★川北稔『イギリス近代史講義』(講談社、2010)
日本経済は、相対的に衰退している。米国経済は力強く、中国やインドなどの新興国の成長率も高い。2000年代の「小泉構造改革」の手本は、1980年代の英国におけるサッチャリズムだった。
当時、ロンドンではなぜ英国が長期衰退の道を歩んだのかについての歴史の研究が盛んだったという。例えば、産業革命で発展が続いた19世紀の英国では、貿易で発展するオランダと対比して「第三次産業比率が高いから成長余力はオランダの方が大きい」と見ていたそうだ。
サッチャー政権以後の英国は、第3次産業である金融にフォーカスして復活した。
振り返って、わが日本はどうか。英国の経験から、まだ学び切れていないものがあるのではないか──。
□鈴木貴博(百年コンサルティング 代表)「日本は英国の経験に学べ ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月9日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【本】噴火の時待つ巨額損失のマグマ ~『異次元緩」
「【本】“立憲主義”の由来を知る ~『立憲非立憲』~」
「【本】日本語特殊論に与せず ~『英語にも主語はなかった』~」
「【本】小国の視点で歴史を学ぶ ~『石油に浮かぶ国/クウェートの歴史と現実』~」
「【本】日本における婚姻を考える ~『婚姻の話』~」
「【本】元財務官僚のエコノミストが日本経済復活の処方箋を説く ~『日本を救う最強の経済論』~ 」
「【本】歴史を知らずに大人になる不幸 ~『戦争の大問題 それでも戦争を選ぶのか。』~」
「【本】私たちの食卓はどうなるのか ~工業化された食糧生産の脆さ~」
「【本】歪み増殖していく物語に迷う ~『森へ行きましょう』~」
「【本】加工食品はどこから来たのか ~軍隊と科学の密な関係~ 」
「【本】80年代中世ブームの傑作 ~『一揆』~」
「【本】万華鏡のように迫る名著 ~『新装版 資本主義・社会主義・民主主義』~」
「『【本】『世界をまどわせた地図』」
「【本】率直過ぎる米情報将校の直言 ~『戦場 -元国家安全保障担当補佐官による告発』~」
「【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~」」
「【本】舌鋒鋭く世の中の本質に迫る/地球規模で読まれた洞察の書 ~『反脆弱性』~」
「【本】【神戸】「自己満足」による過剰開発のツケ ~『神戸百年の大計と未来』~」
「【本】英国は“対岸の火事”にあらず ~新自由主義による悲惨な末路~」
「【本】人材開発でもPDCAを回す ~戦略的に人事を考える必読書~」
「【本】仮想通貨が通用する理屈 ~『経済ってそういうことだったのか会議』~」
「【本】進化認知学の世界への招待 ~『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』『動物になって生きてみた』~」
「【本】「戦争がつくっった現代の食卓」 ~ネイティック研究所~」
「【本】IT革命、コミュニケーションの変容、家族の繋がりが希薄化 ~『「サル化」する人間社会』~」
「【本】生命はいかに「調節」されるかを豊富な事例で解き明かす ~『セレンゲティ・ルール』~」
「【本】メディアの問題点をえぐる ~『勝負の分かれ目 メディアの生き残りに賭けた男たちの物語』~」
「【本】テイラー・J・マッツェオ『歴史の証人 ホテル・リッツ』」
「【本】中国から見た邪馬台国とは」
「【本】核兵器は世界を平和にするか ~著名学者2人がガチンコ対決~」
「【本】『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』」
「【本】梅原猛『梅原猛の授業 仏教』」
「【本】東芝が危機に陥った原因は「サラリーマン全体主義」 ~『東芝 原子力敗戦』~」
「【本】バブル崩壊後の経済を総括 ~『日本の「失われた20年」』~」
「【本】20世紀英国は実は軍事色が濃厚 ~通念を覆す『戦争国家イギリス』」
「【本】時代による変化、方言など ~『オノマトペの謎 ピカチュウからモフモフまで』~」
「【本】冷笑的な気分に喝を入れる警告と啓発に満ちた本 ~『日本中枢の狂謀』~」
「【本】物質至上主義批判の古典 ~『スモール イズ ビューティフル』~」
「【本】日本近現代史を学び直す ~『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』~」
「【本】精神の自由掲げた9人の輝き ~『暗い時代の人々』~」
「【本】遊牧民は「野蛮」ではなかった ~俗説を覆すユーラシアの通史~」
「【本】いつも同じ、ブレないのだ ~『ブラタモリ』(1~8)~」
「【本】分裂する米国を論じた労作 ~『階級 「断絶」社会 アメリカ』~」
「【本】否応なきグローバル化、つながることの有用性 ~「接続性」の地政学~」
「【本】読書の効用、ゆっくり丹念な ~より速く成果を出すメソッド~」
