円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

頭髪四色中を立て直した話10

2023-09-11 18:31:43 | 生活指導
カテゴリー別目次
2023-09-11
頭髪四色中を立て直した話10
10月まで授業は整然と、生徒のやる気は満々だった。
ペースメーカーの数人がどんどん質問した。
3年生になって、進学が気になり始めたからだ。
それで十分だった。教員も皆目は上を向き、報酬のために働くのだ。
生徒も同じことだ。
行事は一つ一つ成功させた。
これは、気迫が勝ったとしか思えない。

でも、掃除だけは全くどうにもならなかった。
授業が終わり、掃除があり、帰りの会がある。
そういう時程だったから、掃除はとてもサボりにくい。

午後の授業が終わり、なぜか机と椅子を教室のうしろに下げることだけ彼らはした。
そのあと、教室には一瞬で誰もいなくなった。
始業式の4月から卒業式までそれは続いた。
どこに行ったのか、とうとうわからなかった。

それで、僕は、教室をほうきで掃き、はいつくばって床を雑巾でから拭きし、机を運んだ。
そして、教室のうしろ半分を、掃き拭き40脚弱の机を運び並べた。
それまで20年弱の経験ではだ。
誰か一人や二人は、僕を見るに見かねて、手伝い始めるものだった。
だが、この一年間は違った。
数人は途中で教室に戻り、僕が雑巾拭きをしているのを眺めていた。
「先生のパンツの色が透けて見える。アハハ」
と明るく女子が笑った。
だが、誰一人、机を運ぶのを手伝うこともなかった。

僕は、そうかアハハ、と笑いながら掃除を続けた。
4月始業式に「時間を守ること、話を聞くこと以外は決して怒らない」
と言った通り、何も言わずに一人で掃除し続けて、1年経った。
掃除が終わると、クラスの生徒は何もなかったように席についた。

1、2年のときもきっと、掃除は一度もしなかったのだろう。
または、1年の最初はやったのか。
いや、1年の最初に掃除指導ができなかったから、3年になってもやらないのだろう。
他の学年教員と、掃除についてどんな話をしたのか全然覚えていない。

掃除サボりが、他人にどんな迷惑をかけるかを話した覚えはある。
(一人で掃除して、それで授業が毎日平常なら楽なものだ)
そう思うしかなかった。
とにかく異常だった。
生徒の何かが大きく狂っていた。

1年入学直後の数日間が、3年間を決める典型的な見本だった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 頭髪四色中を立て直した話9 | トップ | 褒められたら大人でも嬉しい »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

生活指導」カテゴリの最新記事