ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

オオルリボシヤンマの羽化後

2018-08-05 22:35:59 | トンボ/ヤンマ科

 オオルリボシヤンマ Aeshna crenata Hagen, 1856 は、ヤンマ科(Family Aeshnidae)ルリボシヤンマ(Genus Aeshna)属で、北海道、本州、九州に分布し、成虫は6月下旬頃から11月頃まで見られる。周囲に樹木がある抽水植物や浮葉植物が生育する池沼等に生育し、標高300mほどの丘陵地から標高1,600mほどの高地において見ることができる。
 長野県の標高およそ1.400mの池。近辺には池がいくつかあるが、この池は、池にミズゴケが厚く堆積するという環境で、多くのトンボ類やゲンゴロウ、モリアオガエルの生息も確認している。周囲のミズナラ林にはゼフィルスも見られることから、池に生息するトンボ類とともに、その観察と撮影に毎年訪れているが、偶然にオオルリボシヤンマの羽化後の個体の出会ったので掲載しておきたい。

 オオルリボシヤンマとリボシヤンマは環境から棲み分けを行っていることが多い。付近にオオルリボシヤンマが多産する池はあるが、この池では、これまでルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea (Linnaeus, 1758)を確認していただけであった。しかしながら、こうして羽化(及び産卵)を確認することによって、この池にも生息していることが分かる。
 羽化後の個体は種の同定が難しいが、腹部先端の形状からオオルリボシヤンマと同定した。(もし、違っていたら遠慮くなくご指摘いただきたい。)

 オオルリボシヤンマは、オスは成熟すると複眼と腹部の斑紋が青色となる。メスは通常、複眼と腹部の斑紋は黄緑色であるが、複眼と腹部の斑紋が青色のタイプ(オス型)と腹部の斑紋のみが青色のタイプが見られ、昨年、兵庫県と新潟県で撮影している。(参照)
 本年は、リボシヤンマのオス型メスを探したいと思っている。

参照

  • オオルリボシヤンマ(青色型メス)
  • オオルリボシヤンマ(青色型メス/新潟)
  • お願い:なるべくクオリティの高い写真をご覧頂きたく、1024*683 Pixels で掲載しています。Internet Explorerの画面サイズが小さいと、自動的に縮小表示されますが、画質が低下します。Internet Explorerの画面サイズを大きくしてご覧ください。

    オオルリボシヤンマの羽化写真

    オオルリボシヤンマの羽化
    Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/160秒 ISO 800 +1/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.6.30 9:35)

    オオルリボシヤンマの羽化写真

    オオルリボシヤンマの羽化
    Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 1600 +1/3EV(撮影地:長野県松本市 2018.6.30 10:02)

    オオルリボシヤンマの写真

    オオルリボシヤンマ
    Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/60秒 ISO 400 -2/3EV ストロボ使用(撮影地:東京都あきる野市 2011.9.19 16:04)

    オオルリボシヤンマの産卵写真

    オオルリボシヤンマの産卵
    Canon EOS 7D Mark Ⅱ / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/500秒 ISO 2000 +1 2.3EV (撮影地:長野県松本市 2018.8.11 12:33)

    オオルリボシヤンマの生息池

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