昭和33年3月15日。雨の諏訪公園南側。公園入り口から西に向かって撮られた写真。今は梅雨の真っ只中だが、当時は春を呼ぶ雨だ。そういえば出久根達郎氏の本に、面白いことが書いてあった。
この頃は月刊誌が花盛りで、冒険王や面白ブック、少年などの雑誌が書店の店頭をにぎわしていた。先日、図書館で「古本・貸本・気になる本」(河出書房新書)というのがあったので見ていたら、組み立て付録という見出しが目に付いた。
当時の少年雑誌には、必ずといっていいほど厚紙で作る組み立てフロクが入っていた。モーターボート・ジエット機・カメラ・幻灯機・日光写真・ピストルなどをのりづけしながら作る。当時、セロハンテープはまだ出はじめで、工作のりで、貼ってもはってもはがれてくるのにやきもきしながら組み立てたものだ。ようやく出来ても、チョット遊んでゴミ箱行きだ。
昔のフロクを、童心に返ってもう一度組み立ててみたい。夢中になって作ってみたい。そんな会話をしている。「古本屋にはありませんか?」「フロクの別冊ならありますが、組み立てフロクは作って捨てちゃうので、残ってないでしょう」「未使用で保存する子はいないでしょうしね」「あったとしても、とんでもない値段がつくでしょう」
ところがこの会話の主は、その後、真剣になって探したそうだ。故郷の本屋さんに問い合わせたところ、数年前に廃業していた。が、未使用のフロクが、蔵の中のダンボールに十箱ほどあったという。当時、フロクは返品しなくてよかったとのこと。十箱なんてすごいことになりそう、と思いきや。
「ひと足違い、処分に困って地元の小学校に寄付しようとしたんですって、ところが、ほら、40年も昔の、いわばガラクタでしょう?断られたそうです」
「もったいない」
「仕方なく、燃やしてしまったそうです」
「40年も保存しておきながら、ねえ」
ねえ!
この頃は月刊誌が花盛りで、冒険王や面白ブック、少年などの雑誌が書店の店頭をにぎわしていた。先日、図書館で「古本・貸本・気になる本」(河出書房新書)というのがあったので見ていたら、組み立て付録という見出しが目に付いた。
当時の少年雑誌には、必ずといっていいほど厚紙で作る組み立てフロクが入っていた。モーターボート・ジエット機・カメラ・幻灯機・日光写真・ピストルなどをのりづけしながら作る。当時、セロハンテープはまだ出はじめで、工作のりで、貼ってもはってもはがれてくるのにやきもきしながら組み立てたものだ。ようやく出来ても、チョット遊んでゴミ箱行きだ。
昔のフロクを、童心に返ってもう一度組み立ててみたい。夢中になって作ってみたい。そんな会話をしている。「古本屋にはありませんか?」「フロクの別冊ならありますが、組み立てフロクは作って捨てちゃうので、残ってないでしょう」「未使用で保存する子はいないでしょうしね」「あったとしても、とんでもない値段がつくでしょう」
ところがこの会話の主は、その後、真剣になって探したそうだ。故郷の本屋さんに問い合わせたところ、数年前に廃業していた。が、未使用のフロクが、蔵の中のダンボールに十箱ほどあったという。当時、フロクは返品しなくてよかったとのこと。十箱なんてすごいことになりそう、と思いきや。
「ひと足違い、処分に困って地元の小学校に寄付しようとしたんですって、ところが、ほら、40年も昔の、いわばガラクタでしょう?断られたそうです」
「もったいない」
「仕方なく、燃やしてしまったそうです」
「40年も保存しておきながら、ねえ」
ねえ!
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