昨日(7日)は、コミュニティーしんぶん主催の新春座談会
「庄内の医療の現状と将来を語る」に出席してきました。
趣旨は、「新年を迎えるにあたり、高い水準にある庄内の医療の現状や今後の取り組むべき課題、さまざまな可能性などを伝えることで、少子高齢化が急速に進む庄内の住民に医療環境に対する理解を深めてもらい、希望をもってもらう」というものです。
出席者は、松田庄内保健所長、栗谷日本海総合病院院長、本間酒田地区医師会長と私の計4名。なお、三科荘内病院院長は、出張のため欠席でした。
庄内の医療技術の最前線、病診連携、医師・看護師確保、研究・産業分野との連携などを話題に、出席者からそれぞれの立場でいろいろな発言があり、13:30から3時間という長丁場でしたが、結構面白かったです。
私からは、荘内病院は血栓溶解療法の早期からの導入、非侵襲的手術など最新の手術技術への積極的な対応、在宅緩和ケアなど高いレベルにある病院であること、また、Net4U、地域連携パス、在宅医療連携拠点事業など全国でも注目される地域であることをアピールしてきました。
日本海総合病院と荘内病院との役割分担も話題にはなりましたが、今後話し合いの場は必要であろうという程度で終わりました。私からは、今後の超高齢社会における医療・介護は、市町村単位で考える必要があり、その意味でも鶴岡に救急、急性期、在宅医療バックアップなどの機能を持つ、地域支援病院としての荘内病院は必要との発言をしてきました。
どうまとめるのか、コミュニティ新聞、新春号をお楽しみに
以下のメモです。
1,医療技術や体制の最前線と、今後の方向性
庄内でどの程度のレベルの治療が受けられるのか、最前線の医療機器
PET-CT (日本海総合病院)
庄内一円で利用する目的で導入
まだ、採算ベースにはない
成果がでるには時間が必要
一般検診でも利用されている 100例以上の利用あり
救命救急センター (日本海総合病院)、
山形で3番目
救急のレベルがあがるというものではない
むしろ、予算がつくという意義が大きい
一定の成果はあるが、明確な成果はまだ
救急の70%は軽症、
酒田地区医師会の開業医が救急外来の手伝いをしている、地域全体で取り組んでいる
ちょうかいネット
病院のカルテが閲覧可能 → 地域のレベルアップ → 地域住民安心感
荘内病院、
周産期母子センター
がん連携指定病院
血栓溶解療法、血管内視鏡的血栓除去、
緩和ケア
地域連携パス
外科:内視鏡的、非侵襲的手術を積極的に導入
認定看護師
精神科も含めてどの病院でもそれなりにがんばっている
化学療法
それぞれ熱心にとりくんでいる、庄内全体としてある程度のレベルは達している
今後の展望と課題
認知症対策:
オレンジプラン、
自殺対策:うつ病をどうみていくか、
かかりつけ医と精神科医との連携 書式の統一
新鶴岡病院でのストレス外来
ちょうかいネットやNet4Uの活用
医療機器:日本海では、ダビンチ、体幹型のサイバーナイフの導入を検討、
庄内:胃がん患者が多い → 予防、検診も含めて対策が必要
2、病診連携
ちょうかいネット
酒田で、登録数:1万件を超えた、医療関係者に意識が高い
ちょうかいネットの特徴は、所見の公開(他の地域ではやっていないことが多い)
介護職での活用が課題
Net4U:
在宅医療における多職種連携に活用、
とくに、がんの在宅緩和ケアにおいて、その普及にも貢献している
緩和ケア専門医の参加が大きい
参加医師が少ないのが課題
地域医療連携拠点事業(ほたる)
3年前から始まった国の事業
在宅医療における、医療・介護連携のコーディネート機能
昨年度から県の事業となるが、山形県は認識が低い
鶴岡では、医療連拠点室と改名し、事業を継続
今後は、市からの委託事業に移行する模様
急性期、回復期、在宅への流れ
急性期病院にとって平均在院日数の短縮は必須
そのためには、連携は不可欠、また、市民の理解、認識も必要
日本海総合病院統合したことで、何が変わったのか
延べ患者数が減った、新患者が減った。
一方、入院患者数が増え、在院日数は減った、
要するに、患者は減っても、収益は、1.7倍になった
他の病院へお願いする患者が増えた
庄内全体での医療資源を話し合う場が必要
急性期病院の在院日数が短いことへの市民の理解は深まってきた
鶴岡の地域連携パス
大腿骨近位部骨折パスで開始
荘内病院整形外科の危機感からリハビリテーション病院にお願いして始まった
脳卒中地域連携パス:全例登録、データベース化、データ解析も行っている
維持期パス導入群では非パス群に比し、脳卒中の再発率、再発までの期間が長いというデータがでている。
地域連携パスを利用することで、寝たきりの最大の要因であり、地域の課題である脳卒中の疾病管理を目指している
在宅医療
酒田:在宅医療をやっているのは 7人、当番制を導入
3、医師、看護師などスタッフ確保の問題
医師数、日本海:136名、荘内:73名、
世界的に日本の医師数は少ない、
庄内、
正看護師は少ない、満たされているのは村山だけ
山形県は、定着率が低い
潜在看護師、相当数いる、
分布、日本海 > 荘内、 日本海を引くと、酒田の方が足りない
施策的誘導は難しい、県で検討はしているようだが
日本海に医師数が多いのは(うまく)合併したから、 辞めた医師がいなかった
看護師:毎年40数名を雇用
特徴:新卒が多い、寿退職が多い、出産、育児が多い、
日本海職員数:1000+500(臨時)、雇用は、地域貢献にはなっている、
荘内病院でも医師不足は深刻な問題、とくに内科系医師
(総論として)医師不足のおもな要因は偏在
山形県でも、村山だけが突出して多い、荘内病院へも回して欲しい、
看護師不足の背景にあるのは、看護師の労働環境の悪さ、
抜本解決には、看護師の仕事を続けられる、働きやすい環境づくりが必要なのではないか
医師が集まる医療機関は、手術件数などが多いところ
地域のなかで、どういう仕組みが必要なのか協議する時期にはきている
今後、公的医療機関はなくなっていくのでは?
