前回から
2005年08月下旬
今までのおさらい、と言う事で私の告訴状(完成)の中身をサンプルとしてお見せいたします。
告訴状
平成00年00月00日
司法警察員○○○労働基準監督署労働基準監督官殿
告訴人 (直筆で書いて印を押す) 印
告訴人住所 〒000-0000 ○○県○○市○○区○○0-00-00-000
(電話)000-000-0000
被告訴人 株式会社○○○○○○
被告訴人 同代表者代表取締役兼日本における代表者 O(フルネームで書く) 00歳
(本社)○○国○○州○○市○○・○○○○○○・○○○○00番
(支社)〒000-0000 ○○県○○市○○区○○0-00-00
(電話)000-000-0000
告訴の趣旨
被告訴人は下記の犯罪を犯し、犯状悪質ですので、厳罰に処することを求め告訴致します。
告訴事実
- 被告訴人は、告訴人に対し賃金未払い(労働基準法第24条違反)を行いました。
- 給料は毎月末日締。翌月25日支払いです。
- 給料の支払方法は手渡しです。
- 告訴人の時給は1,000円で一日7時間労働です。
- 告訴人の休みは土日祝日です。
- 平成16年11月分は、同年11月1日から同月30日までの間に17営業日仕事をしたので給料は119,000円ですが、給料の所定支払期日の平成16年12月25日に給料は支払われませんでした。なお、その給料は未だ全く支払われておりません。
- 平成16年12月分は、同年12月1日から同月31日までの間に7営業日仕事をしたので給料は49,000円ですが、給料の所定支払期日の平成17年1月25日に給料は支払われませんでした。なおその給料は未だ全く支払われておりません。
告訴に至る経緯
- 告訴人は○○県○○市○○区○○0-00-00にある株式会社○○○○○○の従業員です。被告訴人は○○県○○市○○区○○0-00-00にある株式会社○○○○○○及びその代表取締役社長です。
- 告訴人は平成15年9月17日頃に被告訴人の会社へ入社しました。会社名は当初"有限会社○○○○○○"でしたが、平成15年10月か11月頃に「後々社名を変更し株式会社にする、会社名は株式会社○○○○○○だ」と被告訴人のOに言われました。雇用契約書は作成してもらえませんでした。給料は毎月末日締の翌月25日払いと言われました。給料は手渡しだと言われました。給与明細書上は平成15年10月分以後「xxx xxxx」と記載されるようになりました。なお、「有限会社○○○○○○」「株式会社○○○○○○」ともに、代表取締役はOです。
- 最初の給料の遅れは平成16年1月分で平成16年2月27日に支払われました。2日遅れた理由は上司のSさん(会社では会計や経理、事務を担当)から「バタバタしていたから」と言われました。
- 平成16年5月分は平成16年6月29日、平成16年6月分は平成16年7月26日と平成16年7月27日に半額ずつ、平成16年7月分は平成16年8月26日、平成16年8月分は平成16年9月27日、平成16年9月分は平成16年10月27日にそれぞれ支払われましたが、1日や2日の遅れは当たり前になっていきました。
- 平成16年10月分は平成16年11月25日に「支払が遅れる」と言われたので、告訴人は上司のSさんに「給料を支払われるまでお休みを頂きます」と言って、平成16年11月26日から平成16年12月14日まで告訴人はボイコットしました。平成16年12月7日に一部100,000円が銀行振込で支払われ、平成17年5月25日に残りの35,810円が支払われました。
- 告訴人は「給料の遅れを止めてください」と毎月のように何度も懇願しましたが、上司のSさんや被告訴人のOは聞き入れませんでした。
- 平成16年12月9日、ファミリーレストランで告訴人と上司のSさんと共同経営者のFさんで話し合いをしましたがものわかれになりました。話し合いの中で給料の遅れについては「銀行に当座口座を作り、そこからお金を借りて給料を捻出しようとしているのだが、銀行の手続きが遅れているため」と言われました。
- 平成16年12月14日、会社で告訴人と被告訴人のOで直接話し合いをし、被告訴人のOは「平成16年12月24日に、平成16年10月分の不足分(35,810円)と同年11月分の給料の支払い」を確約しました。
- 平成16年12月24日、お正月休みの用意の為、告訴人は会社にあった私物を家に持って帰りました。
- 平成16年12月25日、給料は支払われず、平成16年12月14日の確約が守られなかったので告訴人は再びボイコットの旨を上司のSさんに通知してボイコットし、現在までに至ります。
- 平成16年12月31日、督促のため告訴人は会社に行くと従業員のTさんがいて「被告訴人のOや上司のSさんらは神社にお参りに行っていて2、3日戻らない」と門前払いを受けました。
- 平成17年1月中、告訴人は1週間おきに会社に電話しました。「来週中には支払いをする」とか「平成16年10月分の不足分、同年11月分と12月分を今月末までに支払う」と言われましたが、結局支払いはありませんでした。
- 平成17年2月8日、源泉徴収表を書いてもらうためと平成16年11月分、平成16年12月分の各給与明細表をもらうために告訴人は会社に行きました。源泉徴収表の計算に誤りがあると同伴していた人に指摘されたのと、給与明細表は出勤日数に誤りがあるので、告訴人はどちらも受け取りませんでした。
- 平成17年2月9日、告訴人は会社に行き、源泉徴収表と給与明細表を再びもらいにいきました。源泉徴収表は受け取りましたが、給与明細表は明らかに出勤日数の誤りがあったので受け取りませんでした。上司のSさんは後日郵送すると確約しました。また「平成16年10月分の不足分、同年11月分と12月分の給料の支払いはいつになるのか分からない」と言われました。
- 平成17年4月18日、告訴人は会社に行きました。「未払の給料について半年経とうとしているのですが、どうなっているのですか」と聞くと「バタバタしていたので」と言われました。また「一応、給料は5月28日に振り込ませていただく予定です。労働基準監督署の担当の人には言ってあります」とも言われました。ただ、後で調べると5月28日は土曜日のため、銀行の業務はお休みだから日付がおかしいと思いました。
- 平成17年4月2日、会社に連絡しても前回と同じような回答でした。
- 平成17年4月18日、5月28日と言う日付はこちらの勘違いで、5月25日だと訂正されました。
- 平成17年5月2日、約束を何度も破られ途方に暮れた告訴人は○○簡易裁判所で民事訴訟を起こしました。事件名は「給料支払請求事件」、事件番号は「平成00年(○)第000号」です。
- 平成17年5月25日、会社から告訴人へ連絡がありました。「給料の一部を入金した。残りは6月10日に支払う」と言われました。通帳を確認してみると35,810円入金されていました。
- 平成17年5月27日、告訴人は同年5月25日の給料の一部支払を受けたため○○簡易裁判所へ「請求の減縮申立書」を提出しました。
- 平成17年6月6日、○○簡易裁判所法廷内で「第1回口頭弁論」が審理されました。被告訴人(被告)が出頭しなかったため、即座に裁判長から告訴人(原告)へ判決を言い渡されました。
- 平成17年6月8日、会社へ連絡して給料の172,190円(平成16年10月分の所得税法定控除分4,190円を含む)を請求したところ、「6月13日に支払う」と言われました。
- 平成17年6月13日、給料が振り込まれていないため会社へ連絡すると、「別件での裁判での決着のため遅れる。6月17日に支払う」と言われました。
- 平成17年6月16日、念のために会社へ連絡すると「明日は必ず支払う」と言われました。また「第一回口頭弁論調書(判決)」が○○簡易裁判所から送達されました。
- 平成17年6月17日、給料が振り込まれていないため会社へ連絡すると、「銀行の手続きが間に合わなかった。6月20日に支払う」と言われました。
- 平成17年6月21日、給料が振り込まれていないため会社へ連絡すると、「6月25日に支払う」と言われました。
- 平成17年6月24日、このままダラダラと引き延ばされても困るので、もう一度ファミリーレストランで上司のSさんと話し合いをする事にしました。Sさんは告訴人の給料の残額について、第1回口頭弁論で172,190円(平成16年10月分の所得税法定控除分4,190円を含む)と判決が言い渡されたにもかかわらず132,000円や140,000円と勝手に判決を覆すような減額の主張をしました。給料支払期日を聞くと6月25日と言ったり6月27日と言ったりとかなり曖昧な回答で、信憑性は低いと思いました。
- 平成17年7月1日、被告訴人(被告)が上告をしなかったため、「第一回口頭弁論(判決)」が確定しました。
- 平成17年7月4日、○○○税務署に行き源泉徴収票や給与明細書を見せて「どれだけ税金を納めてよいのか分からないので教えて欲しい」と問うと、「この源泉徴収票や給与明細書の計算は既に間違いがあるので分からない。会社に行き"平成16年度と平成17年度の源泉徴収簿"を取得して来てください」と言われました。告訴人は源泉徴収票の間違いについて、ここで初めて気づきました。会社に行って源泉徴収簿を請求しました。すると、たまたま会社に被告訴人のOがいたので給料も請求すると「自分はさっき会社に戻って来たばかりでこんな事になっているとは全然知らなかった。給料は7月10日に支払う」と約束しました。しかし、7月10日は日曜日で銀行の業務はお休みだと思ったので、この話の信憑性は低いと思いました。
- 平成17年7月10日、会社の近くを通っていると上司のSさんとたまたま遭いました。給料の振込は7月25日になると聞きました。源泉徴収簿は作成中だと言われました。
- 平成17年7月22日、会社へ電話をかけました。25日には本当に支払うのかと問うと上司のSさんが「可能性は高くはないがなんとかする」と言われました。
- 平成17年7月25日、給料が振り込まれていないので会社へ電話をかけると上司のSさんが「ウチも7月27日に山口で裁判があって、それによって振込日が決まるので後に連絡する」と言われました
- 平成17年8月6日、給料の振り込まれる様子はいっこうに無いので電話をかけると上司のSさんが「給料は8月25日に振り込む」と言われました。告訴人は「一切待つつもりは無い」との旨を改めて伝えました。
- 平成17年8月15日、会社へ電話すると上司のSさんが「源泉徴収簿が出来た」と言われました。告訴人は郵送してもらうように言いました。給料について尋ねると上司のSさんは「給料支払いは8月25日に支払いをするよう調整している」と言われました。税務署の人から「源泉徴収簿に基づいて給与明細や源泉徴収票を作る」と以前聞かされていたので、告訴人は今頃になってから「出来る」のはおかしいと思いました。また「振り込む/支払う」のと「調整している」とでは言葉の意味が違うので、本当に給料を支払う気があるのだろうかと告訴人は疑問に感じました。
- 平成17年8月25日、給料は支払われませんでした。源泉徴収簿(平成16年度と平成17年度)も給与明細書(平成16年11月分と同年12月分)も未だ送られてきていません。同日午後5時15分に上司のSさんから連絡を受けました。なぜ給料を支払わないのかと問うと「色々と手は尽くしているのだが今は無理だ」とか「法律は法律、ウチ(会社)はウチで別途として考えて欲しい。また月曜日(平成17年8月29日)にでも連絡するから」とまるで"会社は治外法権だ"のような事を言われました。告訴人は司法や行政、また告訴人の生活そのものを無視するような態度や言動に怒りを感じました。告訴人は「給料支払期日を(会社が)一方的に延ばして、その給料支払期日が来たら"来週"や"翌月"に(会社が)給料支払期日を一方的に延ばすという事を繰り返す事を止め、また、"給料を支払う"という言葉をまるで免罪符にするような言動も止め、直ちに残りの給料を支払いなさい」と強く言いました。
上記の通り、全く誠意のある態度が見られないので、会社及び会社の代表者を被告訴人として告訴します。
証拠
一.給与明細表 (写し)
二.告訴人の普通預金通帳 (写し)
三.源泉徴収票 (写し)
四.第1回口頭弁論調書(判決) (写し)
五."有限会社○○○○○○"の商業登記簿謄本 (写し)
六."株式会社○○○○○○"の商業登記簿謄本 (写し)
七.告訴人が平成16年10月分、11月分、12月分の出勤日に○印をしたカレンダー (写し)
告訴状を書くときの注意点
- 「どんなスタイルでも構わない」と言われたのですが、私はイロイロ調べて一番オーソドックスな書き方(上記)にしました。
- 何度も書き直しが出来るように「パソコン」や「ワープロ」を使用すると良いカモ。本当は全て直筆でもOKですし、どんなサイズの紙でもOKです(かといってA2とかポスターサイズだと持っていくのが大変・・・A4サイズが無難です)。
- パソコンやワープロを使った場合は、一番最初の自分の名前だけ空欄にしておいて、後で必ず直筆(ボールペンか万年筆で)で書くようにします。印も押します(シャチハタは×)。
- 告訴したい会社や人物を予め自分で出来る限り調べておいて書きます。私の場合は会社の商業登記簿謄本を取得したり、会社の代表者の住民票を取得したりしました。窃盗等で容疑者が分からない場合「不明」と書く事もあるそうです。
- 「告訴の趣旨」では"結局何をしてもらいたいのか"を書きます。告訴状の場合、ほとんどこの文面でOK。要するに「悪い奴なんで罰して欲しい」と自分(告訴人)の意思表示をします。
- 「告訴事実」では被告訴人が何を犯したのか、告訴人はどういう環境でどういう被害にあったのかを簡潔にまとめます。
- 「告訴に至る経緯」では"どうして告訴したくなったのか"という動機や起こった出来事を日記のように(時系列順で)書いていきます。日記と違うところは「なるべく事実だけを簡潔に分かりやすく正確に書く」「直接関係ない事は書かない」という感じです。
- 私は日記やメモを日頃からちょくちょく取っておいたので、日付をほぼ全域に書く事が出来たのですが、"そんなんイチイチ覚えてない"とか"昔の事なので正確な日付を忘れてしまった"場合は「いついつ頃」という風に書いても良いです(少し信憑性が低くなりますが・・・)。