「【本】国谷裕子『キャスターという仕事』」
日本経済は、相対的に衰退している。米国経済は力強く、中国やインドなどの新興国の成長率も高い。2000年代の「小泉構造改革」の手本は、1980年代の英国におけるサッチャリズムだった。
当時、ロンドンではなぜ英国が長期衰退の道を歩んだのかについての歴史の研究が盛んだったという。例えば、産業革命で発展が続いた19世紀の英国では、貿易で発展するオランダと対比して「第三次産業比率が高いから成長余力はオランダの方が大きい」と見ていたそうだ。
サッチャー政権以後の英国は、第3次産業である金融にフォーカスして復活した。
振り返って、わが日本はどうか。英国の経験から、まだ学び切れていないものがあるのではないか──。
□鈴木貴博(百年コンサルティング 代表)「日本は英国の経験に学べ ~名著未読・再読~」(「週刊ダイヤモンド」2017年12月9日号)
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【参考】
「【本】噴火の時待つ巨額損失のマグマ ~『異次元緩」
「【本】“立憲主義”の由来を知る ~『立憲非立憲』~」
「【本】日本語特殊論に与せず ~『英語にも主語はなかった』~」
「【本】小国の視点で歴史を学ぶ ~『石油に浮かぶ国/クウェートの歴史と現実』~」
「【本】日本における婚姻を考える ~『婚姻の話』~」
「【本】元財務官僚のエコノミストが日本経済復活の処方箋を説く ~『日本を救う最強の経済論』~ 」
「【本】歴史を知らずに大人になる不幸 ~『戦争の大問題 それでも戦争を選ぶのか。』~」
「【本】私たちの食卓はどうなるのか ~工業化された食糧生産の脆さ~」
「【本】歪み増殖していく物語に迷う ~『森へ行きましょう』~」
「【本】加工食品はどこから来たのか ~軍隊と科学の密な関係~ 」
「【本】80年代中世ブームの傑作 ~『一揆』~」
「【本】万華鏡のように迫る名著 ~『新装版 資本主義・社会主義・民主主義』~」
「『【本】『世界をまどわせた地図』」
「【本】率直過ぎる米情報将校の直言 ~『戦場 -元国家安全保障担当補佐官による告発』~」
「【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~」」
「【本】舌鋒鋭く世の中の本質に迫る/地球規模で読まれた洞察の書 ~『反脆弱性』~」
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「【本】英国は“対岸の火事”にあらず ~新自由主義による悲惨な末路~」
「【本】人材開発でもPDCAを回す ~戦略的に人事を考える必読書~」
「【本】仮想通貨が通用する理屈 ~『経済ってそういうことだったのか会議』~」
「【本】進化認知学の世界への招待 ~『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』『動物になって生きてみた』~」
「【本】「戦争がつくっった現代の食卓」 ~ネイティック研究所~」
「【本】IT革命、コミュニケーションの変容、家族の繋がりが希薄化 ~『「サル化」する人間社会』~」
「【本】生命はいかに「調節」されるかを豊富な事例で解き明かす ~『セレンゲティ・ルール』~」
「【本】メディアの問題点をえぐる ~『勝負の分かれ目 メディアの生き残りに賭けた男たちの物語』~」
「【本】テイラー・J・マッツェオ『歴史の証人 ホテル・リッツ』」
「【本】中国から見た邪馬台国とは」
「【本】核兵器は世界を平和にするか ~著名学者2人がガチンコ対決~」
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「【本】梅原猛『梅原猛の授業 仏教』」
「【本】東芝が危機に陥った原因は「サラリーマン全体主義」 ~『東芝 原子力敗戦』~」
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「【本】20世紀英国は実は軍事色が濃厚 ~通念を覆す『戦争国家イギリス』」
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「【本】物質至上主義批判の古典 ~『スモール イズ ビューティフル』~」
「【本】日本近現代史を学び直す ~『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』~」
「【本】精神の自由掲げた9人の輝き ~『暗い時代の人々』~」
「【本】遊牧民は「野蛮」ではなかった ~俗説を覆すユーラシアの通史~」
「【本】いつも同じ、ブレないのだ ~『ブラタモリ』(1~8)~」
「【本】分裂する米国を論じた労作 ~『階級 「断絶」社会 アメリカ』~」
「【本】否応なきグローバル化、つながることの有用性 ~「接続性」の地政学~」
「【本】読書の効用、ゆっくり丹念な ~より速く成果を出すメソッド~」
「【本】国谷裕子『キャスターという仕事』」