息子が結婚して家を出る時に、私から息子へのはなむけの言葉として持たせた「息子へ」という一冊の小冊子。そこから抜粋した、今回は第2話(ザルで水を汲む如し)をご紹介したいと思います。
これまでの投稿は、順不同となっておりますが、この先は、時系列で投稿して参るつもりでおります。
第1話を未読の方はこちらからどうぞ
「息子へ」第1話 (偶然の幸運)
覚えているかな。
小学1年生の時、
お姉ちゃんのお友達の家で、
「子供銀行のお金」を
盗ってしまったこと。
「人の物を盗ってはいけない」
「嘘をついてはいけない」
「人を傷つけてはいけない」
子育ての指針は
ごくごくシンプルだったのに、
正にビンゴ。
本当の意味で初めて
自分の子育てを疑った時だった。
泣きながら謝るおまえを
謝ることだけでは
どうしても許すことができなかった私は、
夢中でおまえを引きずりながら
交番へ向かった。
「人の物を盗るということは泥棒だってこと」
「泥棒は警察に捕まえてもらって牢屋に入ることになってんの」
「うちに泥棒をおいておく訳にはいかないの」
「ごめんなさ~い。ごめんなさ~い。ごめんなさい~。ひぃ~」
道行く人が、
どんな目で見ているかなど
どうでもよかった。
この機を逃しては
どうしてもいけないと
必死だった。
たぶんあの時、
鬼のような顔していたんだろうね、私。
交番が近づくにつれ、
実際問題、私は困り始めました。
だって、
おまわりさん、捕まえてくれないでしょ。
何とかして前に進むまいと
足を踏ん張り、
顔を引きつらせて
泣きながら謝り続けるおまえは、
もう充分に恐怖心を味わっている。
立ち止まり、
しゃがんでしっかりとおまえの目を見た。
「本当に悪いと思っているの?」
「はい」
「もう二度としないって約束できるの?」
「はい」
「はいじゃわからない。自分の言葉でちゃんと言いなさい。」
「はい。もう絶対にしません。約束します。」
「・・・そうか、じゃぁ、どうしようかな。
今回だけ、警察に言うのはやめてやろうかな。」
ものすごいスピードで
何度も首を縦に振ったおまえは、
ほっとしたのか
前にも増した大声で
また泣き出した。
「子育ては、ザルで水を汲む如し」
目では認められないほど
少しずつしか溜まらないけど、
汲み続ければ
いつか瓶(カメ)を満たす日がくる。
第2話はちょっと短めです。ですが、この事件をキッカケに、自分の子育てが本当に正しいのか、疑問を持ち始めます。今考えたら、正解などというものは、実はどこにも無い。親も子供も、百人いれば百通り。お互いのタイプによっても、組み合わせによっても、その答えは千差万別なはず。
そして親などと言っても、所詮はただの人です。己の力量を知り、こういったことを繰り返し、積み重ねていくことで、親は、子供によって親にして貰うんだ・・・ということに気付いたのは、ずっとずっと、ずっとあとのことでした。
既投稿の記事を貼ってみました。宜しかったらご覧ください。
「息子へ」第3話(たこ食った事件)
「息子へ」第4話 (目から鱗)
「息子へ」第5話(父親みたいな人)
これまでの投稿は、順不同となっておりますが、この先は、時系列で投稿して参るつもりでおります。
第1話を未読の方はこちらからどうぞ
「息子へ」第1話 (偶然の幸運)
覚えているかな。
小学1年生の時、
お姉ちゃんのお友達の家で、
「子供銀行のお金」を
盗ってしまったこと。
「人の物を盗ってはいけない」
「嘘をついてはいけない」
「人を傷つけてはいけない」
子育ての指針は
ごくごくシンプルだったのに、
正にビンゴ。
本当の意味で初めて
自分の子育てを疑った時だった。
泣きながら謝るおまえを
謝ることだけでは
どうしても許すことができなかった私は、
夢中でおまえを引きずりながら
交番へ向かった。
「人の物を盗るということは泥棒だってこと」
「泥棒は警察に捕まえてもらって牢屋に入ることになってんの」
「うちに泥棒をおいておく訳にはいかないの」
「ごめんなさ~い。ごめんなさ~い。ごめんなさい~。ひぃ~」
道行く人が、
どんな目で見ているかなど
どうでもよかった。
この機を逃しては
どうしてもいけないと
必死だった。
たぶんあの時、
鬼のような顔していたんだろうね、私。
交番が近づくにつれ、
実際問題、私は困り始めました。
だって、
おまわりさん、捕まえてくれないでしょ。
何とかして前に進むまいと
