散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

灼熱の東京(10)

2014年08月04日 19時55分20秒 | 飲み歩き・東京
三田に戻って来て、夕食を兼ねて一杯行こう。やはり日曜日に比べると殆どの店が開いているので、選択の余地が大きい。迷った挙句、チェーン店や、最近できたようなレトロ飲み屋は避けて、割と昔からやっていそうな「F」という店に入ってみる。

客は少なめだったが、月曜日だからこんなものであろう。飲み物はハイボール、食べ物は焼鳥5本セット、いわし叩きを注文。ハイボールはデュワース使用だな。腹が減っていたので、通しのこんにゃく酢味噌をがっつく。



まずはいわし叩きが到着。ちょっと薬味がたっぷり過ぎて、舌触りを損ねる感じもあるが、まあまあだろう。これは燗酒をもらっておこうかな。



続いて焼鳥到着。左から皮、砂肝、鳥正、ハツ。後からレバタレが別にやってきた。この中ではレバタレが随一かな。他は割と平凡だ。後からつくねを追加したら、これは野菜みじん切りを混ぜた食感とパリッとした焼きあがりで旨かった。

 



まずはこの位にしておこう。



灼熱の東京(9)

2014年08月04日 14時34分27秒 | ART
この後、暑さを我慢しながら、初めての訪問となる新国立美術館の「オルセー美術館展」へ。日本じゃ印象派人気あるからなあと冷やかな感じで思っていたのだが、「ま、まさかあの・・・」という、美術ファンなら知らないはずがない名品が数多く来ている、実にうれしい展覧会であった。



 

フレデリック・バジール「バジールのアトリエ、ラ・コンダミンヌ通り」:画中にマネ、モネ、ゾラ、ルノアールが登場。
シャルル・ドービニー「収穫」:これは富良野っぽい風景画だね。
ジュール・ブルトン「落穂拾いの女たちの招集」:中央の女性が女神のように描かれ、ドラマティックにして象徴主義的。

シャルル・ジャック「羊の群れのいる風景」:巨大な牧羊風景画。羊の足元の赤い花2輪が印象的。
ジュール・パスティアン=ルパー「干し草」:目を見開いて呆然とする女、帽子を顔において居眠りする男。リアリズムの一つだ。
ジャン=フランソワ・ラファエリ「ジャン=ル=ポワトゥーの家族、プルガヌーの農民たち」:汚れた手と爪のリアリズム。

エリー・ドローネー「ローマのペスト」:なぜか天使が悪魔に人々の家の扉を槍で叩くように指示している。その叩いた数だけ死人がでるということなのだが、ひどい天使もいたもんだ。
アンリ・ポール・モット「ベリュスの婚約者」:ベリュス神像の膝にいけにえのようにおかれた女性。ライオン2頭が見張りをしているという不思議な図だ。
ウィリアム・ブグロー「ダンテとウェルギリウス」:腕決めサーフボードストレッチをしながら、喉へのかみつき(反則だ)を決めようとしている男。

ジュール・ルフェーブル「真理」:まさに古典的、アングル調の女性像。
ポール・セザンヌ「牧歌」:ここでセザンヌを突然見ると、いかにセザンヌが画期的だったのかがよくわかる。
フィリップ・ルソー「シャルダンとそのモデル」:丸眼鏡の人物画。ちょっと大村昆を思わせる。

レオン・ボナ「パスカ夫人」:リアル派の祖であろうか。
クレード・モネ「死の床のカミーユ」:熊谷守一が死んだ子を描いた肖像画を思わせる。
クロード・モネ「草上の昼食」:え、あれが!? と思ったら、スキャンダラスで有名なのはマネ、こちらはそれに触発されて描いたモネの作品であった。非常に大きな作品で、家賃の代わりに大家さんに預けたところ傷んだので分割したが、縦横数メートルはある。内容はスキャンダラスではなく、お洒落ピクニックという雰囲気か。



エドゥアール・マネ「婦人と団扇」:これまたジャポニスムと言っていいだろう。
エドゥアール・マネ「アスパラガス」:一束のアスパラガスの画を描いて売った相手に対し、「一本抜け落ちていました」と後から送った小作品。

