小津作品の特徴としてローアングルがあります。何故かカメラを低い位置から撮っているのです。しかも固定したままで。
ここに至ったのは何故か。中野翠さんの“小津ごのみ”にこう記されておりました。
「日本間の中にいる人物を普通のアングルで撮ると、障子や唐紙が描き出す直線の強さに負けて人物までも平面的になってしまうだろう。ところが、アングルを極端に(寝転んで眺めている状態くらいまでに)低くして見ると、俄然、人物が新鮮に、ウッスラとある種の異様さをもって見えてくるのだ。背景の持つ平面的な強さに負けない立体感を持って見えてくるのだ」
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俳優の笠智衆も、低い位置から撮られると、心を見透かされているような落ち着かなさを感じたといっています。
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「たしかに、日常生活で、低い位置から見られることはめったにない。寝そべっている人、あるいは犬や猫、無心の幼児からみつめられているようなもの。演者にとっては何か不意をつかれるような、微妙な違和感があったろう。
小津は、きっと低いアングルからカメラがみつめると、俳優としての力だけではごまかしきれない何か・・・小津の言葉で言うなら、その人間の風格が立ち現れてくることに気がついたのだろう」
ここに至ったのは何故か。中野翠さんの“小津ごのみ”にこう記されておりました。
「日本間の中にいる人物を普通のアングルで撮ると、障子や唐紙が描き出す直線の強さに負けて人物までも平面的になってしまうだろう。ところが、アングルを極端に(寝転んで眺めている状態くらいまでに)低くして見ると、俄然、人物が新鮮に、ウッスラとある種の異様さをもって見えてくるのだ。背景の持つ平面的な強さに負けない立体感を持って見えてくるのだ」
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俳優の笠智衆も、低い位置から撮られると、心を見透かされているような落ち着かなさを感じたといっています。
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「たしかに、日常生活で、低い位置から見られることはめったにない。寝そべっている人、あるいは犬や猫、無心の幼児からみつめられているようなもの。演者にとっては何か不意をつかれるような、微妙な違和感があったろう。
小津は、きっと低いアングルからカメラがみつめると、俳優としての力だけではごまかしきれない何か・・・小津の言葉で言うなら、その人間の風格が立ち現れてくることに気がついたのだろう」