視点をどこに? 新しい視点が必要、何が目的か?
少子高齢化をどう生き延びるか?
財政難は、話し合いのモティベーションになる、
課題は、継続性、お互いがステークホルダー、
統合は、次世代の作業か → 県民に伝える作業が必要
医師会は、結びつける力をもっている
4、医療福祉と研究・産業分野の連携
生命先端研究所、 メタボローム技術、
応用例:うつ病、蜘蛛の糸、だだちゃ豆、つや姫、唾液によるがんの早期発見
鶴岡市みらい健康調査(鶴岡市、慶応大学、鶴岡地区医師会の共同研究)
メタボローム技術を実用化を目指した、コホート研究
1万名をリクルートして、25年間追跡調査する
創薬、検査字術を含め、産業化の可能性
医療ツーリズム
中国(ハルピン)から、日本海病院での検診、 健診(関西)より安いのがウリ
医療・産業界と連携
健診システムの輸出
内視鏡や医療機器開発、
高橋、コウケン(オリンパスの委託)で作製、
「庄内の医療の現状と将来を語る」に出席してきました。
趣旨は、「新年を迎えるにあたり、高い水準にある庄内の医療の現状や今後の取り組むべき課題、さまざまな可能性などを伝えることで、少子高齢化が急速に進む庄内の住民に医療環境に対する理解を深めてもらい、希望をもってもらう」というものです。
出席者は、松田庄内保健所長、栗谷日本海総合病院院長、本間酒田地区医師会長と私の計4名。なお、三科荘内病院院長は、出張のため欠席でした。
庄内の医療技術の最前線、病診連携、医師・看護師確保、研究・産業分野との連携などを話題に、出席者からそれぞれの立場でいろいろな発言があり、13:30から3時間という長丁場でしたが、結構面白かったです。
私からは、荘内病院は血栓溶解療法の早期からの導入、非侵襲的手術など最新の手術技術への積極的な対応、在宅緩和ケアなど高いレベルにある病院であること、また、Net4U、地域連携パス、在宅医療連携拠点事業など全国でも注目される地域であることをアピールしてきました。
日本海総合病院と荘内病院との役割分担も話題にはなりましたが、今後話し合いの場は必要であろうという程度で終わりました。私からは、今後の超高齢社会における医療・介護は、市町村単位で考える必要があり、その意味でも鶴岡に救急、急性期、在宅医療バックアップなどの機能を持つ、地域支援病院としての荘内病院は必要との発言をしてきました。
どうまとめるのか、コミュニティ新聞、新春号をお楽しみに
以下のメモです。
1,医療技術や体制の最前線と、今後の方向性
庄内でどの程度のレベルの治療が受けられるのか、最前線の医療機器
PET-CT (日本海総合病院)
庄内一円で利用する目的で導入
まだ、採算ベースにはない
成果がでるには時間が必要
一般検診でも利用されている 100例以上の利用あり
救命救急センター (日本海総合病院)、
山形で3番目
救急のレベルがあがるというものではない
むしろ、予算がつくという意義が大きい
一定の成果はあるが、明確な成果はまだ
救急の70%は軽症、
酒田地区医師会の開業医が救急外来の手伝いをしている、地域全体で取り組んでいる
ちょうかいネット
病院のカルテが閲覧可能 → 地域のレベルアップ → 地域住民安心感
荘内病院、
周産期母子センター
がん連携指定病院
血栓溶解療法、血管内視鏡的血栓除去、
緩和ケア
地域連携パス
外科:内視鏡的、非侵襲的手術を積極的に導入
認定看護師
精神科も含めてどの病院でもそれなりにがんばっている
化学療法
それぞれ熱心にとりくんでいる、庄内全体としてある程度のレベルは達している
今後の展望と課題
認知症対策:
オレンジプラン、
自殺対策:うつ病をどうみていくか、
かかりつけ医と精神科医との連携 書式の統一
新鶴岡病院でのストレス外来
ちょうかいネットやNet4Uの活用
医療機器:日本海では、ダビンチ、体幹型のサイバーナイフの導入を検討、
庄内:胃がん患者が多い → 予防、検診も含めて対策が必要
