建築設計者の日々是好日

建築家として感謝をもって生きる日々の記録

都市計画的見地からの法規制と文化としてのまちなみ

2014年07月30日 | Weblog
少し専門的な話をしたいと思います
先日、幹線道路に面した土地をお持ちの方からご質問を受けました
「道路の南側の土地と北側の土地の評価額は同じだが北側の土地は日影規制で有効に使えない。これは不公平では?」
というものでした

近隣商業など路線20mで指定されている地域で、日影規制が道路の南北ともに測定水平面GL+6.5mで同じという場所もありますがおかしな話で不公平ですね
また、以前はGL+4.0mだったのですから整合性がとれません(イデアのある場所は以前は4mでしたが今は6.5mです)
こんなことでは社会における法の公共性、信頼性、継続性を失わせることになりますね

また、都市計画的法規制はそのときの経済活動の事情で判断されるべきではないと考えています
マンション建設を念頭に繰り返される容積率緩和措置、天空率、総合設計制度などは一般の方にはとてもわかりにくい法体系です
法は誰もが直感的にわかりやくすく、公平なものでなければいけないもののはずです
ドイツやイタリアなど欧米の街々を見るにつけ、何世代にも渡り守られるべき分かりやすいデザインコードを決めるような法体系にする必要があると強く感じます

合わせて相続税を始め土地を経済的価値のみで課税する税法も、まちの姿をどうするのかということと連携して見直されなくてはなりません
まちは長い歴史の中でひとびとに育まれてきた文化そのものです

京都の世界遺産は17の寺社仏閣など「古都京都の文化財」が指定されていますが、世界の古都のように「街並」そのものが指定された訳ではありません
世界遺産であるべきだった「京都の街並」の惨状を見ると日本人として恥ずかしい気持ちになります
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