宮崎の魚採集の記事。4回目。これが最後です。最終日釣りをしたのは小さな漁港。
河川にも近いので、メッキアジも釣れた。これはカスミアジ。カスミアジは胸鰭が黄色く、尾鰭後縁が黒いなどの点で他のメッキさんたちと区別しやすいといえる。メッキアジは関東方面の呼び名だろうか。現地では「えば」と呼んでいた。四国でもこの名で呼ばれたりする。
こちらはギンガメアジ。私が釣った「メッキ」はこの2種類だけであったが、一緒に釣りをしていた方はロウニンアジを釣っていてうらやましかった。このくらいの大きさになると、ロウニンアジは明らかに違うのである。なんか、体が大きくて高いというか・・・。
メッキアジたちは、河川の汽水域や、この場所のような浅い港でつれるので、子供たちの遊び釣りにはぴったりだ。この仲間も何種類かいるので、同定眼を養うにはちょうどよいターゲットかもしれない。もっとも、同定が簡単というわけではないが・・・。これらは30匹ほど釣って、みんなでから揚げやたたきにして食ったが、とても美味しかった。
アジは回遊魚だから、回ってこないと釣れない。メッキがきていない間は、マハゼが相手をしてくれる。この場所は若干泥が積もっていた。この魚は海面からその姿を見ることができた。ただこの個体はなぜかかなりやせていてちょっとかわいそう。撮影後リリースすると元気に泳いでいった。
ツムギハゼは、以前にご紹介した通り。筋肉や皮膚に毒をもつ、有名なハゼだ。このハゼの分布域は基本的に奄美大島以南であるが、ここ8年ほど、高知県や和歌山県などでも見られるようである。私はまだ釣ったことはなかったが、今回宮崎の釣りで初めて釣れた。
この魚はオキアミを眼の前にさしだすと食うのだが、引っ掛けても、触っても、まったく動こうとしない。自分には毒があるから、そんなにあわてなくても、大丈夫ということなのだろうか。
第1背鰭の棘がやや伸びるのと、体側から尾柄部にかけて大きな黒色斑が3つならんでいるのが特徴だ。スジハゼの仲間にも似ているが、スジハゼは体側に縦帯が数本あるが本種にはない。
先ほどのように基本熱帯域のハゼである。この種類も黒潮に乗ってやってきたのか、あるいは繁殖した個体が見られるのか。いずれにせよ南国宮崎の気候が、この熱帯ハゼの生息を可能にしたのかもしれない。この魚とマハゼが餌を奪い合うようなシーンは、なかなか見られない。
ツムギハゼとならびもう1種、初めて釣ったのがゴマフエダイ。これも熱帯域に多い魚で、幼魚は和歌山など、南日本の太平洋側ならかなり広い範囲に生息する種類。写真ではわかりにくいのだが、各鰭が鮮やかな赤色にそまり、とても美しい。基本的に単独でいるかと思いきや、複数で群れていた。しかし、釣れたのはこれ1匹だった。この場所ではほかにクロホシフエダイやオキフエダイなどの姿もあった。思ったより塩分が低めなのかもしれない。降り続いた雨の影響もあるだろうか。
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