生徒指導論に関する話題
ホワイト(White,R.W)によれば,人間は,意識的かどうかに関わらず,生きていくために何かを成し遂げようとする(何かを成し遂げようとする気持ちのことをコンピテンスという)。そして、親が適切に子供のコンピテンスに適切に対応すると子供は効力感(達成感)を持ち、さらにコンピテンスを高めようとする。
例えば,親であれば以下のような経験はないであろうか?
赤ちゃんは生後1年ほどで立ち上がろうとする。立ち上がったときに,周りの大人が,喜んであげる。手を叩いて拍手をしたり,「すごいネ。すごいネ。」と反応する。するとさらに上手に歩くようになる。
また,幼児の時に、絵を描く。最初は,ペンを紙になぞるだけであるが,少しづつ線が丸になる,四角を書く,そして顔のようなものを書く,そして他人が見てもわかるような絵を描いていく。それぞれのコンピテンスに適切に反応することで、子供のコンピテンスが発展していく。
このようなことは,幼児に限ったことでない。
おそらく,自分は個々の行動がコンピテンスであると自覚していない場合もあるだろう。周囲がコンピテンスであると気づいていくことが大切であり,気づいていことで子供の能力がさらに高めることができるだろう。
科学的思考力の育成も同じことが言えるのではないだろうか?子どもたちの気づきに教師や教育者がどれだけ気づいてあげるのか?特に自然体験での,子どもたちの気付きは,突拍子も無いものと思うときがあるが、実は大切な子どもたちのコンピテンスがあるのである。そのコンピテンス(気付き)を疑問、仮説、仮説の検証へとどう高めていくのかが,フィールドワークにおける重要なテーマなのである。