サマンサ♪ファミリーのドキドキ練習用blog

ふつうの日々にころがってるドキドキを
ひろいあつめたら
みんなたいせつな宝物になりました。

僕たんは祿太⑤♪~手術~

2009年02月26日 | 祿太誕生story!

 

【手術】



いよいよ手術の日



先生の夕方の診察が終了した後で僕たんの手術が始まった。


予定では三時間かかる。


全身麻酔で眠くなる前にサマンサ♪母たんが来てくれた

 


:祿~祿太~頑張ってね~お母さんがついてるからね~


:サマンサ♪母た~ん僕たん頑張るからね~




(僕がついてるから大丈夫ですサマンサ♪母さん


 

また奥から聞こえる七宝兄たん

 



:そろそろ~~準備はいいですかぁ~

と、先生が言い....



ガチャと手術室のドアが開く



:母たん行ってきます

:頑張ってね祿たん

 



ドアが閉まり麻酔がかけられ意識が遠くなる....

手術の間僕たんは、ず~っと夢を見ていた

 



毎日毎日サマンサ♪母たんを一人じめする夢


右足を自転車こぎみたいにイチニイチニッって動かしてる夢


尻尾回りと腰が痛くてサマンサ♪母たんに痛いよ~って甘える夢


部屋の中をビッコだけど歩き回る夢


ベランダから庭へ向かう柵越えの道に立つ夢

 



沢山沢山夢を見た

 



そして気がつくと床暖房付きのいつものケージだった

 



またまた腕には太い管がついている

反対側に......

痛くは無いけど何だかクタクタ

グウ~~~なんか音がした

なんだグルグル...グウ......

あ~~僕たんお腹空いた~~だって昨日から何も食べて無いんだぁ


 


でもクタクタでお腹空いた~~って言えないよ~~~

僕たんはご飯命なのに~~~

そうだ....サマンサ♪母たんと初めて会った時もご飯につられて顔だしたら

ヒョイって抱っこされたんだ

 



でも今は我慢して寝んねするかな~~

(そうだね...)

七宝兄たんが呟く....


 

 

少しすると「祿た~ん頑張ったねよく頑張ったね~~」と聞こえてきた。

サマンサ♪母たんが手術の終わりを聞き駆け付けていた



僕たんの頭をそっと撫でてくれる

僕たん頑張ったよ

よく頑張ったね~偉かったね~

優しく優しく撫でてくれた

 



サマンサ♪さ~ん手術は無事終わりました。

祿ちゃんの状況をお伝えします。

 



そう呼ばれ母たんは隣の部屋に行った。

 



:え~まず骨の状態ですが.....プレートは使わずワイヤーで固定しました。


かろうじて突起部が無事でしたのでの字を描く様に沈んだ骨をワイヤーで吊りました。


圧迫していた残存神経の負担を少し軽くするはずです。


しかし内臓側の骨はそのままにするしかなく心残りでしたがやむを得ずと言う所です。



:ありがとうございます。


本当にありがとうございます。


:出来る事は全てやりました。

後は祿ちゃんの持つ回復するちからに期待したい所ですね

 



等等何だか難しい話しをしていた

 



また母たんが戻って来た


母たん!ねえ僕たん今日帰れる


母たんと一緒に帰れる


お家に帰りたいな~~


イチローおじちゃんは


珊瑚姉たんは


ご飯食べてパトロールの練習しなくちゃいけないんだ~~


だから~頑張ったから帰りたいな~~



管抜いて帰りたいな~



(祿太それは無理だな.....)


七宝兄たんが呟く。

 



クタクタの僕たんは喋ってるつもりだったけど本当はサマンサ♪母たんを


ただじぃ~~って見つめていただけだった.....

 



祿たん今日はここでねんねしようね


きっと良くなるからね


 

後少し我慢して必ずお母さんと一緒にに帰ろうね~~



そう言うと、もう一度頭を撫でて静かに扉を閉めて帰って行った。

 

 



(サマンサ♪母さんまた明日も来てね


僕は待ってます....


