こんにちは南仙台の父(hrperficio)です。
今回はキオクシア(旧東芝メモリ)と米・ウエスタンデジタルによる半導体
企業の経営統合について取り上げてみました。
様々な憶測が飛び交う中で経営統合によってメリットは生じるのか、それと
も悪い方向に向かうのか、米国の対中半導体規制も関係する中で様々な見方
が出ています。
さて、両社の国境を越えての経営統合は成功するのでしょうか。
写真は鑑定の結果となります。
左側が結果、右側が環境条件となります。
まず結果ですが、正義のカードの逆位置が出ています。
正義のカードの逆位置は不正や不公平、偏向や不安定、一方的や不誠実とい
った意味があります。
バランスや公正さに欠けるということになりますが、どうしても政治的な思
惑が優先することで、両社の経営統合がビジネスとして成功する道筋はまっ
たくないようです。
戦略的な半導体規制が西側の共通認識にはなっていますが、メモリーを中心
とする民生分野が主体となる領域では需給バランスが支配的です。
そうした中で数年かけて世界的な需給バランスは解消に向かってはいるもの
の、サムスンなどはまだ状況として良い方向性を見い出せていません。
また、民生分野で大きな需要拡大に繋がる要素も残念ながら少なく、その他
も含めて全体的に半導体需要が大きく上がる見込みはありません。
そうした中では設備投資や生産の抑制といった方向から脱することは難しく
、経営統合によるメリットは享受しにくいのが実態でしょう。
また、政治的な圧力で考えれば米側からの一方的な干渉は避けられず、旧東
芝にとっては今後もいばらの道となることは間違いありません。
次に環境条件ですが、吊るされた男のカードの逆位置が出ています。
吊るされた男のカードの逆位置は徒労や痩せ我慢、投げやりや自暴自棄、限
界といった意味があります。
旧東芝にとっては今後も自身の経営・ビジネスには非常に大きな逆風が吹く
だけでなく、メモリー市場の大きな変化も呼び込むことはできず、世界の趨
勢からは取り残されていく形になって、今ある経済的な市場価値は今後も大
きく価値を減らしていくことになります。
すでに半導体市場においてはその重要な意味が民生ではなく、別のものに置
き換わっていてマスプロ前提の量物によるビジネスへの重要性は失われつつ
あります。
半導体を取り巻く環境は激変していることもあって、今ある絶対的なプレー
ヤーたちも絶対的な立場を維持することすら難しくなっていきます。
そもそも、旧東芝はボタンを掛け間違ったままここまで来てしまいました。
すでに世界の趨勢からはズレたビジネス環境にあります。
そのため、何をやったとしてもビジネスが回復するだけのポテンシャルを期
待できない落とし穴に入っています。
残念ながら経営統合もビジネスプランも破綻することになるでしょう。
これは東芝だけの問題ではなく、政策的な判断ミスもあります。
また、マスプロ量産に支えられてきた半導体ビジネスの終焉も意味します。
半導体の価値は大きく変化しており、その波についていけない旧東芝の立場
は非常に弱いものです。
場合によっては廃業することになるかもしれません。