今週は、この2冊。
■ザ・サークル/デイヴ・エガーズ 2015.4.11
読んでいて恐ろしくなる小説です、『ザ・サークル』は。
これが君の会社が押しつけていることなんだ。
誰も必要ないんだ。何も改善しない。ためになることなんかない。
ジャンクフードみたいなもんだ。あれ、どうやって開発するか知っている?正確にどれだけの塩分と油分を配合すればやめられなくなるか、科学的に決定するんだよ。腹も減ってない、食べ物も必要ない、なんのためにもならない、でも空疎なカロリーを口にするのをやめられない。
わあ!じじ臭、と石をぶっつけられそうですが、あえて言います。
道を歩きながらスマホをいじっている人、ランチに集まるママ友のなかにも、必ず携帯をいじっているかたがいる。
あんたらそんなにドラマチックな人生おくっているの、そんなにしょっちゅう大事な連絡来るの、あなた会社の偉い人なんだと声をかけてみたくなる。
恋人同士でテーブルを挟んでいるのに、みつめるのは互いのスマホ。
あんたらどうなっているのと声を掛けたくなる。
それとも、もう潮時!
「ここには弾圧者は存在しない。誰に強制されることもないんだ。自ら進んで自分を鎖に繋いでしまう。そして自ら進んで社会的な自閉状態に陥ってしまう。人間同士の基本的な通じ合いのきっかけにもう気がつくことがない。三人の人間と食卓についていて、みんな君のほうを向いて話をしようとしているのに、君はスクリーンから目を離さず、デュバイの他人を探している」
会話の場面もあまりなく、p517、長い小説ですので、気力の維持が結構大変でした。
起きるエピソードの結末は、それぞれ想像できるのですが、想像できることが、ふと恐ろしくなりました。
まだ読まれていない方には、なにを言っているのか、おわかり難いと思うのですが、近未来的な社会の話で、これが今日の社会の鏡像と思えるからです。
環境と運に恵まれ、登り調子に売れ子になって超有名人にのし上がっていくときの高揚感、心の動き、生き様が主人公のメイ・ホランドをとおしてよく分かりました。
ネットがもたらす超管理社会.....................慶応大学教授 巽孝之
『 ザ・サークル/デイヴ・エガーズ/吉田恭子訳/早川書房 』
■禁忌/フェルディナント・フォン・シーラッハ 2015.4.11
『禁忌』を読みました。
大人の童話のようなミステリーでした。
例えば、こんな雰囲気です。
セバスティアンは自分の人生を歩みはじめる。母もまた自分の人生をつづけるだろう。ふたりはそう決心していた。罪を問うなんて、いまさら愚かしいことだ。
『 禁忌/フェルディナント・フォン・シーラッハ/酒寄進一訳/東京創元社 』
シーラッハは、出版される本には、
この写真を使うことを求めている。
■ザ・サークル/デイヴ・エガーズ 2015.4.11
読んでいて恐ろしくなる小説です、『ザ・サークル』は。
これが君の会社が押しつけていることなんだ。
誰も必要ないんだ。何も改善しない。ためになることなんかない。
ジャンクフードみたいなもんだ。あれ、どうやって開発するか知っている?正確にどれだけの塩分と油分を配合すればやめられなくなるか、科学的に決定するんだよ。腹も減ってない、食べ物も必要ない、なんのためにもならない、でも空疎なカロリーを口にするのをやめられない。
わあ!じじ臭、と石をぶっつけられそうですが、あえて言います。
道を歩きながらスマホをいじっている人、ランチに集まるママ友のなかにも、必ず携帯をいじっているかたがいる。
あんたらそんなにドラマチックな人生おくっているの、そんなにしょっちゅう大事な連絡来るの、あなた会社の偉い人なんだと声をかけてみたくなる。
恋人同士でテーブルを挟んでいるのに、みつめるのは互いのスマホ。
あんたらどうなっているのと声を掛けたくなる。
それとも、もう潮時!
「ここには弾圧者は存在しない。誰に強制されることもないんだ。自ら進んで自分を鎖に繋いでしまう。そして自ら進んで社会的な自閉状態に陥ってしまう。人間同士の基本的な通じ合いのきっかけにもう気がつくことがない。三人の人間と食卓についていて、みんな君のほうを向いて話をしようとしているのに、君はスクリーンから目を離さず、デュバイの他人を探している」
会話の場面もあまりなく、p517、長い小説ですので、気力の維持が結構大変でした。
起きるエピソードの結末は、それぞれ想像できるのですが、想像できることが、ふと恐ろしくなりました。
まだ読まれていない方には、なにを言っているのか、おわかり難いと思うのですが、近未来的な社会の話で、これが今日の社会の鏡像と思えるからです。
環境と運に恵まれ、登り調子に売れ子になって超有名人にのし上がっていくときの高揚感、心の動き、生き様が主人公のメイ・ホランドをとおしてよく分かりました。
ネットがもたらす超管理社会.....................慶応大学教授 巽孝之
『 ザ・サークル/デイヴ・エガーズ/吉田恭子訳/早川書房 』
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■禁忌/フェルディナント・フォン・シーラッハ 2015.4.11
『禁忌』を読みました。
大人の童話のようなミステリーでした。
例えば、こんな雰囲気です。
セバスティアンは自分の人生を歩みはじめる。母もまた自分の人生をつづけるだろう。ふたりはそう決心していた。罪を問うなんて、いまさら愚かしいことだ。
『 禁忌/フェルディナント・フォン・シーラッハ/酒寄進一訳/東京創元社 』
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この写真を使うことを求めている。
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