やはり意外と異体類は最近需要があるようです。連続異体類特集2回目はカレイ科のアカガレイ。
アカガレイはやや北方にすむカレイの仲間の普通種。とはいっても、主に水深数100mの海域に生息しているので、堤防からの投げ釣りでは出会うことがほとんどないといえる。有眼側は褐色で、無眼側もやや赤みを帯びた色彩が特徴的。釣りではお目にかかることがほとんどないといっても、底曳網などで漁獲されており、スーパーでもよく並ぶのえ、出会う機会は少なくないといえよう。
ソウハチ
アカガレイ属は北太平洋と北大西洋に生息する種で、5種が知られており、うち4種が日本に産する。といってもウマガレイ(北海道日本海岸とオホーツク海に分布)とドロガレイ(北海道、新潟県)はあまり見られず、多くはアカガレイとソウハチであろう。
アカガレイの頭部
ソウハチの頭部
ソウハチはアカガレイと有眼側の上眼の位置が異なる。上眼が頭部背縁にあるのがソウハチ、背縁にないのがアカガレイという。言葉では説明しにくいこともあるので、写真を見て頂くのが早いであろう。背鰭の起部の位置はソウハチが上眼の後方付近、アカガレイは上眼の前半部付近にある。
背鰭や臀鰭の軟条数もやや異なり、ソウハチは背鰭64-79軟条、アカガレイは75-95軟条となっている。臀鰭軟条数はソウハチ45-61軟条、アカガレイでは58-72軟条。側線鱗数も差があり、ソウハチでは70-86、アカガレイは87-98である。
アカガレイは上・下顎歯のうち前方が大きいことにより、上・下顎歯の前方のものは大きくなるということはないウマガレイやドロガレイと見分けられる。これらの種の背鰭や臀鰭軟条数はアカガレイと数値が被っている。今回は残念ながらこの2種のカレイを紹介することはできないのだが、いつかは出会いたい種である。
ソウハチもアカガレイも重要な食用種。肉は刺身でも焼いても揚げても煮ても美味しいが、卵を持っている「子持ち」ならば煮つけに限る。小さい個体は唐揚げも美味しい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます