020年04月20日 | Weblog
●4月20日(月)20:27 自宅<DVD鑑賞>
0V-072『その女を逃がすな(護送特急)』"The Narrow Margin" (1952) RKO Radio Pictures Production
監督・リチャード・フライシャー 主演・チャールズ・マグロー、マリー・ウィンザー <71分・B&W> RKO Radio Pictures
かなり低俗な邦題なのだが、実はこれは後にジーン・ハックマン主演で、1990年にリメイクされた傑作「カナディアン・エクスプレス」のオリジナル作品なのだ。
原題は<少ない余裕>とでも言うのか、<かすかな手がかり>とでもいうのか、この作品の製作を最後にして倒産した、40年代の至宝RKO映画の終盤の本邦未公開の傑作。
さすがにビッグ・スターは使えなかったのか、多くの傑作を量産していたRKOラジオ・ピクチャーズの、遺言状とでも言いたい、サスペンス映画のお手本と言っていい。
中年の刑事をBムービーのチャールズ・マグローが演じ、要人殺人事件の重要な目撃証言を持っている夜の女マリーを参考人証人として、夜行列車で裁判のあるロサンゼルスに護送するのだ。
が、当然のように、その列車には、証言を阻止しようとして、裏組織の雇っている殺し屋たちを配備させて、その列車の証人を消そうとして迫って来る。
車中に配備されたヒットマンと、深夜の特急列車を追走して、街道を搬送してくる組織の組員たちの追手をかわして行く、というノンストップ・アクションだ。
こんなB級のプログラム・ピクチャーのことを何で知っているのか・・というと、「カナディアン・エクスプレス」の試写のときに、双葉十三郎先生から聞いたのだった。 
ヒッチコックの「見知らぬ乗客」や「大陸横断超特急」のように、走る列車でのサスペンスというのは、狭いコンパートメントでの窮屈なアクションもあって息が抜けない。
誰がつけたか知らないが、この低俗な邦題は別として、終始動いている車中でのドラマというのは、タイムリミットと窓外の景色の時間差などで、実に絶妙な面白さがある。
しかも、どうにか問題の女性証人には、実は別のトリックもあったりして、さすがは傑作をリメイクさせた面白さのある、誇り高きRKO映画の風格を叩きつけるのだ。

■センター・ライナーを野手がバウンド処理を誤って、疾走のスリーベース。 ★★★★
●コスミック出版のDVD・ボックス「暗黒の世界」。

●『ミルドレッド』は、あの「グロリア」の晩年の日々の生き様なのだろうか。

2020年04月17日 | Weblog
●4月14日(火)21-00 ニコタマ・サンセット傑作座<自宅>
0Vー061『ミルドレッド』"Un Hook The Stars" (1996) Hachette Premiere et Cie .
監督・脚本・ニック・カサヴェテス 主演・ジーナ・ローランズ、マリサ・トメイ (ビスタサイズ)106分・DVD; 配給・東北新社
とうとう<コロナ・ウィールス・パンデミック>で、まさに第三次世界大戦の厳戒態勢に入って、試写は勿論、映画館も休館、外出自粛の東京。
こうなっては、コレクションのクラシック映画を引き出して見るしかないという、ムービー・フリークを、和田誠さんや、大林宣彦監督も嘲笑しているだろう。
どうもVHSのテープの状態が、作品によっては映像が寸断したりスキップするので、レーザーディスクも起動させるが、これまた、やはり画面が時々乱れて困る。
あの1980年のベネチア映画祭グランプリの名作『グロリア』の監督ジョン・カサヴェテスの、妻で女優だった、あの鉄火なジーナ・ローランズの出演作品。
しかも息子のニックが監督、というファミリー・ピクチャーなのだが、さすがにハートフルな鉄火な気質は、家族伝来の血統なのだろうか、タフで濃いのだ。
といっても、これは「グロリア」とは関係のない、夫を亡くした中年未亡人の暮らしぶりを描いた一種のホームドラマだが、芯は、かなりハードボイルド。
アメリカの小都市の郊外で暮らす未亡人のミルドレッドを、ジーナが静かに好演していて、近所に越して来た若いマリサ・トメイの一人息子の面倒も見る。
薄暗い毎朝の新聞配達をして、生計をたてている彼女だが、突然、家出娘が、ぶらりと男を連れて帰ってきたのだが、どうも性格の不一致か、気持ちは微笑もない。
それでもマリサと一緒に、街のカントリー・BARに飲みに行って、トラック運転手のジェラール・ドパルデュに誘惑されるが、自分の生き方は変えない。
出来のいい一人息子は、サンフランシスコの高台のマンションに、彼女のために老後の同居を薦めるのだが、彼女は断って自活への日々を選ぶのだ。
娘も改心して同居を薦めるが、ミルドレッドは住み慣れた家を処分して、スーツケースを引いて、ひとり、毅然としてエアポートの長い廊下を歩いて行く。
まさに老後の「グロリア」のタフな<マイウェイ>な生き方を見せる、その颯爽とした後ろ姿には、ああ、、さすがカサヴェテスのカミサンだなーーと感銘する。

■レフトのグラブを弾く、痛烈なライナーで、悠々のツーベース。 ★★★★
●TFC・TBD1061<DVD>

●『ふたり』で使った、あのサンセットの写真、・・・大林監督ありがとう。

2020年04月12日 | Weblog
●4月12日(日)16-30 ニコタマ・サンセット傑作座<自宅>
OV・63ー22『ふたり』(1990)アミューズビデオ・パイオニアLDC・ギャラック・PCS 
監督・大林宣彦 主演・石田ひかり、富司純子 <149分・ビスタサイズ>・パイオニアLDS
大林監督が肺がんのために、この4月10日に82歳で亡くなられたが、生前は大変にお世話になり、悲しみというよりは寂しい想いが強い。
わたしとは同じ昭和13年の生まれで、わたしが現役中はSHISEIDOの宣伝部のテレビCMの担当だった関係で、よくお仕事ではお世話になったが、・・・・。
CMのロケーションに行っても、同じ映画ファン体験をしていたので、深夜までハリウッド映画のファン談義をしていて、スタッフには再三寝る様に注意されたものだ。
とくにウェスターンが好きな世代だったので、彼はジョン・ウェイン、わたしはゲイリー・クーパーのファンだったので、決闘話しは尽きないのだ。
昨年に、映画ペンクラブの集まりで、久しぶりにお会いした時は車椅子で会ったのが最後で、「もう、アステアのようには踊れない・・」と相変わらずのジョーク。
この「ふたり」という尾道を舞台にした撮影のときには、わたしの「サンセット・ブールバード」という夕陽の写真集の一枚を、ドラマのポイントに使用してくれた。
尾道の高校生姉妹の姉が、トラックの事故で急死したことが信じられなくて、日夜、その亡くなった姉が出て来て、妹の寂しさを癒す・・というファンタジー。
これはレックス・ハリソン主演の「幽霊と未亡人」のパクリジャン!!!、と彼に言ったら、口止め料にわたしの写真集から、夕陽とジェット機の写真を使用してくれた。
映画のタイトルに、わたしの名前が出たのは、この作品が初めてだったナーーー、と、久しぶりに作品を見ながら懐かしくなったが、あのセレクトに監督が来たことがあった。
うちは世田谷の瀬田だが、彼は成城学園で、すぐにセレクトは終わったのに、わたしの「B列車で行こう」という本の対談のことなどで気がついたら12時。
わたしがニューヨークのアンティーク・ショップで買って来たジョン・ウェインの80センチほどの像を、彼が胸に抱いて離さないので、つい時間が経ったのだ。
さすがに大林さんの奥様が呆れて、わざわざお車で迎えに来た事があるほど、この昭和の映画少年は、話しが尽きないのだった。・・ご冥福をお祈りする。
フレッド・アステアと、フランク・シナトラのお話の続きは、もうしばらく待って下さい。名匠エルンスト・ルビッチの言うように「天国は待ってくれる」でしょう。