祿太も待ってます。

僕達を必ずに連れて帰ってね


今度は勝手に虹の橋を渡ったりしないからね....。)



 

僕たんの奥で繰り返し繰り返し、そう呟く七宝兄たんなのでした

 



また明日ね母たん



僕たんはきっと良くなるからね

 

 



第五話【手術】終わり


僕たんは祿太④♪~決定~

2009年02月25日 | 祿太誕生story!

 

【決定】



入院から二日

今日はで僕たんの相談をするらしい

 



骨折した骨をそのままに治療を進めるか、手術をするか.....

かなり難しいらしい僕たんの腰椎の手術

 



バラバラになった骨を繋ぎネジで留めるとかワイヤーで吊とかおっかない話しをしている...

 



今の段階では手術をしても僕たんの足は動く可能性が無いらしいのだが....

 



二日前僕たんの事を聞きかけつけた風ちゃんが先生と何やら話しをしていた....

レントゲンを見ながら....この骨を上に引き上げると圧迫している神経もしくは

残存する神経を回復させる事が出来るのでは....

そうですね~神経が少しでも繋がっていれば....




しかし僕の経験上回復の見込みは無く...かなり厳しいですね.....

サマンサ♪さんにはお伝えしてませんが..とはハッキリ言われた。


 


風ちゃんは類似した腰椎骨折経験者

片足麻痺から復活した強者でもある

その事を先生に伝え、万が一でも可能性があれば....

また可能性が見出だせなくてもサマンサ♪は引き下がる事は無いでしょう....と

二人の押し問答的話しは続いた....

 



先生が言う。


何故回復の見込みが無いって言うかと申しますと....切り出した。



答えは....僕たんが”猫”だから

もし同じ怪我を人間がしても【歩きたい】と頭で考えて残る機能を奇跡的に回復させる事がある。


しかし僕たんは猫である.....


先生のおっしゃる事は解ります。

そう風ちゃんは答えた。

 

 


沈黙が続く.....

 


しかし結局先生が折れ....



祿ちゃんの明日の状態を見て決めますが....

一応手術する方向で....

 



当日使用する部品等を準備しますが背中を開けて見ないとハッキリした結果は言えません。

骨が小さすぎて部品が合わない.....またネジによって残存神経を傷つける恐れも....

やっても無駄な場合はそのまま閉じますとの言葉もあった。

 


サマンサ♪さんにもリスクのお話しをしてください。

が言うよりショックが少ないと思います....

と、僕たんを思いパニック気味のサマンサ♪母たんを気遣かってもらいました。

 

 



そしては昨夜話し合いをした....



入院翌日自力で少しだけどうんちが出来ていた僕たんですがやはりチッチは思う様にだせない....

しかし回復に向かってはいる

それを実際に見た

 



話し合いの内容は....


:どんなことがあっても出来る限りの事をしてあげたい

祿太はきっと良くなる

祿太は生きると言ってる絶対良くなる



:手術賛成だったが手術をする事で今ある機能も奪う形になるかも....

回復度合いを見ていると手術が必要か疑問が残る



:絶対治してあげたい出来る事は全てしてあげたい。そう言って泣く。

 



(サマンサ♪母さんは祿太が僕の生まれ変わりと信じている.....

僕を逝かせ更には、つい我が儘を聞いていつも散歩に行く時間じゃ無いのに祿太を行かせ、

怪我をした事を自分のせいだと思い悔やんでいる。

でもこれは猫の宿命で、この日じゃ無くてもいつかは来る。

パトロールは雄猫の本能だし、飛び出して事故にあったり怪我をするのは

現代猫としての通る道でもある。決してサマンサ♪母さんのせいでは無い)

 



:ん~~まあ今がMAX悪いと考え足が二度と動かなくてもこれ以下は無い。

リスクも大きいが骨を正常な位置に戻す事で回復の可能性があるやも.....

人間ならどちらにしても手術をすると先生が話していたし。

話しあいは寝るまで続き......マイナスにならないならばいい....そう結論づけた。

 



そしていよいよ手術の是非について話し合う日



:どうでしょうか



:少しですが良くなってきています。

万に一つの可能性かもしれませんがやってみる価値があるかもしれません

発見時は、一過性の麻痺もあります。

もしかしたら疲れて衰弱していたのかもしれないですね

体力は回復してきてますよ~



そんな拍子抜けしそうなくらいの先生の話し

 



サマンサ♪さんどうしますか?

