遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

グローバル化は教育から

2013-03-20 23:45:24 | たわごと
今日は朝にちょいと実験をしてから1000M泳。南風が入って暖かな春分の日とあって、市営プールのスイマーはいつもより多めでした。僕は調子が悪くて800Mを越えたあたりからえらいしんどかったですよ。
福島第一原発のネズミ停電とか韓国のITクラッシュとかキプロスの銀行危機とか、全容が分かってこれからどうなりそうかみえてくるのは、もうちょっとかかりそうですね。それはそうと、キプロスの銀行預金課税法案は賛成0で否決ですよ。これには笑いました。どんな法案やねん! 賛成者が居ない法案が議会に提出されるのっておかしいダロ!! そんなにプーチンが怖いんかっ。(笑)

教育のグローバル化に関する長めの記事を二つ。

日本の「グローバル化」は進むか (The Wall Street Journal)
ウォール・ストリート・ジャーナルが18日に西村康稔内閣府副大臣を招いて開いたトークイベント「アベノミクスの勝算」での記事です。彼は講演の中でグローバル人材を育成する持論を展開しました。日本から海外への留学者数について、1980年代後半から増加し始め、2004年のピーク時には年間8万3000人に達した。その後は減少に転じ、2010年は5万8000人となった。この傾向を反転させると。まず「大学生は希望すれば全員留学できるようにする」と同時に「外国人研究者の受け入れも増やすことで切磋琢磨してもらう」との考えだそうな。クリックしたら記事中に動画もあるので、興味のある方はどうぞ。

日本の「大学卒」の価値は暴落する 日本とインターナショナルスクールの教育はここが違う(東洋経済オンライン) - goo ニュース
この記事はかなりの長文です。しかも、あんましポジティブな展開じゃない。まず、冒頭に『日本人はどうやって日本人になるのだろうか? そんな誰もが意識したことがないことを、グローバル化という視点でとらえていくとどうなるだろうか? 21世紀のグローバル化が私たちに突きつけている問題は、国際標準語(英語)を話す国際人になることではない。日本人という確固たるアイデンティティを持って、世界を舞台に活躍できる人材になることだ。しかし残念ながら、日本で日本人の両親から生まれ、日本の教育を受けて育つと、真の日本人にならない。』と、パンチを繰り出してくれます。そう、英語教育を云々してる時点で負けなのです。出来てあたり前。それが大前提。簡単にいうと、学校をインターナショナルスクール化していかないと、次世代の自国民を育てられないそうだ。まあそうだな。
昔は「大検」(大学入学資格検定:現在は「高等学校卒業程度認定試験」)に合格しなければ日本の大学(上智大国際教養、ICUは例外)には進学できなかった。しかし、最近はインターナショナルスクール卒の生徒を受け入れる大学も増えたそうです。まあ、日本の大学に固執すればそういう困難はあるのかもしれませんが、子共をインターナショナルスクールへ通わせたのに世界的評価の低い日本の大学にわざわざこだわる必要が将来あるのかな?

記事中、インターナショナルスクールに通うある有名な学生さんが紹介されています。女子スキージャンプの世界チャンピオン高梨沙羅選手。グレース・マウンテン・インターナショナルスクール(北海道・旭川)に通っているそうだ。スキーシーズンは世界を転戦し、すごすぎる戦績を収めている彼女は、昨年の夏に「高卒認定試験」を受け今年合格した。インターナショナルスクールのハイスクール1年生で合格する例はまれだそうだから、高梨選手は本モノのスーパー女子高生だ。天は二物を与えるのである。もう日本は、そういう人を育てる時代に入っているのだ。

日本だけでなく米国でも大学の数が多すぎて、単なる『学位授与センター』に成り下がっているんですが、アメリカの一流大学ではオンラインで授業を公開しています。ハーバード大学、MIT、スタンフォード大学などは、全世界の若者に向けてトップレベルの授業を無料で流して、開発途上国にいる若者や大学に行くことができない貧しい若者に高等教育を提供してる。教育による国際貢献は表向きの理由。オンライン授業で宿題や課題を出し、それを集めれば全世界にいる優秀な学生を選別できる。そうして、彼らに奨学金を出して入学させれば、世界中からトップの人材を集められる。そんな中、日本の大学は・・・なーんも出来てない。O大の醗酵工学科では先見の明のある教授達が『生物工学国際交流センター』を作って、1978年から一生懸命アジアの留学生を集めて教育してるんだけどね・・・目的はどっちかというとO大のためというよりアジアの生物工学のためって感じです。がんばって欲しい。

戦後、大学はがんばって受験勉強して行くべきところだった。行けない人も多かった。それがいつの間にか行くのが『普通』になって、理系なら院の修士課程を出てないとあかんようになった。そして、大学は余り、子供は減り、定員を満たせなくなった。この展開はずいぶん前からわかっていたことで、グローバル化に対応した秋田の国際教養大学はそこら辺の国立大学よりも高く評価されるようになっている。解は出ている。後は実行に移せるかどうかだけ。

僕は大学に悲観していません。行きたい人が行き、その人が学びたいものを学ぶのが、本来の大学で、就職に有利とかどうとかはおまけなのです。昭和の時代の大学が過大に評価されていたのです。僕はじぶんが教えるべきと思うことを教えるだけです。それは僕が面白いと思って学んだことなので、面白いと思ってくれる人がきっといるはず・・・いるといいなぁ・・・面白いよ、ね?

今日のお酒の立山は出羽燦々という山形のお米で醸された純米吟醸です。しかも生酛。精白歩合は麹で56%、掛米58%。少し、独特の旨味が口に残ります。生酛らしい有機酸の構成なのでしょう。ちょっとドライすぎるのかなぁ・・・。たまには少し甘く造ってもいいんじゃない?

本日のお酒:KIRIN 一番搾り STOUT + 立山 生酛純米吟醸 
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