気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

茶飯釜(寧楽の春)二日目の朝

2018-04-21 09:21:03 | お茶会・お茶事
昨日の茶飯釜(寧楽の春)一日目、三十数年来教えて頂いた
先生、昨春に奈良を去られてはや一年、旧社中の方と一緒に
お招きして茶飯釜をさせて頂くことに。
今年の桜の春は例年にないほどの速さ、多くの桜は散るも、
一番遅い奈良の八重桜も咲きだしたそうで、
奈良の春をイメージ、奈良の異表記『寧楽の春』の趣向を。
*奈良(なら)の異表記は那羅・平城・寧楽などがあり、
 古くは大和、平安京に都が遷った後は南都(なんと)と。

玄関は「吉野龍田図屏風」部分(根津美術館蔵版1996)の色紙
全山埋め尽くす吉野の桜、その枝にかかる短冊に、
『ほのぼのと花の横雲あけそめて桜にしらむみ吉野の山』
      西園寺太政大臣(公経)(玉葉194)
 

そして『やまとのかたち』原田要さんをプラスすると

 
入ってこられて、いかがでしたでしょうか。

 ・・・ここまで昨晩書き始めていました・・・

二日目の朝を迎え、昨日は27.4℃、今日も夏日との予想
炭が入り暑くなるでしょう。でもエアコンをするほどには・・
自然の風をいれましょうね。

昨日の台所も人で熱くなりました。というのも
助っ人が来て頂いたので、朝九時から三人、
でも二日目の今朝は、八時から私一人で下ごしらえ・・・、
有難いことに昨日の間にある程度済ませて頂いており、今朝
からのメモを残して下さいました。

九時に来られたお二人、二階で着物を召されたのですが・・・
30分で降りてこられ手伝いに。


茶飯釜、ご飯を炊くのはまだ任せられませんので・・・
慌てて着物を着てこなくてはなりません。
ここまでに・・・

東大寺二月堂「桜のワイン茶会」へ

2018-04-08 19:45:38 | お茶会・お茶事
今朝は3.8℃と冷え込み、3月中旬の気候に逆戻り、寒さの中
染井吉野も散り、遅咲きの桜や八重桜の咲く東大寺二月堂で
昨日と今日と『桜のワイン茶会』の最終公演を迎えられました。
終会に付き、賛同・助言等を頂いた田中一光先生、伊住宗晃
宗匠がお亡くなりになられて15年、今後も御意志を受け継ぐ
べく奉茶をされており、今日の11時に席にと。


奈良も春めいて三条通りのアメリカハナミズキも色づき始め、

このところの温かさで、若草山の芝も色を成しておりました。

十時半頃、東大寺大仏殿では所々遅咲きの桜や八重桜が咲き
朝からのんびりと鹿が草を・・・
  
午前八時から始まった仏生会(花祭り‣甘茶かけ)も終わったよう
大寺勧進所(清凉院)へ帰られるお坊様にお会いし、一礼を。

二月堂の茶会の会場から見える桜は、葉桜ばかり、残念


待合いは、二月堂茶所に
軸はフランス語で『ディオニュソス賛歌』児玉燕居画賛
衝立はワインの木箱で、地球が描かれた棗『絹絲路』は、
螺鈿の人間国宝、奈良の北村昭斎さん、大きな鉢は大樋年朗さんで
なんとこれが茶碗大振り以上に大振りです。


席入りしますと、
正面の和紙に、麹谷さんが、ワインで隠れた『一』
これが一期一会?
田中一光さんの絵『JAPAN』1986と
軸に『垂れ桜』伊住宗匠‣麹谷宏‣黛まどかの連句が、糸桜の描き
表装は千住博、軸先が大樋長左衛門、箱書は坐忘斎家元です。
いとさくら 日毎の風に 色つむぐ
        野点の夢に 風船の影
          旅立ちの 空の深きに 蝶生まれて

   

