うーん、コロナがなければ本日がパラリンピック閉会式で、東京オリ・パラが全て終幕するはずだった。安倍首相は破顔一笑し、涙の退陣表明でなく、解散断行の機を窺い、さらなる長期政権に向け盤石の体制を築いていったかもしれない。人生万事塞翁が馬、先に幸不幸のどちらが待ち受けているか分からない。しかし、これまでに体験したことがないような勢力の強い台風は有無を言わさず不幸しかもたらさない。が、進路によって不幸の度合いが地域によって異なってくる。塞翁が馬はどこに向かって駆けていくか、結果を見ないと分からない。
終わった後も結果が分からないのが選挙である。もちろん、個人の当落や政党の勝敗は判明する。分からないのは真犯人である。戦後、あるいは保守合同の55体制以降、片山哲らの社会党首班、細川護煕日本新党党首班連立内閣、悪夢と言われる先の民主党政権などの短期例外を除き、ほぼ一貫して自民党(連立)政権が継続した。自由な投票制度の下で約60年も一党が政権を掌握し続けるのは国際的に異様なことである。江戸時代の士農工商身分制、明治以降の官憲抑圧が生んだお上従属の日本特有の民族性の故かもしれない。しかし、その間に大正デモクラシーもあったし、昭和スーダラ節・バブル時代もあり、変革のタイミングは幾らでもあった。しかも、黒い霧や大型スキャンダルなど政権与党への信頼が揺らぐ事件が何度も起きた。
それなのに明治の不磨の大典が塗り替えられた戦後において、一層強固に継続志向が尊ばれているのには何か原因があるに違いない。解明するには、民主制政党政治なので、投票行動を解析するしか手はない。しかし、そのために記名投票を導入すると、選挙制度の根幹が覆ってしまう。無記名投票を継続したまま、分析の手が加えられる方法として、男女別、年代層別投票用紙が考えられる。
日本に議会制度が導入され、選挙が行われたのは1890年からで、激しく党派間で争われ、二大政党政治に収斂していった。しかし、女性が選挙に参加できるようになったのは、やっと戦後の1945年からである。被選挙権も得て、加藤シズエ、市川房枝らの女性議員が颯爽と登場した。これで女性の社会進出を阻んだり、家庭生活を破壊する労働慣行を助長することがなくなる社会に変革していく気運が高まった。しかし、その後の方向は、やむを得ない公害対策以外はGDP拡大一辺倒だった。山を動かしたとされる土井たか子社会党委員長らの活躍に惑わされて、女性が変革の先導役を担うと期待され勝ちだけれど、実際はどうなのか。社会不安が高まるにつれ、体制の安定性を求める投票行動につながる主体を探してみたい気になる。
投票用紙を一気に男女別、年代層別に分けるのがややこしいなら、せめて男女別に女性は赤い投票用紙、男性は白い投票用紙という風に分けて、立候補者と政党ごとに男女別の得票数が明白となるシステムに改良することを求めたい。得票者にとっても、今後の政治活動に生かすことができるし、政治の活性化につながると思われる。
ひと歳で
諸ひとの思ひ
狂はせり
流行り病ひの
罪深きかな
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます