ワヌケフウリュウウオはアンコウ目アカグツ科フウリュウウオ属の魚で、深海底曳網ではそこそこ見られる魚である。しかし私にとっては12年ぶりにお目にかかる魚である。一見オタマジャクシから変態したカエルのようにも見えるが、れっきとした魚で、水深740m以浅の深海に生息している。
ワヌケフウリュウウオは背面にリング状の模様があるためコワヌケフウリュウウオによく似ているが、コワヌケフウリュウウオは腹鰭と肛門の間に骨質の瘤状物が密にあるのに対し、このワヌケフウリュウウオではないかあってもまばらであることにより見分けられる。ワヌケフウリュウウオは高知沖の個体、対馬の個体、日向灘の個体と過去に何回か見ているのだが、コワヌケフウリュウウオは1回しかみていない。コワヌケフウリュウウオよりもワヌケフウリュウウオのほうが多いのだろうと思われる。なおサイズ的にはコワヌケフウリュウウオのほうがワヌケフウリュウウオよりも大きくなるようだ。
アカグツ科の魚はアンコウ目の魚だが、あまり食べられていない。食べられるところが少ないからだろうか。ワヌケフウリュウウオはさらに「小さい」というのも理由に加わるのではないかと思われる。全長9cmほどで、写真のように食せる場所が少ないのだ。しかし小さいが揚げて食べればそこそこ美味しい。今回の個体は日向灘の産で「深海魚ハンター」さんに送っていただいたもの。ありがとうございます。
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