お点前が始まり、糀谷さんの奉茶のあと、
立位で二人が本勝手と逆勝手で中央に置いた一つの釜から
交互にお湯を取り・・・
このお点前は、過去に存在していた『比翼点』と言われ、
例え大寄せでも亭主が客全員にお茶を点てて差し上げるようと
考えられたのが『比翼点』であり、大きな茶碗に大きな茶筅、
10人分くらいを点てられ、緑色硝子の数茶碗に分けて盆に
のせて運ばれてまいりました。
この茶碗は、糀谷作でワイン古瓶から作られたものです。


釜は『万代屋』、
風炉『葡萄酒杯』伊賀 長谷園 麹谷宏、苦労して造られたと
薄器『絹絲路』北村昭斎
   日の丸棗 はたけなか 
  
水指 硝子『白白』伊住宗晃書付十二代宗哲塗蓋、麹谷宏
   

茶杓 麹谷宏作、田中一光好、日本紙にて造られ、
各自頂いてまいりました。


菓子は哲学万頭、中に奈良ワイン「月日星」が


点心は夢窓庵で、シャンパンとブルゴニュ-の赤ワインも
ソムリエより配られました。
 

会記で、裏には一面の桜が、これで花見と



また違った一面からのチャレンジ、基本は同じなんですね。
こんな楽しい経験ををさせて頂き、ありがとうございました。
準備等大変だったでしょう。
来年も・・・残念ですが、終会でしたね。
皆様お疲れ無きように。

第5回珠光茶会で三木町棚or江岑棚に

2018-02-07 17:41:45 | お茶会・お茶事
今日もまだ北陸では豪雪のため車が10キロ以上も停滞しており、
五六豪雪以来37年ぶりとの報道があり、次男を富山の病院で
出産した年、降り積もる雪をベッドから眺めていただけでしたが
実は昭和51年の年末に奈良へ引っ越しの途中、同じ8号線敦賀
手前の峠越えの山中で3日3晩閉じ込められた経験があります。
地元の方々にお握りやお茶そしてトイレ等お世話になりました。
今回もそのような報道も聞き及びますが、有難いことです。
また救援中の関係者及び自衛隊の皆さまもご苦労様ですね。

北陸は雪だと奈良は晴れ渡る通り、日中でも3℃台の厳しい寒さ、
昨日から奈良で冬の恒例行事、第5回『珠光茶会』が開催中で、
今朝9時から奈良国立博物館内の「八窓庵」のお茶席、そして
春日大社・桂昌殿での薄茶に続き感謝共生の舘での点心を済ませ
巡回バスで大安寺・客殿の濃茶へと行ってまいりました。

今日は初午ですから、春日大社の薄茶席
待合は「梅に鶯」吉村孝敬筆、さあ本席へと
軸は『紅爐上一点雪』鵬雲斎大宗匠筆、つぼつぼ竹平棗(正玄造)
馬香合(市川銕琅)、白孤茶杓(淡々斎作)、水指朝鮮唐津?
赤:馬上盃(八代目吉向十三造)蓋置は三鳥居に。
棚は珠光茶会は宗派の垣根を越えて催す意味から、表千家では
四代江岑好みで「江岑(こうしん)棚」と呼ばれる棚で、
裏千家では和歌山の三木町から由来する「三木町棚」といい、
特徴は、杉の天板と地板、柱はヒノキを四本、そして薄茶器や
花入袋を入れるため、樅を使った引き出しがあり、引き手は
竹でつくられています。

菓子は「稲穂」と名付け、初午の五穀豊穣を祈られていますね。
 

そして点心席では、六角二段弁当(吉座傳右衛門
奈良の地物野菜をふんだんに使われており、
上段は卵焼き、味間芋田楽、宇陀金牛蒡、稲穂付筍旨煮、
   金時芋甘煮、茂呂子南蛮漬、菜の花つみれ、市松絹田巻
   海老芋手まり、大和まな塩浸胡麻和え
下段は碓井ご飯、奈良漬
 

巡回バスに乗って、癌封じで有名な「大安寺」へ
第三回の珠光茶会の様子の冊子がありました。


武者小路千家・奈良官休会さんの濃茶席。
覚えている限りでは・・・
床の軸は「松無古今色」、脇に寿で長谷太郎画の大安寺図
花は白玉、太神楽、白梅を竹一重切「蓬莱」の花入れに
香合は宗入 赤四方
菓子は「福寿草」千寿庵吉宗さん
素晴らしいお道具立てに見とれて・・・忘れてしまいますね。

お茶の楽しさが味わえる「珠光茶会」もう少し時間があれば
春日大社の国宝展、あの最古の名刀が見られたかも?そして
奈良国立博物館で開催中の「薬師寺の名画」展や
「お水取り」展もこのチケットで見られたのですが・・・。

茶道サークルの初釜は

2018-01-18 19:25:50 | お茶会・お茶事
今日は「日本の植物学の父」の牧野富太郎先生が亡くなられた日
無学歴なのに理学博士として研究に勤しまれ、命名は2500種以上
にも達し、代表的なものでは、性格を言い表す「ワルナスビ」や
犬の陰嚢から「イヌノフグリ」で和歌山の方言で松笠を指すと。

朝は6℃で日中は13℃まで上がり、風もなく照ると一段と暖かく
若草山の枯れ芝がくっきりと、27日には山焼きで真っ黒に。
  

先日の茶道サークルでの初釜、お稽古としては8回目、
形だけですが、お酒も用意してでかけました。
床のしつらえ、軸は『松無古今色』而妙斎宗左(表千家14代)
干支香合と、竹一重霧の花入れに白梅と山椿になります。

長板に、皆具はつぼつぼ青海波、薄器は独楽平棗、
主菓子は丸三宝に花びら餅(自家製)と
干菓子は朱塗りの丸盆に鶴とりどりに

初釜の参加者は私を含め7名、最初にミュシュラン一つ星、
小粋料理の万惣(まんそう)さんの点心を楽しみながら歓談、
心配りの松花堂に一献、白味噌仕立ての煮物椀、
蓋を開けると柚子の香りがフワ-と広がり
真薯に海老・・・。

後座は席を改め、長板総荘りで薄茶をしていただきます。
正客・次客と、亭主に分かれて、席入り、ご挨拶と

先週、お稽古した成果が出たのでしょう。
  
まだ生まれたての茶道サークル、お席もお道具も制限はあります。
足が痛くて立居振る舞いが難しい方もいらっしゃいますが、
皆さん初釜を愉しんでいただけたようで、嬉しい限り、
天候にも恵まれ本当に良い初釜の一日になりました。

18’初釜・後座を

2018-01-10 16:11:55 | お茶会・お茶事
今日1月10日は110番の日、最寄りの駅では地域の方を含め
啓蒙活動をされており、10時過ぎからの雨で大変でしたね。
12時前には東の若草山から雲が切れると若草山頂上付近から
春日奥山頂上そして高円山の大文字の空き地が真っ白に・・
週末までには大寒波がやってくるのでしょうか?
  

『18’初釜』後座を
中立ちで、後座の準備が出来ましたと言う声で、
床を見ますと水指や茶入れはOK
花はなんと床柱の花釘に、そして掛け軸をはずした後の自在も
そのままで・・・(まだまだ任せられませんね)
自在を取り去り、床の中釘に花入れを掛け直しました。
お客様が六名に増えましたから準備はどうなのでしょうか?
銅鑼は「大小大小中中大」と心配は杞憂に。

手水を使われ、席入りに

濃茶手前になります。

濃茶が点てられ、銘は七草の茶杓、茶碗は嶋台で


そして「つづいて薄茶を差し上げます」との挨拶で
続き薄茶点前になり、干菓子器をお出しします。
長生殿(金沢・森八)と霜柱(仙台・九重本舗玉澤)で。
ところが、四人+α分しか用意しておらず、
六人様では足らず、大慌てに。
このリカバリーも経験に成りましたね。

薄茶を点てると、正客は亭主にあいさつをして
 
銘は富士、七賢人、天神、六瓢、松などで茶碗で・・・
  
「どうぞお仕舞いを」の挨拶で、
薄器は五節句、茶杓は柳、これらの拝見などを済ますと
総礼で終わりました。
 
送り礼をしてお帰りになりましたが、一段と賑やかな席、
御題の『語』、お客様の中でお二人も嬉しいことがあり、
賑やかに何度も語っていただけ、座がより一層盛り上がる
事が出来ました。