足を踏ん張り、
顔を引きつらせて
泣きながら謝り続けるおまえは、
もう充分に恐怖心を味わっている。
立ち止まり、
しゃがんでしっかりとおまえの目を見た。
「本当に悪いと思っているの?」
「はい」
「もう二度としないって約束できるの?」
「はい」
「はいじゃわからない。自分の言葉でちゃんと言いなさい。」
「はい。もう絶対にしません。約束します。」
「・・・そうか、じゃぁ、どうしようかな。
今回だけ、警察に言うのはやめてやろうかな。」
ものすごいスピードで
何度も首を縦に振ったおまえは、
ほっとしたのか
前にも増した大声で
また泣き出した。
「子育ては、ザルで水を汲む如し」
目では認められないほど
少しずつしか溜まらないけど、
汲み続ければ
いつか瓶(カメ)を満たす日がくる。
第2話はちょっと短めです。ですが、この事件をキッカケに、自分の子育てが本当に正しいのか、疑問を持ち始めます。今考えたら、正解などというものは、実はどこにも無い。親も子供も、百人いれば百通り。お互いのタイプによっても、組み合わせによっても、その答えは千差万別なはず。
そして親などと言っても、所詮はただの人です。己の力量を知り、こういったことを繰り返し、積み重ねていくことで、親は、子供によって親にして貰うんだ・・・ということに気付いたのは、ずっとずっと、ずっとあとのことでした。
既投稿の記事を貼ってみました。宜しかったらご覧ください。
「息子へ」第3話(たこ食った事件)
「息子へ」第4話 (目から鱗)
「息子へ」第5話(父親みたいな人)
ポチ、ありがとうございました~
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そこまでしてもらったら、
息子さんだってまっすぐ育つしかないですね。
かっこいいママで憧れます♡
そんなポンままさんでも悩みながらの子育てだったんですね。
常に向上心持ち続けてるってことですね。
子育て後悔たくさんありますよ、私。
唯一誇れることは成人するまで息子に虫歯が一本もできなかったことだけかな?
今もそうかはわかりません。
私の親は忙し過ぎて歯まできちんとしてくれなかったから、その反動です。
ご親友Cさんのお言葉には
ブッと吹き出してしまいました~(ゴメンナサイ)(*´ω`*)
確実に悪いことと認識させるには効果的な方法だなあ。と思いました。
今の息子さんを見れば
ポンママさんの子育ては間違ってなかったと 言い切れるはずですね。
私は・・・今の息子を見ると
優しい子には育ってくれたけど
男として どうなのよ!と思う事も多くて・・・
猫育ては完璧なんだけど
子育ては 失敗 かなあ。
と、その部分にリアリティーがあって、
凄い好きなんです。
このリアリティーに、迷いながら懸命に
子育てする母の姿を強く感じます。
ビートたけしの話だったかな?
お母さんが、たけしが悪い事した時、
警察に「死刑にしてやってください」と
泣いたという話を聞いて、ままんの話とかぶって、
思い出すんだけど、
必ずしも、愛は優しいもんじゃなくて、
時には心を鬼にするのが愛なんだってことに
しみじみ考えさせられるな~。
なまっちょろくない感じが、胸を熱くさせる。
うちの親なんてね、私が運転免許取った時、
「これを車の中に入れておけ」と贈られたのが、
駐禁で輪っかを付けられた時は、これで切れ!という
でっかい工業用のハサミ的な工具だったもんね。
さすが、親の愛もズれまくるおかっぱ家であった(爆)。
本当の父親をとても慕っていた息子から
父を奪ってしまったのは、
私たち大人の、勝手な都合でした。
だからこの頃は、その穴埋めもしなければ・・・と
私自身が必死だったのかもしれませんね。
それがですねぇ、一生懸命だった私の努力は虚しく、
なかなか真っ直ぐには育ってくれなかったのですよ。
何故?どうして?という疑問とばかり
ぶつかりながらの子育てでした。
あはは~!虫歯ゼロでしたかー。
実はウチの息子もそうだったんです。
でもね、これ、残念ながらウチの場合は
教育の賜物ではありませんでした。
娘にも息子にも、毎日キチンと歯磨きの習慣を・・・と
教えてきましたが、それに忠実に従って
キチンとしていた娘は沢山の虫歯が出来、
私の目を盗んで、おさぼりばかりしていた息子は
虫歯ゼロ!(^w^)
その事で随分と娘には抗議されましたよ。
ままのいう事聞いたって、虫歯出来る!