2、病診連携
ちょうかいネット
酒田で、登録数:1万件を超えた、医療関係者に意識が高い
ちょうかいネットの特徴は、所見の公開(他の地域ではやっていないことが多い)
介護職での活用が課題
Net4U:
在宅医療における多職種連携に活用、
とくに、がんの在宅緩和ケアにおいて、その普及にも貢献している
緩和ケア専門医の参加が大きい
参加医師が少ないのが課題
地域医療連携拠点事業(ほたる)
3年前から始まった国の事業
在宅医療における、医療・介護連携のコーディネート機能
昨年度から県の事業となるが、山形県は認識が低い
鶴岡では、医療連拠点室と改名し、事業を継続
今後は、市からの委託事業に移行する模様
急性期、回復期、在宅への流れ
急性期病院にとって平均在院日数の短縮は必須
そのためには、連携は不可欠、また、市民の理解、認識も必要
日本海総合病院統合したことで、何が変わったのか
延べ患者数が減った、新患者が減った。
一方、入院患者数が増え、在院日数は減った、
要するに、患者は減っても、収益は、1.7倍になった
他の病院へお願いする患者が増えた
庄内全体での医療資源を話し合う場が必要
急性期病院の在院日数が短いことへの市民の理解は深まってきた
鶴岡の地域連携パス
大腿骨近位部骨折パスで開始
荘内病院整形外科の危機感からリハビリテーション病院にお願いして始まった
脳卒中地域連携パス:全例登録、データベース化、データ解析も行っている
維持期パス導入群では非パス群に比し、脳卒中の再発率、再発までの期間が長いというデータがでている。
地域連携パスを利用することで、寝たきりの最大の要因であり、地域の課題である脳卒中の疾病管理を目指している
在宅医療
酒田:在宅医療をやっているのは 7人、当番制を導入
3、医師、看護師などスタッフ確保の問題
医師数、日本海:136名、荘内:73名、
世界的に日本の医師数は少ない、
庄内、
正看護師は少ない、満たされているのは村山だけ
山形県は、定着率が低い
潜在看護師、相当数いる、
分布、日本海 > 荘内、 日本海を引くと、酒田の方が足りない
施策的誘導は難しい、県で検討はしているようだが
日本海に医師数が多いのは(うまく)合併したから、 辞めた医師がいなかった
看護師:毎年40数名を雇用
特徴:新卒が多い、寿退職が多い、出産、育児が多い、
日本海職員数:1000+500(臨時)、雇用は、地域貢献にはなっている、
荘内病院でも医師不足は深刻な問題、とくに内科系医師
(総論として)医師不足のおもな要因は偏在
山形県でも、村山だけが突出して多い、荘内病院へも回して欲しい、
看護師不足の背景にあるのは、看護師の労働環境の悪さ、
抜本解決には、看護師の仕事を続けられる、働きやすい環境づくりが必要なのではないか
医師が集まる医療機関は、手術件数などが多いところ
地域のなかで、どういう仕組みが必要なのか協議する時期にはきている
今後、公的医療機関はなくなっていくのでは?
視点をどこに? 新しい視点が必要、何が目的か?
少子高齢化をどう生き延びるか?
財政難は、話し合いのモティベーションになる、
課題は、継続性、お互いがステークホルダー、
統合は、次世代の作業か → 県民に伝える作業が必要
医師会は、結びつける力をもっている
4、医療福祉と研究・産業分野の連携
生命先端研究所、 メタボローム技術、
応用例:うつ病、蜘蛛の糸、だだちゃ豆、つや姫、唾液によるがんの早期発見
鶴岡市みらい健康調査(鶴岡市、慶応大学、鶴岡地区医師会の共同研究)
メタボローム技術を実用化を目指した、コホート研究
1万名をリクルートして、25年間追跡調査する
創薬、検査字術を含め、産業化の可能性
医療ツーリズム
中国(ハルピン)から、日本海病院での検診、 健診(関西)より安いのがウリ
医療・産業界と連携
健診システムの輸出
内視鏡や医療機器開発、
高橋、コウケン(オリンパスの委託)で作製、