花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

溝口健二監督“赤線地帯”鑑賞

2016年02月27日 | 諏訪商店街振興組合のこと

昨夜は、溝口健二監督の“赤線地帯”を鑑賞いたしました。

Tさんの感想です。

水谷専務から「黛敏郎の変な曲で、この映画は始まります」と前置きがあって、一体どんなに変なのかなと思っていたら、ホントに変でした。

まるで幽霊でも出てきそうな音。スチールギターかな?否違う。アッあれだ きっとそうだ“鋸バイオリン(胡弓)”違いますか?

新進気鋭の作曲家であった黛敏郎。何かそれなりの意図があったのでしょうねェ。

この映画、各々の女たちの心のヒダが実に丁寧に描かれているなあと感心したのも道理で、脚本は女性(芝木好子)の手になるものでした。

作品中、私が一番心引かれたのは浦辺粂子演ずる心優しい“ばあやさん”でした。この商売の表も裏も知りつくし、長年働き続けてきたつつましい心を持った女の人です。

そして、面白くて笑ってしまったのが、この店の名前「夢の里」。現代なら「〇〇の里」というのは老人ホームの名称に多いですよね。

出演者の番付を見ると、ミッキー役の京マチコが一番目に来ていましたが、彼女が主役だったのでしょうか?(誰もが主役となり得る役柄でしたが)

他の女達が皆着物姿でいる中、ミッキー一人がそのグラマラスな身体を生かして始終洋装でした。そして、いつも何かムシャムシャバリバリ食べていて、まさに肉食系女子。頭も良くて人の心の動きや、その成り行きもよく判っていて、自分の運命は自分で切り開いて行こうとする強い意志を持った近代的な女を演じていて、小気味よかったです。

一方、ゆめ子は息子に。ハナエは夫に心もお金も捧げる古いタイプの女。やすみは世の中で信用出来るのは金だけと割り切る実業家タイプの女。

そして新米の少女しず子は、果たしてこれからこの世界でどんなふうに泳いでいくのか。観客に想像させる終わり方は、心憎かったですね。

Mさん、感想をありがとうございました。

コメント
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