歯磨きちゃんとしてない弟に虫歯出来ないのに!!って。笑
後年分かったことのようですが、
どうやら虫歯菌が幼児期に口中に入らなければ、
虫歯は出来ないんだそうですね。
いえいえ~吹き出されて当然です。
ま、Cさんの言うことにも一理あるし~(*≧艸≦)
想像以上に、私がショックを受けたのだと思うのです。
口を酸っぱくするほど言っていた
「人の物を盗ってはいけない」ということを
我が子がやってしまったんだという現実を
私が受け入れ難かったんじゃないかな~って。
謝っている息子を見て、
謝れば許して貰えると思われるのも
多分嫌だったのでしょうね~。
気付いたら、息子を引きずりながら
道路を歩いていました。笑
今の息子を見ているからこそ、後悔ばかりですよー。
もっと大きな気持ちで
自分の子供たちに接することは出来ないのか、とかね。
自分だって出来なかったくせに!!笑
まぐろさんの息子さんは、本当に母親思いの
優しい息子さんじゃないですかー!
男として強く育って欲しかったですか?
私なら、絶対に優しい方に軍配あげます!!
息子を引きずってたから!(*≧艸≦)
計画性が全く無い!!
だから本当に困ったのよね。
引きずりながらも、この後どうしよう・・・ってf(^^;)
あぁ、たけしさんのお母さんのその話、
私も聞いたことあるかも~。
ホントはね、いい子いい子、可愛い可愛いって
そればかりやりたいんだよ。
でもねぇ、現実はそう甘くは無いのよね~。
生きていく上で覚えて欲しいと思う、
優しいことも、怖いことも、悪いことも、悲しいことも
楽しいことも、辛いことも、素晴らしいってことも
ひと通りを教えてあげられるのは
やっぱり親だと思うんだよねー。
息子が日々起こしてくれる様々な出来事を
拾い上げては、教えていくってことを
繰り返した来たつもりなんだけども、
それは余り伝わっていなかった気もして。
結局、それはぜ~んぶ、
自己満足だったかー!なんて思ったりもする。笑
あははは~!
最後、大っ爆笑しちゃったよ~ε=(>ε<)
さすが道具持ちのとーさん!!
それ、我が家にもあるよ~(*≧艸≦)
でもそれは、ぶっとい針金とかを切る用だよ~(^w^)
今のあたしは、そういうおかっぱ家を
とっても微笑ましいご家族だと、心から思う~(*^。^*)
その子その子への対応なので いつも迷ってばかり
その時その時で精一杯です
ままの気持ち(心の痛み)がとても伝わってくるお話でした
「人のものを盗ってはいけない」という教えだったのに
起こってしまった現実を受け入れるのは困難ですね
交番へ息子さんを連れて行こうとした気持ち
ままの体当たりの子育てだったのですね
子育ては一生続き 正解がない
私はいつもそう思います
自分が死ぬまで我が子のことを心配し続けると思います
だから親なんですよね..
自分も未だに親に心配をかけているのだと思います
親に返しきれない愛や思いを我が子に返していくんですね
とても良いお話でした
次も楽しみにしています..
娘にはこうして上手くいったのに
息子はどうしてこうも問題ばかり起こすのか・・・と
知らず知らずのうちに、比べたりもしてしまいました。
それ、一番やっちゃいけないこと!!笑
まぁこの事件はほんの序章で、
この後更に色んな事件が起こったんですけどねf(^^;)
交番に向かって引きずったことも
余り効果は無かったのか・・・と
肩を落としたこともありました。
でも私がもし、娘しか授かっていなかったら
今の私はありません。
息子によって、これでもか!というくらい
色んなことを考えさせられて
色んなことを知ることが出来ました。
だからやっぱり、それは私にとって必然でした。
親が子を思うのは、これは一種のエゴだと
私は思っているんです。
だから、大人となった今は、
そのエゴを、出来るだけ押し付けないで
こっそり子供たちのことを思い続けようと・・・。笑
また宜しかったら、次回もご覧になってくださいませ。
いつもありがとうございますm(_ _)m