そして、私が驚かされた名品が以下になる。

エドゥアール・マネ「笛を吹く少年」:結構大きい作品で少年が等身大くらいだろうか。横笛とえんじ色のズボンに日本的なものを感じる。
ジャン=フランソワ・ミレー「晩鐘」:いろいろ皮肉られる作品でもあるが、見ると、やはり敬虔な気持ちにはなる。
ギュスターヴ・カイユボット「床に鉋をかける人々」:カイユボット展でも来ていなかった、この作品があったか!! ずっと見たいと思っていたので、非常にうれしい。中の男がもう一人に話しかけているのだが、一体何を話しているのだろうか。

アレクサンドル・カバネル「ヴィーナスの誕生」:この有名な作品が日本で見ることができていいのだろうか! 女神と言いつつ、白肌がエロい。ゾラはこの女性を「ピンクと白のマジパン」と表現したそうだ。
ギュスターヴ・モロー「イアソン」:落ちた鷲、蛇、カラフルな小鳥など寓意あふれる力作。背景のレオナルド・ダ・ヴィンチ調風景も決まっている。
ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー「灰色と黒のアレンジメント第1番」:これまた見たら忘れられない、老母が横を向いたモノトーンな感じの作品。

クロード・モネ「サン=ラザール駅」:鉄道の煙も明るく、華やかな旅情を感じさせる作品。街と旅の雰囲気にワクワクさせられる。

私は有名作品好きなので少々気恥かしいのだが、実際に画のサイズや表面の仕上がりを見ることができるのはやはり違うものである。お勧めの展覧会である。

灼熱の東京(8)

2014年08月04日 12時03分25秒 | 食べ歩き
さて、ここで早めの昼食だ。これまで何回か六本木に来てはいるものの、どうも昼食においては良い印象がない。今日は事前に調べておいた、インド料理の店「SKB」へ(アイドルグループみたい)。

ランチの中で1000円以下なのが「アプサナランチ」一品しかなかったので、それにしてみる。ところがメニューを見ると3種類のインドカレーを選べるということで、かなり充実したランチのようだ。

ということで、カレーは「家庭的なスパイシーラムカレー」「日替わり豆のカレー」に、本日のカレーは「キーマカレー」と言うことで、この3品を選択。まずは最初に出てきたサラダを食べてカレーを待つ。

おお、ハーフと言っていたのに思ったより大きめのナンとサフランライスに、3種類のカレーが登場した。まずはナンとカレーを合わせるのだが、ラムは酸味のある辛めの味、キーマカレーはオーソドックス、豆のカレーは香草(コリアンダーだろう)が効いていてワイルドな味だ。





サフランライスは米の長粒種で香りがあり。これだけでも旨いのに、3種類のカレーがまたそれぞれ違う味わいと香りで、いろいろな味が楽しめる。さらに、「その3種類はいずれもトマトベースなので、ぜひクリーム味のを試してください」ということで、シーフードカレーがサービスされてしまった。



そして、これがまた味わいがまったく違うのである。最後にお店の方が「トマトベースのカレーも全て香辛料が違いますし、クリーム風味のを途中で食べると、また味わいが違って感じられます」と言っていたが、まさにその通りだ。

最後にラッシーとこれまたサービスのリンゴゼリーを食べて、大満足の終了。途中でナン、ライスのお代わりもできますと言われたが、とてもそんなに食べられない。この店はビリアニがまた自慢だと言うことなので、機会があったらぜひ再訪してみたいと思う。

店主・店員はおそらく全てインドの方だと思う。料理が美味しいのはもちろんのことであるが、皆さん日本語ペラペラで、ランチでこれほどまで気分良く食べられるのも珍しいと思えるサービスが素晴らしかった。たまたま混雑前の時間帯だったのもあるが、非常に気持ちの良い昼食だった。しかも、この内容で1000円以下!! 六本木に来たら、この店なら間違いなしとお勧めしたいと思う。

灼熱の東京(7)

2014年08月04日 11時01分00秒 | ART
今日の一発目はサントリー美術館の「ボヘミアン・グラス」である。



ボヘミア「フルート形トールビーカー」:いきなりスタートは1400年頃の透明ガラス。一部分しか残っていない。
中央ヨーロッパ「熊形パズルボトル」:熊がガラスコップを抱えており、傾けると口からコップに液体が出る仕組みになっている。
中央ヨーロッパ「瓶」:胴体が球状。よく無事に残ったものだと思える形。

中央ヨーロッパ「神聖ローマ皇帝および選帝侯文ビーカー」:回し飲み用の大きなもの。どこの国でも回し飲みの習慣はあるようだ。
ボヘミア「トランプとバックギャモンで遊ぶ人物文ビーカー」:1500年代末にして、かなりポップなデザイン。
ブクオイ・ガラス工場「ビーカー」「蓋付鉢」:乳白色のクリスタルガラス、いわゆるオパールガラスの登場である。

ボヘミア「二層ビーカー」:二層のガラスの間に金箔文様を挟んだ、高度なもの。
ダニエル&イグナッツ・プライスラーの工房「献身的な愛の寓意文ゴブレット」:黒エナメルによる色付けで、ぐっと現代的なデザインに。
テプリツェ「紋章文ビーカー」:黄色ガラスでできている。他に水色、赤、ピンク、青、黄緑、緑とカラフルなガラスが製造されていた模様。

ハラフ・ガラス工場「アエスクラピウス肖像文ビーカー」:黄緑色のウランガラス。
ハラフ・ガラス工場「ビーカー」:ピンクと白のレースガラス。細かい。
ボヘミア「ビーカー」:器の表面のくぼみに小さな魚の画が描かれている。繊細なデザイン。

ヨハン・レッツ・フィドフ「花器」:この辺から1900年代に突入。虹彩仕上げというのが得意だった模様。
マイヤーズ・ネッフェ・ガラス工場「酒器セット」:花を模したリキュール用のグラス。こういうのが欲しくなったりするのだが、一体どこに置くのか。
ハンス&オズヴァルト・リッペルト「花器」:力強い造形感でキュビスムと言っていいかも。

ラジスラフ・ストナル「ティーセット」:今度はすべて透明ガラスでシンプルな形。
ミロスラフ・クリンゲル「鷺」:折れそうなくちばし、S字の首。アート色が強くなってきた。
ウラジミール・コペツキー「花器」:コラージュめいた絵付けで、こちらもアートっぽい。

ズデニェク・ルホツキー「花器「MS-3009」」:謎のマークが数百個絵付けされた器。アート志向からデザイン志向へという感じか。

ガラス作品には今一つ燃えないところもあるのだが、面白かった。現代の作品は北海道近代美術館で見られるものも遜色ないように思う。

なお、サントリー美術館の裏手にはゴジラがいた。


灼熱の東京(6)

2014年08月04日 09時42分45秒 | Weblog
比較的乾燥を感じずに(加湿器がある)、5時起床。昨日の東京の最高気温はアメダスによると35.2度だったようだ。どうりでひどい暑さだと思った。朝は昨日買っておいたカップのちゃんぽんで適当に済ませ、ダラダラした後にホテルを出発。今日も暑さが予想されるため、極力外に出る時間を最小化したい。

 

宿泊者用のラウンジでコーヒーを飲み、またもやマッサージャーを使ってから出発。三田から六本木へ移動する。

灼熱の東京(5)

2014年08月03日 23時15分11秒 | Weblog
途中のコンビニで、今日の締め(ご飯ものも麺類もいまひとつ気が乗らなかった)として、みぞれ金時を購入。



一旦部屋に戻り冷蔵庫に入れたのだが、ホテルのラウンジでマッサージ椅子を使い、風呂に入ってから出してみると、かなり溶け加減になっていた。まあ、これが今日の晩飯代わりだ。

そして最後に、私らしからぬ、夏のキウイチューハイを飲んで本日も終了。ちなみにチューハイは香料の香りばかりであったと言っておこう(ジュースっぽくて美味しいと言えば美味しいのだが)。


灼熱の東京(4)

2014年08月03日 19時12分40秒 | 飲み歩き・東京
JR田町駅を越えて、東口へと移動。もう面倒くさくなって、こちらも前回やってきた居酒屋「D」である。前回も日曜日とあって、他に誰も客がいなくて困ったのだが、今回は先客が2名いた。少しは気が休まると言えようか。

前回、非常に旨かったのが馬刺しだったのだが、ちゃんと切り替わるお勧めメニューらしく、今日はないようだ。そこで鹿児島の芋焼酎「さつま司」を頼み、里芋とイカ煮の通しを食べながら、今月のメニューからまず選んだのは、「手作り!カニさつま揚げ」である。「手作り!」に勢いを感じたのだが、果たしてどうだろう。





やってきたのは揚げたこ焼き状の丸いものが4個。早速、何も付けずに一つ行ってみようか。おお、これは魚のすり身も軽やか、カニの風味もしっかりとある。これだけ良くできたさつま揚げなのだから、マヨネーズなんて無くてもいいのにと思いつつ、2個目はパセリ(香草風に)とわずかな醤油で食べる。これは塩をもらったほうが良いかも知れないな(でも面倒くさい)。

3個目も同じように食べ、最後の1個で初めてマヨネーズ+醤油を少し付けてみたのだが、まあ、確かにこれも旨いよ。いわゆるさつま揚げというよりは、ふわふわ蟹ボールとネーミングしたくなるような感じだが、間違いない味だった。

さて、もう一杯、鹿児島の芋焼酎「黒麓」を頼んで、どうしようかなあ~。今月のお勧めの中から「金目鯛の塩焼き」にするかな。こちらもさほど待たずに金目鯛がやってきた。



早速箸を付けると、塩焼きのせいかかなり身がみっしりしている。やはり普段食べるホッケなんかに比べると、身のきめの細かさがあるよね。それほど塩気が強いわけではなかったので、大根おろしに醤油を落として合わせると、これはお魚万歳とでも言いたくなるような味わいであった。

1軒目の焼き物も効いてきて、今日は時間も早いがこのくらいでホテルに戻ることにしよう。




灼熱の東京(3)

2014年08月03日 17時08分42秒 | 飲み歩き・東京
ということで、東京国立博物館で特別展を見て、常設展にはまり約3時間が経過。恐るべき東博マジックである。あわよくば、世田谷美術館で「ジャポニスム展」を見ようかと思っていたのだが、気温も高すぎるしとても無理だ。最低限、東京ステーションギャラリーか出光美術館に行こうと思っていたのだが、その気力ももう尽きた。

諦めとともに、上野から田町に移動。少々早いが「G」ホテルにチェックインしよう。空調を効かせて一休みするうちに1時間以上が経過してしまい、夕方になった。

さて、晩飯にいこうかと事前に多少調べておいたエリアに足を向けたものの、今日は日曜日。個人店の居酒屋はまあ開いていない。暑さで頭が朦朧としかけてくる中、結局、一回行ったことのある三田駅前の立ち飲み「Y」へ。

カウンターに場所を確保し、最初はビールから。おっと、この店はかごにお金を入れておくキャッシュオンデリバリーであった。千円札と小銭を入れて、テッポウ、ハラミ、つくねをタレで注文。前回は馬刺しと肉豆腐だったのだが、今日は焼き物で行ってみよう。



早速やってきたハラミから食べてみよう。うーむ、これはなかなか肉のエキスが満載で相当旨いぞ。テッポウは少々噛み切れない感じが困ったものの、つくねも肉々しく味わいたっぷり。これはいい。

カレーマカロニサラダが非常に気になったのだが、第2シリーズはバイスサワー、ナンコツ、カシラを塩で注文。バイスのウメシソ味を楽しみつつ、今度は塩気のある肉を食べる。ちなみにこの店は焼き物の皿に必ず辛子が添えられてきて、それで食べるのもおつなものではある。





2軒目にも行きたいので、このくらいにしておこう。ここはいい店だ。




灼熱の東京(2)

2014年08月03日 15時00分43秒 | ART
山手線に乗り上野に移動。暑い中を東京国立博物館へと向い、まずは「台北國立故宮博物館印 神品至宝」を見る。例の「翠玉白菜」は恐ろしいほどの待ち時間(3時間以上の時もあったとか)だったが、それが帰ってしまい、現在の本展は待ち時間ゼロ。まあ、良かった。


→東京国立博物館の入口のあたりが新しくなっており、(ミニ)ミュージアムショップ兼カフェになっていた。

王義之筆「草書遠宦帖巻」:周りに蔵書印がたっぷり押してある。皆「我こそ認めたり」と押したのかな。
蔡襄筆「草書脚気帖頁」:脚気が良くなってきたという記録書らしい。いろいろあるね。
李嵩筆「市擔嬰戯図頁」:物売りが何と500個の品物を売っているという、実に細かい画。

馮大有筆「太液荷風図頁」:蓮と水鳥。なんとも優雅な図。これは相当良い作品だと思う。
「松蔭図玉山子」:松の下にたたずむ人を立体彫りにした驚きの作品。
「明皇幸蜀図軸」:いわゆる青緑山水。これからやまと絵が生まれ、日本画につながったと言う解説が書いてあった。中国ではこの後、水墨画が発展し、青緑山水は廃れたらしい。

