保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

人生の楽園

2004-07-24 20:06:44 | マスコミ出演
今日も本当に暑かったですね。
お互い、体調には気を付けて楽しい夏にしましょう。
今日は話題を変えて、毎週土曜日の6時からTV朝日系列で
放送いる「人生の楽園」という番組の話をします。

皆さんこの番組ご存知ですか?
いままでの既成概念に囚われず、新しい生き方を
提言し紹介する番組で、西田敏行さんと伊藤蘭さんが
ナレーションを担当してる番組です。
私も2年前出演した思い出多い番組でもあります。

今日は京都の美山町でペンションをされているご夫婦の話でした。
美山町は京都の丹波と福井県に挟まれた山深い町で、
今では「かやぶき屋根の里」として日本的に有名な観光地に
なってている所です。
この美山町は私にとっても思い出深い所なのです。
私は以前、新聞記者をしていました。
その時、美山にはよく取材で訪れたことがあるのです。
時はバブル経済末期、某首相が地域活性化を謳い
「ふるさと創生事業」として各地方自治体に一億円づつ
配られた事がありました。
私が回った多くの自治体は、観光の目玉と称して
テーマパークや公園整備などに投資されました。
私にはそれはどれも似たり寄ったりの企画に見えました。
その中で美山町さんだけは全く異なった視点を持ってられたのです。
それが村に古くから残るかやぶきの景観を、町が補助をして
整備していくというものでした。
ほとんどの町がモダンな建物を建てたりレジャー公園を
整備した事に比べると、それは時代に逆行するような事業にも
当時では見えました。
しかし、取材をしてみると美山の町長さんには信念がありました。
町長さん曰く「こんな山深い町にちゃちな建物や公園を
作ってみたところで人は来ないよ。
都会の人は緑を越えて緑のある所へは来ないものなのです。」
ときっぱり仰いました。
京都の内陸=四方を深い山に囲まれた地理を
背伸びせずしっかり見極めたらこそ言えた言葉だと、
その時感じたのを覚えています。それから美山町には
興味を持ち、幾度となくかやぶき整備の進捗ぐあいを
取材させていただきました。
その美山町が今では「日本の原風景が残る村」として
日本が誇る観光地になった事は、当時を追っかけていた私に
とっても本当にうれしいことです。
その美山に魅せられてそこで暮らされたご夫婦を
私も保津川の船頭となり出演した「人生の楽園」に紹介された事が、
奇しき因縁を感じ感動した次第です。
写真は私が出演した「人生の楽園」の撮影風景です。

船頭の待ち時間

2004-07-24 01:17:05 | 船頭
私達、保津川の船頭は、毎朝自分達の出船時間に合わせて出社します。普通の会社のように「朝9時始まりの5時終わり、タイムカード」とかいう細かい規則も拘束もありません。出社時間の予測は、前日の最終船から数えて、明日自分が何隻めの順番かを計算します。そして当日の予約船の時間帯と照し合わせて自分の出船時間を予測します。出社時間は出船予定の約2時間前くらいが目安です。例えば、昼の12時が出船予定だと大体10時頃に、最終船の3時半予定なら1時頃の出社になります。出社すると先ず、出船時間までに対岸の係留地から船を用意します。用意ができると出船時間までは待ち時間です。忙しい日を除くと、船頭は待ち時間が結構長いのです。待ち時間の間に私達はいろいろな情報を交換します。船頭は自由になる時間が多いせいか、多趣味の人が多いのが特長です。しかも趣味の分野を極めたプロ級の人も多く、本当に勉強のなることが多いのです。しかも楽しい話ばかり!信頼できるイイ奴ばかりで、子供のころのように、お腹の底から笑うことも多いです。企業組合という性格上、基本的に上司や部下などは無く、みんな同格の組合員、競争なんて無縁です。だから深く付き合える人ばかりなのです。企業の秩序といえば、技術を教わった師弟関係という精神的なつながりが秩序です。このような伝統的カラーをもつ保津川遊船企業組合。仕事が本当に楽しいと感じられる職場で、テレビじゃないけどまさに「人生の楽園」です。写真は信頼する友である、さわらぎ浩二さん(右)と森田孝義さん(左)です。待ち時間中に撮りました。さわらぎさんは去年、花王の「バブ」のCMに出演されていたので記憶にある人も多いのではないでしょうか?二人とも楽しそうでしょう!この元気が保津川の活力の源なのです。