≪あらすじ≫
元芸州広島・福島家家臣の浪人、津雲半四郎(市川海老蔵)と千々岩求女(瑛太)。
彼らは、各々の事情で生活が困窮していながらも、自分が愛する人との生活を願い、武家社会に立ち向かっていく。
1630年(寛永7年)の冬。
徳川幕府に仕える名門・井伊家に、ひとりの浪人が門戸を叩きました。
市川海老蔵扮するその浪人・津雲半四郎(つくもはんしろう)は、主君を失い、その日暮らしの生活にも疲れたので、せめて武士らしく最期を遂げたい、そのために庭先を貸してくれと井伊家に申し出てきます。
ここから、映画は回想シーンと現実のくり返し・・・
映画の紹介でよく言われるのが「『切腹』のリメイク版。
昔は『切腹』という映画が作られ、今回は『一命』と題されたように、武士の命に関わる物語です。
その生き様が武士の守る誇りとは何なのか? お家とは? 家族とは? 義・情・そして名誉。
日本人が武士という生き物から引き継いだ武士道という物から、現代人が抱える問題すらも浮き彫りにしたような作品です。
≪あくまでも私の感想≫
●これぞ!日本の映画・・・という映画だと思います。
映画好きの人には絶対見てもらいたい作品です。
3D上映もありますが、私は普通の2Dで観ました。
重く、切なく、ずっしりと胸にしみ込んで、「命」「生きる」ということを考えさせられました。
●「狂言切腹」を懇願した恨みを海老蔵が逆恨みだという人もいますが、武士の魂といえる刀を売ってまで守りたいもの・武士の情け、武士の誇りとは??を、現代に置き換えて・・・考えさせられます。
瑛太が切腹するシーンは強烈な印象です。好演技でした。(気の弱い人は見れないかも?)
竹光で切腹するが、所詮竹ではなかなかはらを切る事、まして横にスライスことは不可能に近い・・・
その苦しみを見ても介錯人(切腹に際して腹を切る時の痛みを軽減するために、首を刀で刎ねる人)は首を切ろうとはしない。
これは、現代のイジメに匹敵するように思いました。(いや!もっと過酷なものです)
●赤と黒を基調とした色使いは1,600年初期の様子を表して、暗い・重い映画にしているのだと思いました。
海老蔵の演技・殺陣は素晴らしい・・・こんなに落ち着いた芝居・演技ができるのは流石です。
海老蔵本人も、結婚し子供も生まれたことも大きく影響してるのかな??
●現代的な見方をすると、昔エリートコースを進んだ会社員・実業家が倒産したり、解雇されたりして職を失った人達の生活難にも置き換えられる。
しかし、そのような一人が死に追いやられても、世の中何も変わる事もないのかも知れません。
上流と下流生活の違い、そして現代社会問題でもあるように思います。
いっぱい書きたいことはありますが、百聞は一見に如かず・・・ですよ。
でも、「久し振りに日本の良い映画を観た!」という感じです。
涙なしでは観れない映画です。
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