●『ハードエイト』に香るウェストコースト・ノワールのバーボン風味。

2020年04月09日 | Weblog
●4月10日(金)12-30 ニコタマ・サンセット傑作座<自宅>
OV-056『ハード・エイト』"Hard Eight" (1996) Rysher Entertainment Icn and Green Parrot Entertainment. Trinity. Sony Pictures
監督・脚本ーポール・トーマス・アンダースン 主演・フィリップ・ベイカー・ホール、グウィネス・パルトロウ <101分>ビスタサイズ
アメリカ西部のネバダ州,リノ郊外の辺鄙なダイナーの入口に、ひとりの青年が座り込んでいると、ダークスーツの壮年紳士がその前に立ち、話しかけた。
「コーヒーでも飲むか?」・・・で、店内のスツールで食事をした後に話しを聞くと、母親の葬式のための有り金をスロット・マシーンで失ってしまったのだ、という。
それで紳士は、「50ドルを貸すから、これから一緒にカジノへ行こう」と自分の優雅なセダンに青年を乗せて、ラスベガスの広大で賑やかな賭博場に連れて行く。
あの「オーシャンズ11」などでよく見た、まるで体育館のように広いスペースには、スロットの列やポーカーのテーブルが並び、ギャンブル展示場のようだ。
なぜか、貧しい青年ジョン・C・ライリーに、まるでコーチのように賭のナンバーを指示するアドバイスは正確で、50ドルは倍増して、そのホテルに部屋を取った。
それから数日は、同様に二人でホテルの1階にある賭場に降りて、老紳士の指示するように賭けを繰り返して、すぐに葬式代の数倍もの大金を稼ぐ様になったのだ。
ウェイトレスのグウィネスは、この二人に好意を抱いて、親しく話すようになってからは、若い二人の接近を。壮年ギャンブラーは好意の目で眺めていた。
賭博場で行われる賭け事には、犯罪の匂いはなく、あのフランス映画で、パトリス・ルコント監督の「タンデム」(87)のような二人の男の友情物語のような展開。
同じ賭博場ものでも、1951年のビクター・マチュアとジェーン・ラッセルの「ラスベガス・ストーリー*犯罪都市」のような、欲情と犯罪に走ることもないのだ。
しかし終始謎めいて壮年紳士を演じきるフィリップ・B・ホールの風格は、いかにも謎めいた過去を持つ男のダンディズムを貫いて、作品の資質を硬質に支えて行く。
ま、なぜに彼が、放浪の青年を助けて行くのかは、ネタバレになるので書かないのがルールだが、実に洗練された<フィルム・ノワール>の秀作ではある。

■痛烈なレフト・ライナーが野手のグラブを弾いてツーベース。 ★★★☆☆☆
●2000年、ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント・DVD

●『アウトブレイク』(95)は、今回のコロナ・ウィールス大感染を予測していたのだ。

2020年04月06日 | Weblog
●4月6日(月)10-00 二子玉川<サンセット傑作座(自宅)>
OV-58-20『アウトブレイク』"Outbreak"(1995) Warner Brothers. Punch Production
監督・ウォルフガング・ペーターゼン 主演・ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ <129分>レーザー・ディスク(ワーナー・ホーム・ビデオ)
ほぼ30年も前に製作公開された作品だが、「アウトブレイク」という原題で公開されて忘れていたが、これは<集団感染>という原題だった。
今回の<コロナ・ウィルス>の世界的な災害で、ふと思い出して見たのだが、これはアフリカのモターバ河川流域での、突発的な細菌集団感染がテーマ。
その河川の流域で突然に集団感染した住民たちは、皮膚病を伴って早期に死亡してしまうので、その病原菌を調べにアメリカ陸軍伝染病医師のダスティンが現地へ。
ところが、急速に伝染して、感染者は体中の皮膚のただれと発熱に、異常な呼吸困難となり、伝染して数日で亡くなってしまうという、重大な疾患なのだ。
その病原菌を撒き散らしていたのは、インフルエンザと同じような症状なのだが、現在の薬剤や緊急手術では回復しなくて、さすがの近代医学の従軍医師もお手上げ。
どうやら現地の密林に住む、珍種の猿が病原菌を拡散しているらしく、防御服で捕獲したそのサルを、当局の軍用機でカリフォルニアの陸軍伝染病研究所に搬送した。
しかし厳重な隔離にも関わらずに、その皮膚病による発熱の患者が研究所内に急増したために、ダスティン医師と助手のレネは宇宙服のような防御服で病原を追求する。
公開当時には、ジョン・スタージェス監督で、人気のジョージ・マハリスが主演した「サタンバグ」という、同じような伝染病原細菌のパニック映画があった。
原子爆弾の実験による<死の灰>で、集団感染死する「非常線」という、ディック・パウエルの恐怖の病原菌映画があったが、当時は実験の<死の灰>が原因で処理。
たまたま、この「アウトブレイク」は、モーガン・フリーマン、ドナルド・サザーランド、ケビン・スペイシーなどのビッグが、まだ無名で助演していたのだ。
この作品のキャスティングをしたジェーン・ジェンキンスとは、メル友なので、昨日にメールしたら、彼女も、この作品をまた見たばかりで、共感していた。
あまり嬉しくないパニック映画だが、まさか、この<コロナ・ウィールス>騒動で注目して見ることになるとは・・・。

●ジャン・ギャバンの旅立ちが、3月のニコタマ・サンセット座のベスト。

2020年04月03日 | Weblog
●3月に見た、ニコタマ・サンセット傑作座<自宅>・ベストテン

*1・『冬の猿』62(監督・アンリ・ヴェルヌイユ)主演・ジャン・ギャバン <LD>★★★★☆☆
   ノルマンディの港町でプチ・ホテルに、酔った若者ジャン・ポール・ベルモンドが泊まりに来たことから、老オーナーは旅に出る決心をする。

*2・『ラブリー・オールドマン』93(監督・ドナルド・ペトリ)主演・ジャック・レモン<DVD>★★★★
   オレゴン州の寒村でリタイアしていたレモンは、隣の借家にアン・マーガレットが越して来た日から、旧友ウォルター・マソウとライバル意識を持つ。

*3・『殺人幻想曲』48(監督・プレストン・スタージェス)主演・レックス・ハリソン<VHS>★★★☆☆☆
   高齢の有名指揮者は、人気と実力があるが、演奏指揮中に、曲想に酔って殺人を考えるようになり、その妄想がドラマとなるダブル・イリュージョン喜劇。

*4・『サンシャイン・ボーイズ』95(ジョン・アーマン)主演・ピーター・フォーク<VHS>
   ジャック・レモンとウォルター・マソウのコンビで評判だった、ニール・サイモンの人気コメディを、ウディ・アレンと共演リメイクした傑作コメディ。

*5・『激流』96(監督・カーティス・ハンソン)主演・メリル・ストリープ <DVD>
   息子の誕生日で、休暇を取った主婦メリルは、不仲な夫と3人で山奥でのリバー・ツーリングの急流下りをするが、逃亡中の凶悪犯たちと遭遇したサスペンス。

*6・『蜃気楼』65(監督・エドワード・ドミトリク)主演・グレゴリー・ペック <VHS>
   高層ビルのオフィスで停電になり、階段を降りていた中堅重役のペックは、そのビルが違う建物ではないか、と思い出す異色イリュージョン・スリラー。 

*7・『渚にて』59(監督・スタンリー・クレイマー)主演・アンソニー・パーキンス <DVD>
   核戦争で空気が毒素で汚染された北半球の生物は死滅してしまい、潜水艦で生き延びた乗員は北半球に行くが、いまのパンデミック危機を予感させる異色作。

*8・『レイプ殺人事件』81(監督・クロード・ミレール)主演・リノ・ヴァンチュラ  <DVD>
   少女の強姦殺人事件の容疑者として挙げられた中年男を、ヴァンチュラ刑事が徹夜で尋問するが、そこにロミー・シュナイダーが、意外な証言をするサスペンス。

*9・『非常線』53(監督・ディック・パウエル)主演・スティーブン・マクナリー <VHS>
   強盗して大金を強奪した窃盗グループは、アリゾナの砂漠の一軒家に籠るが、そこは原爆実験の危険地区で、爆破実験の時間が迫っていた軍事秘密を知らなかった。

*10『ローラ殺人事件』44(監督・オットー・プレミンジャー)主演・ジーン・ティアニー <DVD>
   マンハッタンの高層ビルで、顔面をショットガンで飛ばされたローラの殺人事件を捜査していた刑事の前に、意外にも、殺された筈のローラが突然現れた。

*コロナ騒動で、都心の試写室の入場も感染チェックなどがあり、ついつい行くのが億劫になり、自宅名画座が、連日の好調となった。
その他に見た傑作は、ニコラス・レイの「危険な場所で」、ヴァン・ダイクの「夕陽特急」、ロイ・ローランドの「悪徳警官」、トム・ハンクス監督の「待つ女」、
ニコラス・レイの「女の秘密」など、やはり好みのノワール系の作品に目が行ってしまう・・・しょうがない、ですね。