チーム状態が悪い横浜とチーム状態が良い東京V。残念ながら普通に戦えば負ける確率が高い。良くて引き分けが妥当と考えられるが、今節はホーム三ツ沢という利点がある。今季の横浜は、外弁慶のため、アウェーゲームの勝率が高い割にホームゲームではほとんど勝てていないストレスが溜まる状態だ。
第19節の大宮戦から9ゲームで2ゴールという異常事態に陥っている。守備の立て直しで仕方がない部分があるものの、根本的な改善に至っていない。1-0で逃げ切ることが必勝パターンであるが、先制点を獲られると負けパターンになるため、先制点を獲ってペースを掴みたい。
昇格圏内が見えてきた東京Vの攻撃を分析すると、主要得点パターンは3つある。サイドのクロスボールからの得点が一番確率が高く。次にスルーパスからの得点、セットプレーという割合の順番になっている。個による得点は少なく、コンビネーションからゴールを奪っていると言えるだろう。7ゴールを挙げている右SHの南が注目されているが、彼の得点の大半はプレゼントゴールで確実にゴールネットを捉える基本に忠実なゴールとなっている。PA内のポジショニングの良さが際立っていると言えるだろう。小柄なCF杉本は決定力が全くないものの、ドリブルからのチャンスメイクで貢献している。清水からレンタル加入で古巣復帰となった高木善朗の存在が気になるところだろう。
一方の横浜の攻撃データを見ると、大久保の空中戦と決定力のバランスの良さが際立っている。ここまで6ゴールという微妙な結果であるが、チャンスをモノにする確率が高いようだ。小野瀬、松下、小池のクロスボールの数値は決して悪くない。それにも関わらず、大久保へのフォローが少なく、相手守備陣と駆け引きをする段階まで至らないことが得点が少ない要因だと考えられる。
今季の横浜のゴールの39%がセットプレーからという数値が出ている。この決定力は悪くなく、松下のプレイスキックの精度が一定レベル以上であることを物語っている。野村、佐藤らもキック精度が高いことから、複数のバリエーションが期待できる。守備のまとまりがある東京Vに対して、CK・FKから大久保、野上、パクテホンらの高さで勝負することを徹底してもいいと思う。サイドでのマイボールを増やして欲しいところだ。また、今季4得点している小池のドリブル力をどう生かすかも注目するポイントになるだろう。
横浜としては守ることが難しいと予想される。高木大と杉本がかなりかき回してくるので、ゾーンディフェンス時のマークの受け渡しが確実にできるかは考えにくい。ボール奪取のポイントが共通認識されていないため、バイタルエリアと両サイドをやられてしまう可能性が高い。右サイドチャンスメイクする精度が高いため、横浜の左サイドのディフェンスが守備の安定に繋がるだろう。
キーマンは、横浜寺田と東京V中後を挙げたい。両者は近いポジションを担当しながらも特徴が大きく異なる。寺田は抜群のビルドアップ力を生かすプレーで、中後はボール奪取力を生かしてくる。寺田のパートナーは安が適任だと思うが今季はゲームに出場できていない。現在のメンバーからだと中里しかいないがこれまで結果が出ていないことから難しい状況だと思う。攻撃面では動き出しの良さと攻撃のバリエーションが豊富な野村に期待したい。大久保-野村というトップの組み合わせをみたい。ただ、カズを起用するならスタメンがいい。後半から出てもスピードがないので相手守備陣からすると守りやすくなる。
いずれにしても、後半から小野瀬を投入する展開が望ましいが、果たしてどのようなスターティングイレブンとベンチメンバーを選択するか楽しみである。後半に勝負できる展開が作れれば面白いゲームになりそう。しかし、前半0-2でリードされる展開も十分にありえる。このゲームに負けるようだと、上位への進出はないと思われる。最後は、強い気持ちと冷静な判断になるので何としても勝って欲しい。
当たらない予想スタメン等は以下の通り。
GK:南、DF:中島、楠元、野上、石井、MF:佐藤、中里、寺田、松下、FW:野村、大久保
メンバーチェンジ:佐藤→小野瀬orカズ、松下→小池、中島→永田
今節は三ツ沢で生観戦します。三ツ沢での好ゲームに期待します。