最後に、いつもの様に水屋の皆さまと一緒に、
「至福の一服」を美味しく頂けました。

まだまだ課題は多く見受けられますが、動かされていたのが
自発的に動かれるようになり、「おもてなしこころ」を持ち
ますます茶事を楽しみたいと思っていただけたようです。
次の茶事は何時かといいますと・・・
実はお世話になった方に、昨年は茶飯釜をしたと話しますと、
”暖かくなってから、茶飯釜でおもてなしして下さい”と
伺っており、楽しみに。

18'初釜初座は

2018-01-09 19:00:38 | お茶会・お茶事
西寄りの突風を伴う暖かな朝、奈良気象台の観測では午前4時で
10.2℃にもなり、その後は9℃前後の気温です。関東地方では
4月初旬の陽気になるらしく、爆弾低気圧まで発達したためで、
ラニーニャ現象?に起因する異常気象の一つなのでしょう。
でも急速に寒気が押し寄せるので、また寒くなりますね。

昨日今日と「18’初釜」の後片付けで、お道具や器類は仕舞い
ましたが、まだまだ仕事は残っており、一旦パソコンを前に
して収支等を記入整理するも、あぁー・・・気分転換

先日の「18’初釜」の主題は『人日の節句』で、
副題は今年の、干支「戌」と御題「語」としました。というのも
当日の1月7日は、五節句の一つ『人日の節句』に当たり、
『七日正月』ともいい、「七草粥」を頂きますね。
古来中国では邪気を払うために七草の粥を食べ一年の無病息災を
祈った風習が、伝わった日本では平安時代宮中では「初子の日」
(今年は1月1日)の小松引きや若菜摘みと合わさり「人日の日」の
風習として江戸時代には一般に広まりました。

この人日の日にこだわり、「七」や目出度いものも整えました。
懐石の大根餅もそう、春の七草の「すずしろ」=大根、
碗内にも若葉の七草を。


お詰めから、揃われたとの知らせで、汲出しを差し上げ、

時間になり待合を出られて腰掛待合、蹲踞で手水を、そして

広間へとお入りに、床の軸『松無古今色』や結び柳に蓬莱飾り、
点前座などの拝見を終えられて

座に着かれますと。
   
亭主の黙礼に一同黙礼で、挨拶が・・・

炭斗に続き灰器を持ち出し、初炭手前が始まりました。

「伊勢海老香合(赤膚焼)」の拝見もすみますと

「食事を差し上げたく存じます」との挨拶で
襖を閉め、続いて膳を正客前に運ばれ懐石が始まります。
・・・茶事の懐石は「18’初釜の献立は」を参照してください
揃って箸を膳の中に落とす音で、終わりに。

中立ち後、後座から広間へ入っていただくつもりの子育て中の
お二人、早く来られたので、お客様には失礼でしたが、座の中
に加わわって頂き、六名になりました。
稽古茶事の気安さからで、雰囲気を経験していただければ。

黒文字を添え禄高の中の菓子「花びら餅(芳月庵:自製)」を
すすめ、さらに中立ちの挨拶のあと、菓子を頂かれ拝見後、
”寒うございますから待合に”と告げると待合いに戻られると。

さあ後座の準備に取り掛かります。掛物を巻き上げ、席中も
掃き清め、床の中釘に活けた花は蕾の紅梅と白の西王母椿です。
西王母は中国古代の仙女で、崑崙山に住み、不老不死の薬を
もつ神仙といわれますね。

さて後座には何が登場するのでしょう。

18’初釜の献立は

2018-01-08 13:26:32 | お茶会・お茶事
朝から雨の音で目が覚めるも、ここ数日来の夜更かしが続いた
「18’初釜」も終わり、ほっとしたのか、ゆっくりと。
でも愉しみの後、片付けが・・・
雨ですので、何から始めましょうか。
といってパソコンの前に座ってしまいました。

