【手術】
いよいよ手術の日
先生の夕方の診察が終了した後で僕たんの手術が始まった。
予定では三時間かかる。
全身麻酔で眠くなる前にサマンサ♪母たんが来てくれた
:祿~祿太~頑張ってね~お母さんがついてるからね~
:サマンサ♪母た~ん僕たん頑張るからね~
(僕がついてるから大丈夫ですサマンサ♪母さん)
また奥から聞こえる七宝兄たんの声
:そろそろ~~準備はいいですかぁ~
と、先生が言い....
ガチャと手術室のドアが開く
:母たん行ってきます
:頑張ってね祿たん
ドアが閉まり麻酔がかけられ意識が遠くなる....
手術の間僕たんは、ず~っと夢を見ていた
毎日毎日サマンサ♪母たんを一人じめする夢
右足を自転車こぎみたいにイチニイチニッって動かしてる夢
尻尾回りと腰が痛くてサマンサ♪母たんに痛いよ~って甘える夢
部屋の中をビッコだけど歩き回る夢
ベランダから庭へ向かう柵越えの道に立つ夢
沢山沢山夢を見た
そして気がつくと床暖房付きのいつものケージだった
またまた腕には太い管がついている
反対側に......
痛くは無いけど何だかクタクタ
グウ~~~なんか音がした
なんだグルグル...グウ......
あ~~僕たんお腹空いた~~だって昨日から何も食べて無いんだぁ
でもクタクタでお腹空いた~~って言えないよ~~~
僕たんはご飯命なのに~~~
そうだ....サマンサ♪母たんと初めて会った時もご飯につられて顔だしたら
ヒョイって抱っこされたんだ
でも今は我慢して寝んねするかな~~
(そうだね...)
七宝兄たんが呟く....
少しすると「祿た~ん頑張ったねよく頑張ったね~~
」と聞こえてきた。
サマンサ♪母たんが手術の終わりを聞き駆け付けていた
僕たんの頭をそっと撫でてくれる
僕たん頑張ったよ
よく頑張ったね~偉かったね~
優しく優しく撫でてくれた
サマンサ♪さ~ん手術は無事終わりました。
祿ちゃんの状況をお伝えします。
そう呼ばれ母たんは隣の部屋に行った。
:え~まず骨の状態ですが.....プレートは使わずワイヤーで固定しました。
かろうじて突起部が無事でしたのでの字を描く様に沈んだ骨をワイヤーで吊りました。
圧迫していた残存神経の負担を少し軽くするはずです。
しかし内臓側の骨はそのままにするしかなく心残りでしたがやむを得ずと言う所です。
:ありがとうございます。
本当にありがとうございます。:出来る事は全てやりました。
後は祿ちゃんの持つ回復するちからに期待したい所ですね
等等何だか難しい話しをしていた
また母たんが戻って来た
母たん!ねえ僕たん今日帰れる
母たんと一緒に帰れる
お家に帰りたいな~~
イチローおじちゃんは
珊瑚姉たんは
ご飯食べてパトロールの練習しなくちゃいけないんだ~~
だから~頑張ったから帰りたいな~~
管抜いて帰りたいな~
(祿太それは無理だな.....)
七宝兄たんが呟く。
クタクタの僕たんは喋ってるつもりだったけど本当はサマンサ♪母たんを
ただじぃ~~って見つめていただけだった.....
祿たん今日はここでねんねしようね
きっと良くなるからね
後少し我慢して必ずお母さんと一緒にに帰ろうね~~
そう言うと、もう一度頭を撫でて静かに扉を閉めて帰って行った。
(サマンサ♪母さんまた明日も来てね
僕は待ってます....
祿太も待ってます。
僕達を必ずに連れて帰ってね
今度は勝手に虹の橋を渡ったりしないからね....。)
僕たんの奥で繰り返し繰り返し、そう呟く七宝兄たんなのでした
また明日ね母たん
僕たんはきっと良くなるからね
第五話【手術】終わり