楊維禎筆「行書晩節堂詩冊」:宮廷から下賜された墨を使ったせいか、実に黒々とした字なのである。こういうのも良し悪しがあったのだろうな。
張中筆「桃花幽鳥図軸」:画はともかく、18人もの賛があり、もはや見づらくなっている。
景徳鎮窯「白磁雲龍文高足杯」:ライティングのせいかもしれないが、この白い肌はすごい。

景徳鎮窯「青花葵花文椀」:ふちの薄い器が私のお気に入りである。
「緙絲吉祥喜金剛像軸」:これはまったく刺繍に見えない細かさである。
「刺繍咸池浴日図軸」:雲のうねうね感、海の流れ、岩のグラデーションを刺繍で表現した作品。

「玉帯飾」:帯を飾る玉を使った透かし彫り作品。中国にはこういう透かし彫りが多いような気がするのだが、日本にはあまりない気もする。玉があまり算出しなかったのか、それ以外の素材は透かし彫りにむかないのか?
「「天地人」三連玉環」:穴の開いた円環を3つ重ねたもの。平たくもなるし、展開すると球状にもなる。どうも私のイメージと違うのが、一番内側が「天」ということである。普通は外側なのでは?
「玉」:新石器時代の玉。四角柱で軸に沿って穴が開いており、まだ未解読の記号が彫られているのだそうだ。

「動物文玉鏡台」:青銅器時代の文様を玉で再現したもの。乾隆帝の所蔵していたものらしい。
「鰲魚玉花挿」:鯉が跳ね上がるところと、その水しぶきを表現したもの。
「暖硯」:冬に墨が凍らないように、下から炭火で暖める形式の硯。ふーん、なるほど。
「載湉入承大統詔」:公用語が漢文と満文で書かれている。満文は満州語なのか、モンゴル語なのかねえ?

「朱批奏摺」:地方の豪族? からの手紙に対し、中国皇帝が朱でコメントを入れたもの。マンゴーを知らなかったという皇帝に対して干しマンゴーを送ったところ、皇帝の返事がマンゴーは再送無用である、とのこと。何だか面白い。
「古希天子之宝」「八徴耄念之宝」玉璽:まさに緑色の玉で作られた、15センチ四方くらいの皇帝印。これは押されたら重みがありそうだ。
「紫檀多宝格」:箱から隠し扉のように中の引き出しが現れ、そこにさまざまな小物・宝物が入っていると言うもの。

景徳鎮窯「臙脂紅椀」:外側のピンク色、薄いふち。これは実に良い。
景徳鎮窯「藍地描金粉彩游魚文回転瓶」:器の中に金魚を描いた器が入っており、回転させて泳ぐ様子を見て取れるというもの。



もう少し私に見る目があれば、すごさに驚くのかも知れない展覧会であった。暑いので外を避け、連絡通路を通って本館へ。今回撮影した作品群はどこかでご紹介の記事を作ることにしよう。忘れないように、とりあえず国宝だけメモしておこう。

熊野速玉神社「桐蒔絵手箱及び内容品」:なかなか充実したセットである。
久隅守景「納涼図屏風」:いや、これ有名な作品だけど初めて見た。男女子どもは家族ではなく、守景本人と離散した娘・その息子という説や、「憧れの家族像」という説もあるらしい。



「秋草文壺」:多分、「形が良い」と言われそうな大きな壺。



東洋館もちらりとのぞいておこう。
「青磁下蕪瓶」:やはり中国の青磁はいいものがあるねえ。



この日は35度。死ぬほど暑い。


灼熱の東京(1)

2014年08月03日 12時44分19秒 | 食べ歩き
この何とも暑い時期に東京出張なのである。札幌も相当暑かったらしいが、やはりその濃密な湿度と夜も気温がさほど下がらぬ具合は、東京の方が上なのだろう。

8月3日、7:59の琴似発のJRで新千歳空港へ。琴似駅までの途中に温度計があるのだが、既に27度とあって、少々汗ばむ。先が思いやられる天候だ。

ところで、電車は信じられないほど混雑していた。夏休みはやっぱりすごいなと思ったら、千歳で航空際があるためらしい。私はたまたま恵庭で座れたのだが、通路もほぼ満員の状態であった。南千歳で大勢の人が降りる。ここから会場までシャトルバスがあるらしい。

なんだかんだで、新千歳空港到着。結構待合室は人が多く思えたのだが、飛行機に乗って見ると、幸い私の隣は空席だった。ほぼ寝ながら羽田空港に到着し、モノレールで浜松町へ。一番都合が良い、世界貿易センタービルの地下飲食店街へ行く。最近ここでばかり食事を取っている。

今日は何度か訪問した「K」カレーを再訪だ。トッピングに野菜コロッケ(つまりジャガイモ主体の普通のコロッケである)を乗せ、初めての辛口カレーにしてみた(いつもは中辛)。恐ろしく辛いのではないかと恐れていたが、まあ、ほどほどの辛口でよかった。これならどっちかと言うと、辛口がいいかな。



※とりあえず(1)を掲載したが、これ以降の記事は週末アップになると思う。しかし、今週末は忙しいため、さらにずれ込む可能性もある。まあ、仕方が無いと言えよう。

キンキンの一杯

2014年08月02日 16時45分16秒 | 飲み歩き・その他札幌市内
今日はギャラリー巡りにも限度がある。幾つか諦めつつ、西11丁目の「O」へ行くことにした。もう暑くてたまらない。飲み物は久しぶりにシャリキン(金宮焼酎をシャーベット状に凍らせたもの)の黒ホッピー割りだ。



しばしかき混ぜると、上手いことフローズン上になり、その冷たい奴をグイッといく。これは間違いなく美味い。つまみもトマトのピクルス、鶏たたきと冷製のものにしよう。



ピクルスの酸味がいい。



鶏の皮がプチリと美味い。そしてさっぱりした玉葱、甘い九州醤油、柚子胡椒との相性もパーフェクトだ。2杯目は普通の金宮焼酎をお代わりして、残りの黒ホッピーを飲みほした。

明日の朝は早い。今日は早めに帰ることにしよう。


20140802ギャラリー巡り

2014年08月02日 15時49分29秒 | ART
本日は市民→文学館→創→鴨々堂→三越→さいとう→スカイホール→アリアンス→OYOYO→富士フイルム→大通→道新→時計台→大同→大丸→紀伊国屋→コンチネンタルの17か所。

■市民ギャラリー「第59回新北海道美術協会展」。
亀井由利「奔流」:ダイナミックに広がった白と黒の集大成か。
河合キヨ子「刻の流れの中で」:いつも魚のサヨリが気になるのだが、木の感じも上手い。
工藤悦子「悠久の華」:実に華やかでスケールが大きい。

浜地彩「ペラペラ星」:生物やマークのような薄い体、針金の足がついているのはペラペラ星の生物なのだろう。可愛い展示だ。
山形弘枝「いちごの判断」:北海道教職員美術展でも出品されていた、いちごの一部がクリスタルのようになっている作品。お気に入りである。
赤石操「Seed I」:環状の形を描いて、動きが感じられる。

宇流奈未「対話」:水平線にクリスタル状の岩を配置し、15個の惑星のような球体が浮かんでいる。15個というところから、もしかすると龍安寺をイメージしたものかな? 実にスケールが大きく、1階ロビーに展示されているので、まさに今回の顔とも言うべき作品だろう。
佐々木陸雄「鎮魂曲(還らぬ調べ2)」:野原に捨てられたトロンボーン?(楽器わからないよ)か。
宮木英貴「?En que Piensas?」(←タイトルは表記通りではありません):棚田のような海、太陽から渦巻きのように光が放たれている。エキセントリックで面白い作品。

ここ最近、新道展には苦言を呈してきたような気がするが、抽象派作家協会の出品者の活躍もあり、浮上傾向にあると思う。

■北海道立文学館「手から手へ展」。
ペテル・ウフナール「お伽話I」:深い森に魔法使いと、足のある家。雰囲気がある。
ペテル・ソイカ「NAHIKA」:病にかかりベッドに座る少女だろうか。
カタリーナ・スラニンコヴァー「過ち」他:奇妙な存在しない小動物を描いた作品。

ユーリア・ピアチコヴァー「浜辺I」:嵐の中、片方の足をすっ飛ばして駆ける少女人形。怖い。
イゴル・ピアチカ「囚われ人」:背中合わせの男女がラップのようなもので包まれている。意味ありげな作品。
ヨーケ・ファン・レーウェン「私たちの創造物」:かろうじて人にも見える奇妙な形。私たちはいったい何を作り出してしまったのか。

荒井良二「ニュー原始君」:一度文明が滅んで、再度手にした火なのか。それとも、原子力の火のメタファーか。

日本、スロバキア、オランダ、ドイツ、ベルギー、イタリアの絵本作家が、東日本大震災の後の子供たちに向けて作成した、画・版画・贈る言葉展である。「原子力発電やめろー!!」という声高なメッセージはないのだが、当たり前の風景を描いて、じわじわくるメッセージがある。

また、珍しい国のイラスト展、版画展としても楽しめる内容であった。




→一見涼しげだが、実に暑い。

■古民家gallery鴨々堂「村上陽一 個展「建築家の遺産」」。落ち着いたギャラリーで落ち着いた絵画を拝見。水音がとても涼しいが、ギャラリー内は実に暑い。

■さいとうギャラリー「櫻井マチ子展」。夏をイメージしたという白中心の作品。普段のカラフルな色使いからは一見イメージが違うが、櫻井カラーは変わりがない。

■OYOYOまち×アートセンターさっぽろ「Actinium(アクチニウム)-核をめぐる文化」。
赤城修司「Fukushima City」:福島の除染の様子を撮影した写真作品。ある一点に「頑張ろう! 福島 温泉たまご」「温泉ラヂウム玉子」というのが写っており、何ともアイロニカル。皆さん、ラジウムが放射性物質だって知っているよね?
トムソン&クレイグヘッド「Temporary Index」:アクチニウムの半減期を計るカウンター作品。私が見たときには685192633秒だったが、約21.71年なのである。当然、はるかに長い半減期をもつ物質もあり、長いのやら短いのやら。

■時計台ギャラリー「三上博子展」。
「葉」:燃え立つような緑の葉。バックの朱色との対比がいい。

■コンチネンタルギャラリー「Ten・ten2014 IN SAPPORO 書 imagined!」。作品を入れ替えての2週目。
石井抱旦「極III・曲・直」:グレーの背景に光と記号のような形。メシエ星雲カタログのようである。
友葭良一「動的線条・Jumping」:見知らぬ惑星に描かれたナスカ地上絵のようだ。

今回も「ザ・書道」という感じが全くしない展覧会である。

※以下、追記。
■大通美術館「北海道金工作家協会11人展」。
坂本裕「砂漠の街」:銀色・金色・赤の3つの金属板を重ねた表現。
新保恭子「Dear Andy Warhol,I like it,too」:キャンベルのスープ缶が平面から徐々に立ち上がってくるという連作表現。なかなか面白い。本人がおっしゃっていましたが、10年前くらいの旧作とのこと。

こういう店に心和むように

2014年08月02日 12時32分03秒 | 食べ歩き
本日は中島公園あたりを歩いていたので、懐かしい商店街で昼飯でも食べるかと思ったら、意外といい店が見つからない。久しぶりにこの界隈に来たのだが、閉店した店が目立つような気がする。


→昭和41年に創業の店。

地獄のような暑さにどうにもならなくなって、よし何か食べるものもあるだろうと、懐かしい雰囲気の喫茶店「M」に飛び込んでみた。メニューを見るとパスタ、ピラフ、オムライス、サンドイッチなどがある。オムライスもいいが、最近頻度が高いしなあと思い、ナポリタンにしてみた。セットでアイスコーヒーを付ける。

まずは粉チーズ、タバスコ、紙ナプキンでくるまれたフォークがやってくる。これだけで、昭和テイスト満開だ。喫茶店の席から、外をのんびり眺めるのもいい。幸い、冷房はそこそこ効いている。

 

ここでナポリタン登場。具は玉葱、ピーマン、ソーセージ。かなりしっかりした味付けで、写真じゃ量が少なく見えるが、まあ普通量と言っていいだろう。



おお、このこってりした昔の味わいが良いんだよね。途中でタバスコがっつり(結構辛かった)、終盤に粉チーズをかけると、まさにパスタではなく、昭和のスパゲッティ満喫であった。締めのアイスコーヒーもなかなか良い。



少し今時の昼食としては値段が高いのかもしれないが、こういう所でのんびりするのもいいものである(幸い、他の客がほとんどいなかったからでもあるが)。勘定を払う時に、私も珍しく少し微笑んで「ごちそうさま」といったら、年配の店主の顔がほころんで「ありが”と”う」と北海道の人らしからぬイントネーションで挨拶をしてくれた。



何だか嬉しい限りである。