昨日の「初釜」の懐石、献立を紹介します。
稽古茶事とはいえ、出汁は富山調達の羅臼昆布を一晩浸け、
血合い抜き本枯れ節を用い、真剣に心を込めてとりました。

向 付 鯛昆布締め
    莫大 水前寺海苔 はこべ 山葵


汁   白味噌仕立て 海老芋亀甲 ときからし

壺 々 紅白なます 
 

煮物椀 大根餅 
    七草 海老 人参 芽蓮草 へぎ柚子



焼 肴 鰤(幽庵焼き) 酢蓮根


預 鉢 筑前煮
    蓮根 牛蒡 京人参 蒟蒻 鶏肉 菊菜煮びたし 柚子千切


強 肴 サーモンの塩辛(新潟・三幸
    松前漬け(自家製)
 

小吸物 松の実 ひまわりの種
 
八 寸 数の子 黒豆 銀杏


香の物 赤蕪 べったら漬け すぐき

なお、一献は、
北雪 純米吟醸越淡麗 北雪酒造 新潟県・佐渡市

③富士清水 バナジウム天然水 山梨県・山中湖村
 
皆様から”美味しかった、あの大根餅は・・・”
とお褒めの言葉が、「やりました」試行錯誤が生きましたね。
実は「大根餅」中華料理のレシピはよくあるのですが・・・
大根は鬼おろし器と普通のおろし器でおろしたのを混ぜ、
葛粉とうき粉をつなぎにして、セリの茎と生海老一匹/人と
贅沢に使い、丁寧にとった出汁に、塩と醤油をほんの少し
垂らしただけなんです。

前日の下ごしらえと、さらに当日も早くからの準備に
本当に御苦労様でした、お蔭で今年の初釜もつつがなく
やりとげる事ができました。感謝の一言です。

台所、お点前、亭主、半東役等これでほぼ一回りしましたので
この次には指示が減るように、一緒に精進いたしましょう。

18’初釜のしつらえは

2018-01-07 19:31:34 | お茶会・お茶事
奈良の最低気温は-0.3℃と霜が降りていますが、朝日が射し
こむ初釜の朝を迎えました。稽古茶事で11時席入りになり、
庭の椿を採りに降りると、枝垂れ白梅の蕾が膨らんでいました。


寄り付きのしつらえは、

万年青、翁(九谷焼)、小槌(奈良一刀彫)、干支の戌と
 
 
色紙は、鶴が舞う「鶴図下絵和歌巻(部分)」俵屋宗達、
本阿弥光悦筆(京都国立博物館蔵)、山部赤人が詠んだ歌を
あすからは若菜 つまむとし めし 野に
         昨日も今日も 雪は ふりつつ


お客様を迎えました。
 
初釜のお客様は四名、稽古茶事ですので子育てで忙しい方二名も
濃茶点前より来ていただくことになり、都合六名となりました。
お迎えする水屋等は、私を含め五名で。

さあ、お客様はこの待合いでお待ちください。
いつもは寒い8畳間も朝7時過ぎより暖房を入れ、さらに火鉢も
用意しており、大丈夫でしょう。
  
待合いのしつらえの色紙は、『鍬はじめ』小川芋銭
*「小川芋銭(うせん)」は日本画家で牛久で数軒隣には、
  奈良県出身の住井すゑが住居しており親交を深めた。
鍬はじめ

床のしつらえは、結び柳に炭飾りの蓬莱山飾り、
紹鷗棚にも小さいですが、三輪の掛け蓬莱も。
 
松の生花と日陰蔓の懸蓬莱
 
  
軸は『松無古今色柳生・芳徳寺住職 橋本紹尚筆

引用は『禅林句集』五言対句からで
『松無古今色 竹有上下節』
松に古今の色無し 竹に上下の節あり
”松は昔も今も、常に青々していて その色を変えることがない
 竹はいつも青々しているが、上下の節がある。”と
このことから、好きなようにお考えください。
・・・・・・
時間になり、待合いを出られて、腰掛待合い、
 