返事は勿論

手術で宜しくお願いします

 



「祿た~ん先生が手術してくれるって~きっとよくなるからね~

頑張って良くなってに帰ろうね~」と、喜んで僕たんのケージに来てくれたサマンサ♪母たん

その嬉しそうな顔を見て僕たんの奥で嬉しそうに笑う七宝兄たん



ややこしいがどうも僕たんが無事にに帰れるまで撫子ママと一緒に見守ってくれてるのだ

因みに撫子ママは”ジジ”(縫いぐるみ)にとり憑き僕たんの側にいる

僕たんはみんなに守られているのだ

 



さあ明日は手術だ

頑張らなくちゃ

 



しかし背中の毛が邪魔だよね....

昨日、隣ケージのシマシマのお兄さんはバリカンでビィ~~ンって....

もしかして僕たん背中がハゲハゲに~~

でもしかた無いか~

僕たん頑張っちゃうもんね

 



そんな事考えていたらガチャンと柵が閉まりが手を振り帰って行った....。



また明日ね~サマンサ♪母た~ん



(明日も待ってますサマンサ♪母さん

 



第四話【決定】終わり


僕たんは祿太③♪~病院~

2009年02月25日 | 祿太誕生story!

 

【病院】



ろく~....

ろくた~ん....

耳元で僕たんを呼ぶ優しい声が聞こえる。



ニャ?(ん?)

どうやら気持ちいい膝の上で寝てたみたいだ



でも何だか知らない景色見慣れない車....の中。



そこを右そして左まっすぐいったら信号を左

そこその右の病院です



やっぱりサマンサ♪母たんの声だ



ついたよ祿太さあ行こうね~



必死の声



キョロキョロ

あ..古賀先生の病院だ

みんな僕たんを待っててくれてる様子

僕たん人気者なんて言ってる場合じゃ無い

そう僕たんの怪我を診察する為みんな待機してくれているんだ。

身体の下半分がぶら~んとして感覚が無い

 



:先生お願いします

:サマンサ♪さん落ち着いてください。

 



そんな慌ただしいやり取りの後、すぐに検査が始まった....

外傷のチェック・血液検査・レントゲン・エコー等等



:はい祿ちゃ~ん

見つめ合う....視力の確認。


身体の隅々まで先生のでっかい手でチェックされる

レントゲンがパネルに写し出され診断結果が伝えられます。

 



は神妙な面持ちで聞く。

 



:第四腰椎骨折です。

圧迫による肝臓肥大・他打撲・擦過傷

そして疲労



骨のレントゲンを診ると明らかに型が崩れ折れているのが見える....

:腎臓のすぐ裏側ですね....

:肝臓もやや腫れ、膀胱にはオシッコがいっぱい溜まっていますね....

 


サマンサ♪母たんと一緒に僕たんもしっかり見た。



先生が僕たんをヒョイと抱き抱えお腹の辺りをマッサージする様に押す。

ググッ....グググ....

すると~~

ジョッー---ジョジョー-----



あ~スッキリした~~

全~~部出た

あ...うんちも出ちゃった

やっぱり先生は凄いな~なんて感動した。

 



一通りの話しが終わり僕たんは別室へ.....



あ~喉渇いたな~~

お腹も空いたし~~

昨日から何も口にしていない.....ご飯食べたいな~

でもなんか眠い

ウトウトしていたら....

チクッ

あっあーー注射だぁー

大きい~それもなんか変な長い管ついてるぅ~~~

やだやだ~~やだ~~



カプッ

先生の助手のお姉さんに噛み付いてみた

でも外してくれない。

そのうち包帯でぐるぐる巻きにされ管に繋がれてしまった



暴れても取れない....

フン!もういいや。


僕たんは諦めて抵抗をやめた。


 

 


先生とサマンサ♪母たんが何か話してる....



:まずは三日間の入院です....少し様子を見ましょう

:はい...よろしくお願いします。



サマンサ♪母たんが泣きながらお辞儀をしている。

あ~七宝兄たんに怒られちゃうなぁ~~

何とかには帰れたけど怪我しちゃったしな~

 



と、まあそう言う事で僕たんは入院する事になりました

 

 



柵ごしにサマンサ♪母さんが言う....

「毎日会いに来るからね待っててね

先生と助手のお姉さんの言うこと聞いてね大丈夫だからね

 



泣きながらそう話すサマンサ♪母たんに....

「うん僕たんはお利口にして待ってるからね」と言った

 

 



僕たんよりサマンサ♪母さんのほうが心配だった

しかしなんだかとっても寝むかった.....

 



猫は【寝子】とも言い具合が悪かったり怪我をしたりするとひたすら寝る

まあ何もなくても寝るけどね

 



なにはともあれ無事に発見され病院に運ばれ先生のところで身を休める事になった。

サマンサ♪母たんと離れるのはとても寂しいけど我慢して入院しちゃいます

 



また僕たんの奥から声がします....



「必ず僕を迎えにきてね僕はずっとサマンサ♪母さんを待ってます

今度は必ず笑顔でに連れて帰ってね

 

 



サマンサ♪母たんが入院室から離れて行く....

また明日ね~僕たんはいい子にしてるからね~



クタクタなのに何故か上半身を目一杯持ち上げ笑顔で見送った

多分七宝兄たんの仕業


僕たんは眠い....少し寝よっと

 

 



ガチャン柵が閉じられた。

暖かい床暖房付きケージであったかマイルーム

 



睡魔が.....

七宝兄たんが僕たんに話しかけてくる....



「祿太寝るだけだよ...虹の橋が見えても渡ってはいけないよ....」



は~い

おやすみなさい



「はぁ...のんきな奴だ....」

 

 



第三話【病院】終わり


僕たんは祿太②♪~祿太~

2009年02月24日 | 祿太誕生story!

 

【祿太】


ん~~気持ちよく寝た~

目が覚めると、僕たんはこの家の家族として【祿太】と名付けられていた



サマンサ♪母たんには一目で七宝兄たん生まれ変わりだと解ってもらえた

同じ柄と色(少し薄いけど)がポイントです


目標達成

 



僕たんの名前は.....



七宝兄たん次にサマンサ家に迎えられたのだから七の次は

八がつきそうな感じだが、吉字の末広がりより

”うっかり者の八兵衛さん”になってはいけないと言う事で、

一つ数字を戻し【六】になった。




七宝の名前の基となる七福神からロクの付く名前を捜すと~【福祿寿】とある。

その一文字の祿を頂戴し【祿】、

そしてこんどは太く生きる様にと【祿太】と名付けられたのだ

 



僕たんは七宝兄たんの生き残した寿命を取り戻すかの様に命を繋いだ。

食べれる物は何でも食べ、水もカプカプ食べ....

変な飲みかただけど気にしない

だって七宝兄たんの分もいっぱい飲まないといけないので忙しいんだ~



家に連れて帰られた時は700㌘の小さい身体だったけど、

大事に大事に育てられ5ヶ月の頃は2.5㌔を越え

しっかりした身体になったんだ~



毎日毎日イチローおじちゃんと遊び、男子はこうあるべき

七ヶ条を伝授され七宝兄たんの事も聞いた。



珊瑚姉ちゃんからは撫子ママ(人の言葉が理解出来るすご~い先代ママ猫)

の話や家族のルール、外回りのルールを聞き僕はちょっと大人になった



でも何となく寂しい時がある

そんな時はオッパイ吸うみたいに”じゅっじゅ”する

僕たんには七宝兄たんには無かった長~い尻尾がある

その先端をちょっとだけ口にくわえると

幸せ満点直ぐ眠くなっちゃいます



サマンサ♪母たんはその”じゅっじゅ”した尻尾を見ると

筆みたいとかハゲるかも....と言う

確かに自分でもそう思う...。やだ~~尻尾ハゲやだ~~。

大人になったら”じゅっじゅっ”しないもんね~


 


小さい頃

苺の箱が僕たんの部屋だった頃.......

