図書館で「聞き書 三重の食事」(出版 農文協)という本があった。
主に、大正から昭和のはじめにかけて、鈴鹿の稲生(いのう)の農家で作られた食事を聞き書きされたものだ。現代に通じる懐かしい食べ物であります。
「伊勢の空っ風」が吹く冬は、稲と大根が取り入れられ、麦撒きと菜種植えにかかる季節だ。
朝食は、麦飯と大根(だいこ)のおし(くどになべをかけ、煮干・大きく切った大根・味噌こしでこした味噌を入れ充分煮込む。寒い朝には酒粕をちぎって入れることもある)そして、こうこ(大根の漬物)である。こうこは丼にいっぱい盛って回し取りして食べる。
子供の弁当には、いわしの干物や野菜の煮付け、梅干、こうこが入る。たまに、かつぶしを削って醤油をかけ、ごはんにおばす(のせる)。ご飯は麦の少ないところをよって入れた。まれに卵焼きが入ることもある。
それぞれの茶碗は洗わない。箱膳にしまわれる。
昼は、朝炊いた麦飯を食べる。朝の残りのおしに水餅をいれ暖め直して、さめた麦飯にかけて食べる。おかずは煮豆(大豆・にんじん・ごぼう・揚げ・こんにゃくなどを刻んで煮込んだもの)漬物はこうこである。
小昼 おちんは、あられやかきもちが多い。寒いときは、あられを茶碗にいれ少し塩かけて、熱いお茶や湯をかけて食べる。炒ったそら豆やしいのみを食べることもある。
夜は、朝炊いた麦飯か、新しく炊く家もある。おかずは大根炊き・煮豆・煮しめ物が多い。煮込むほど味がしみておいしくなるので、たくさん作っておいて、その都度暖めた。
ちなみに夏の夕食のおかずは、かぼちゃの煮つけ、きゅうりもみ、焼きなす、ナスの漬物などが出された。おし(味噌汁)の具はきゅうりが使われた。
現在でも、大根の味噌汁や煮豆、こうこなどはよく食べる。健康食であります。
さて、次回は昔のお正月料理でありマス。
主に、大正から昭和のはじめにかけて、鈴鹿の稲生(いのう)の農家で作られた食事を聞き書きされたものだ。現代に通じる懐かしい食べ物であります。
「伊勢の空っ風」が吹く冬は、稲と大根が取り入れられ、麦撒きと菜種植えにかかる季節だ。
朝食は、麦飯と大根(だいこ)のおし(くどになべをかけ、煮干・大きく切った大根・味噌こしでこした味噌を入れ充分煮込む。寒い朝には酒粕をちぎって入れることもある)そして、こうこ(大根の漬物)である。こうこは丼にいっぱい盛って回し取りして食べる。
子供の弁当には、いわしの干物や野菜の煮付け、梅干、こうこが入る。たまに、かつぶしを削って醤油をかけ、ごはんにおばす(のせる)。ご飯は麦の少ないところをよって入れた。まれに卵焼きが入ることもある。
それぞれの茶碗は洗わない。箱膳にしまわれる。
昼は、朝炊いた麦飯を食べる。朝の残りのおしに水餅をいれ暖め直して、さめた麦飯にかけて食べる。おかずは煮豆(大豆・にんじん・ごぼう・揚げ・こんにゃくなどを刻んで煮込んだもの)漬物はこうこである。
小昼 おちんは、あられやかきもちが多い。寒いときは、あられを茶碗にいれ少し塩かけて、熱いお茶や湯をかけて食べる。炒ったそら豆やしいのみを食べることもある。
夜は、朝炊いた麦飯か、新しく炊く家もある。おかずは大根炊き・煮豆・煮しめ物が多い。煮込むほど味がしみておいしくなるので、たくさん作っておいて、その都度暖めた。
ちなみに夏の夕食のおかずは、かぼちゃの煮つけ、きゅうりもみ、焼きなす、ナスの漬物などが出された。おし(味噌汁)の具はきゅうりが使われた。
現在でも、大根の味噌汁や煮豆、こうこなどはよく食べる。健康食であります。
さて、次回は昔のお正月料理でありマス。