そして広間へとお入りに。
                   (次回へ続く)

警報前に一休寺の月釜へ

2017-09-17 19:47:12 | お茶会・お茶事
台風18号は午前中から鹿児島から宮崎を抜け、
大分や宮崎などで大雨を降らし、災害が気になります。
奈良でも午前11時半頃に大雨・洪水警報と暴風警報が
発令中で、午後4時頃の若草山方を望むと、大風の中
高円山の上空に鷹?が舞っておりました。
真夜中には近畿地方を通過し日本海方面へ抜けるそうです。
  
昨晩遅くに帰宅でしたが、今朝は一休寺の月釜へ伺いますので、
5時半頃目覚め、まずは台風の行方を確認し、早く還ればと
朝8時15分に出かけましたが・・・
なんと四席目で、皆様お考えになることは一緒ですね。

月釜は、奈良の先生なのでしょうか、中宮寺の古瓦の敷板、
お軸は大安寺住職さん「水中流月」雰囲気が伝わりますね。
そして花器は砧で赤膚の松柏さんで素晴らしさに感嘆!
待合いの軸は、武蔵野図で虫の音が聞こえてくるようでした。

朝茶事「七夕の嗜好」

2017-08-30 20:10:15 | お茶会・お茶事
朝茶事のお客様は五名になり、朝8時席入りの15分前には
お揃いになられ、この待合でお待ちです。
待合いのしつらえは、『蜘蛛の糸』に押し花の梶の葉を。
でも前日に何か物足らず、梶の葉に歌を墨書・・・
たなばたのとわたる舟のかぢの葉に
            いく秋かきつ露の玉づさ

 俊成女(藤原俊成の孫)新古今集 巻第四 秋歌上320
 
蜘蛛の糸が下がり、小さな蜘蛛を見つけられましたか?
 
お詰めから、お揃いとの知らせで、汲出しを差し上げ、
時間になり待合を出られて腰掛待合、蹲踞で手水を
  

そして小間へとお入りに、床の軸『牛背笛聲遠』や
糸巻棚の「蜑小舟香合」などや風炉の拝見を終えられて
座に着かれますと。
   
亭主の黙礼に一同黙礼で、挨拶が・・

炭斗に続き灰器を持ち出し、
  
定座で初炭手前が始まり、22分程度で

「お湯づけを差し上げたく存じます」との挨拶で
襖を閉め、続いて膳を正客前に運ばれ懐石が始まります。
・・・朝茶事の懐石はを参照してください・・・
揃って箸を膳の中に落とす音で、終わりに

黒文字を添えられた露の打たれた義山の禄高の中の
菓子「七夕送り(芳月庵:自製)」をすすめ、
 
さらに中立ちの挨拶のあと、菓子を頂かれ拝見後、
腰掛待合に出られました。
(50分程度が80分強と時間かかり、反省点に)

後座の準備で、掛物を巻き上げ、席中も掃き清め
床の中釘に、四つ目籠をかけ、活けた花は
風船蔓、藪茗荷、吾亦紅に木槿(二種)です。
  
釜を掛け蓋を切り、水指、茶入れを荘付け、
銅鑼を「大小中中大」
手水を使われ、席入りに

濃茶手前になり、
濃茶を点てられ、茶碗に古帛紗を添えて出されました。


そして「つづいて薄茶を差し上げます」との挨拶で
続き薄茶点前になり、干菓子器をお出しします。
京都・末富の「撫子、氷彩花」と
仙台・賣茶翁のふやき「みち乃久」になります。


「どうぞお仕舞いを」の挨拶で、
茶杓、棗の拝見などを済ますと総礼で終わります。

送り礼をしてお帰りになりました。
最後に水屋の皆さまと一緒に「至福の一服」を
美味しく頂けました。

所作などに不都合なことも、今後の課題になりますが、
時間的にはこの朝茶事、3時間50分で済ませられ、
正午までに終わったこと、そして朝茶事の
「七夕の嗜好」から「おもてなしこころ」を感じて頂け、
これからも茶事を楽しみたいと思っていただけたことなど
合格点はあげられますね。