七宝兄たんが大好きだったキャットタワーで毎日遊んだ。



ケージが僕たんの部屋になった頃.....

急な階段の上り下りで足腰を鍛え歩伏前進で上半身を鍛えた。



更にベランダの柵を飛び越え庭へ行ける様になった頃には

サマンサ♪母たんの部屋が僕たんの部屋になった。



そして更に更に珊瑚姉たんに付き添われ

家の周りのパトロールまで出来る様になった頃.....

 

 



満月の夜、僕たんは本能に目覚め一人でパトロールに出た

そしたら怪我をした

 

 



何が起きたのかまったく記憶に無い

まるで狭い猫道にいた時の様に何故か怪我をして家に辿りつくそれまでの記憶が....無い



ただ、帰らなきゃ家に帰らなきゃと必死に走った....

正確に言うと走ったつもりだった.....

でも僕たんの後ろ脚は動いて無かったのである.....。



でもでも残った前脚で必死で走った....。

月は沈み、夜が明け、太陽が見える頃、僕は家の近くに辿りついた。



そこにはいつもひとっ跳びで越えられるはずの壁が立ちはだかる。

この壁を越えればサマンサ♪母たんの待つ家だ



母たん(ニャァー)サマンサ♪母たん(ニャァー)必死に叫んだ

......駄目だ聞こえて無い。

イチローおじちゃんにも届かない



家は目の前なのに....僕たんには跳び越えられない.....

 



時間だけが過ぎ太陽が真上に来た。

ああ~疲れた....寒いし.....お腹すいたな.....眠いな.....

このまま眠ったら七宝兄たんみたいに虹の国に逝っちゃうのかな.....

そう思いながら空を見上げた



その時一晩中僕たんを捜し歩きまわり、クタクタになってベランダに佇む

サマンサ♪母たんと目が合った(感動的なBGMが流れる....)



ろくーーろくたーーん


サマンサ♪母たんの声だ

しっかりと目が合った

でも直ぐに視界から消え、あ~夢か~と思い俯いた。



ザッザッザッザッ近付く足音がする

声がする



ろくたぁーー

あ~あの時と同じ七宝兄たんを見送った時と同じサマンサ♪母たんの悲しい声。



僕たんは力を振り絞り振り向いた。



そして鳴いた。



ニャァー(サマンサ母た~ん...)


ニャァー(ただいま)....


ニャァー(遅くなっちゃった)


ニャァー(ごめんなさい)

 

 



あのね...なんか....眠い....フゥ

あ~七宝兄たんに叱られちゃうな~

僕たんまでサマンサ♪母たんを泣かせてしまった~

フゥ....



泣いてる....母さんが.....泣いてる....

ニャァー(泣かないで...)

フゥ....


「僕はサマンサ♪母さんに”泣かないで”って言いたくて帰ってきたんだ...

祿太は僕が必ず母さんのそばに居られる様にするから....

だから泣かないで....」

 

 



また僕たんの奥から声がする.....

 



ニャァ...(サマンサ♪母たん...)

ニャァ...(お家に帰りたい)

フゥ...

 



第二話【祿太】


僕たんは祿太①♪~転生~

2009年02月23日 | 祿太誕生story!

 

【転生】

僕たんは祿太

サマンサ♪家に来て6ヶ月現在生後推定7ヶ月

Mixの”洋モノ”らしい



今、ちょっと怪我をして療養中です。

毎日サマンサ♪母たんに甘えん坊三昧をしています



生まれて一ヶ月目、誰かに会わなきゃいけない使命感に燃え

それを探してさ迷いそしてたどり着いた。

空腹と衰弱で、もう駄目かと思っていた時サマンサ♪母たんが

僕たんを見つけてくれた



サマンサ♪母たんに会えたよ七宝兄たん

そう....僕たんはサマンサ♪母たんに逢う為に帰って来た七宝兄たんの生まれ変わり

虹の国の予定では僕たんの生まれ変わりはまだずっと先の事のはずだった.....




去年3月のある日”僕”は想定外の事態に陥り

虹の橋を渡り虹の国(猫の天国)に来てしまった



僕は闘病中の病院のベットで夢を見ながら、つい綺麗な虹の橋に足を乗せちゃった。

しかし「しまった~この橋は渡ってはいけないんだ!また逝っては行けないんだ!」と、

慌てて戻ろうとしたけど虹の橋はすでに半分消えかかっていた....。

残りの橋を引き返そうとしたその時、僕が最後に見たものは....




大好きなサマンサ♪母さんの涙。

その涙を見つめる僕を虹の国に送り込む様に虹の橋は消えた....

ああ...何と言う事だ

大好きなサマンサ♪母さんは僕の身体を抱きしめただただ悲しみに暮れた。

立派なお葬式をしてくれた後も何日も何日も泣き続けている....



僕は虹の国からそれを見て、なんとしてもサマンサ♪母さんに「もう泣かないで」と伝えたかった。

そして「必ずマサンサ♪母さんの所に帰って来るから.....」と誓った。

 



それから僕は、ずっとずっと先に生まれ変わる予定だった新しい命を無理矢理貰い慌てて走った

”まだ早い”と制止する猫の神様達の足元をくぐり抜け走った

一瞬だけ渡された虹の橋から川に飛び込みこの世界に向かって泳いだ....必死に泳いだ。

悲しみに暮れるサマンサ♪母さんの元へ....



あんまり慌てて毛の色をちょっと間違ってしまったけどさ

本当は白黒猫だったけど白グレー猫になっちゃった

でもちゃんとタキシードを来て靴下は履いたよ

真っ白なふかふか靴下。

サマンサ♪母さんに会った時”僕”だとわかるようにね



泳いで泳いで僕は、新しい命として生まれ落ちこの世界にもどった。

しかし命になった時に以前の記憶が薄れ、何故今生まれたのかさえ解らなくなった。

オマケに今に至っては、途中どんな母さん猫から生まれたのか兄弟がいたのかも、

まるで記憶が無いのです

 

 




気がつけば”僕たん”右も左も解らず細い狭い猫道にいた。

その狭い道に迷い込み空腹と衰弱で、もうこれまでかと思った....

だけど何故か最後に叫ばなければ絶対叫ばねばと使命感に燃え力を振り絞り叫んだ


ニャァー

ニャァーーー

何故かサマンサ♪母さ~ん(ニャァー)と叫んでいた。

僕たんはサマンサ♪母さんを知らない。

だけど口から出た声は「ニャァー(サマンサ♪母ーさーん)」だった。



声に出すと懐かしさが込み上げる。

とても好きだった気がする。

これは何だ?この気持ちは......

少しすると、どこからか声が聞こえる....

懐かしい声が聞こえる....

 



それは僕たんの叫び声をキャッチし偶然にも僕たんを探しにきたサマンサ♪母さんの声だった....。

何だか何かを思いだせそうな時、バラバラ....音がするバラバラ.....上から何か降ってくる.....ん?

なんだか美味しい臭いがする

こ!これは!食べ物だ~!!

恐る恐る目の前の一粒を食べた。



するとまた前方にバラバラと降ってくる.....

粒を追い掛けゆっくり進む狭い細い猫路。



ニョキ!!

不意に伸びる一本の腕。

「ウニャ~(うわぁ~)」叫びながら僕たんはガシッと掴まれ引っ張り上げられた。

びっくりしたけど、その腕の中は幸せな温もり....懐かしい....

何故懐かしい?

あ~~思い出した~これは~きっと!きっと七宝兄たんの記憶。

僕たんは思い出した。


七宝兄たんだった時の記憶。

そしてこの暖かい腕の持ち主はきっとサマンサ♪母たんだ!と確信。

きっと呼んだのだ....見つけてくれ~と、サマンサ♪母たんを呼んだのだ....

七宝兄たん恐るべし

 



こうして奇跡的にサマンサ♪母たんと巡り会い大事に大事に抱っこされ

七宝兄たん大好きだった家に連れて帰られた。

 



僕たんは安心して....お腹空いて....意識が....

懐かしい匂いがする暖かい腕の中、包まれた服の中で暫く眠った

 



第一話 【転生】終わり