瀝瀝(れきれき)散歩道

瀝瀝というのは「水が音をたてる様子/風が音をたてて吹く様子」つまり、「ありのままの風景」ということでしょうか。

おもしろこともなき世をおもしろく〜愉快痛快に時代を駆け抜けた高杉晋作

2020-09-08 21:39:00 | 日記


私は旧東海道品川宿が好きです。
ノスタルジックに街道散歩のできる場所です。
この品川宿に幕末の志士たちが集った飯売り旅籠屋「土蔵相模」がありました。

土蔵相模は品川でも有数の規模を誇った妓楼で、高杉晋作、伊藤博文ら幕末の志士たちが密談を行った場所として知られています。
文久2年の長州藩士による英国公使館焼き討ち事件の際は、ここ土蔵相模から出発。
また安政7年(1860)には桜田門外の変で襲撃組主体をなした水戸浪士17名がここで訣別の宴を催したそうです。



品川宿の昔からの魚屋さんのおばあちゃんは
「この界隈はね、路地裏に入ると迷路みたいな道ばかりだよ。遊郭のお女郎さんたちが逃げても逃げきれないように
道を迷路にしたんだ」と言っていました。
品川宿は「土蔵相模」をはじめ、大小の遊郭が立ち並んでいたそうです。

さて、高杉晋作の辞世の句について、ちょっと興味を持ちました。

おもしろこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり 

「明治」という新しい時代はすぐそこまでやってきていましたが、高杉晋作は志半ばで病に倒れ
29歳の短くも激しい人生を終えます。 
辞世の句の内容を斟酌するのは大変難しいところがありますが、

「面白いと思えることのない世の中を面白く。それを決めるのは自分の心ひとつだ」

「心のありようで世界は面白くもなるしつまらなくもなる、心の持ち方、心の有り様でいかようにも世界を捉えられる」

下の句の「すみなしものは心なりけり」は病床の高杉に代わり、福岡の勤王女流歌人・野村望東尼が結んだといわれています。
面白くもない世の中を面白くしてきた、という高杉晋作に対して、つまりすべては心の持ちようだ、と返したのです。

人は人 吾は吾なり 山の奥に棲みてこそ知れ 世の浮沈

これも高杉晋作の言葉。
人は人、我は我なり、、、人と比べるのではなく、自分の進む道はなに? 自分の道をしっかり見据えなくちゃ!
という感じでしょうか!

自分自身を見つめ、まさに主体的に自由に生きた、と言っていいでしょう。
「愉快痛快に生涯を駆け抜けた男」という言葉がぴったりの高杉晋作ですね。


高杉晋作(幕末の志士、長州藩士)
(1839~1867)。吉田松陰門下。幕末に長州藩の尊王攘夷の志士として活躍。江戸品川のイギリス公使館焼き打ち、奇兵隊の創設、
第2次幕長戦争での幕府軍撃退など、尊攘運動の先頭にたち、自由奔放かつ迅速な行動力と決断力で、幕末動乱の世を疾風の如く駆け抜けた伝説の革命児。
慶応3年4月14日下関で29歳で病没。









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