「筆休め」を一旦やめて、ライフデザインに関連する書籍をご紹介します。
転職を考えている方は、一読を!!!!!
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書籍名:「いつでも転職できる」を武器にする
出版社:KADOKAWA
著者:松本利明(人事・戦略コンサルタント)
転職活動は、自分自身を営業する場である。
転職希望先が望んでいることは何か?
例えば、営業職の場合、営業としての売上実績、顧客リスト、リーダーシップ、部下の育成能力、・・・・相手のニーズを予想する。営業としての自分の強み・価値は?販売実績、優良顧客リスト、体得した営業手法・・・・営業としての自分の強みを整理し、表現できるか。
転職に際して、自分の強みとして育成すべき点は何か、それをこの本は教えてくれる。
ちなみに、章立ては以下のとおり。
1 「日本の転職」の前提が全て変わってしまった
2 自分軸にあった市場を見極める
3 自分軸で売れるキャラを確立する
4 自分軸で市場価値をつくれるようになる
5 自分軸で強くなるー転職しない時にやり続けること
6 永久保存版 自分軸で活躍する判断基準を身に付ける
著者は、PWCやアクセンチュアなど外資系コンサル会社でプリンシパルであった松本利明氏。
30年近く、外資系企業で働いてきて、今も外資系企業を顧客としている私にはうなずける点が多い内容。
日本企業に勤めている方には、ちょっとしたカルチャーショック、言葉を変えれば良い刺激になるはずだ。
<帯も含めて、写真に>
私の最初の転職先は、Quantumという米国ハードディスク(HDDメーカー)の日本支社(入社時私も含めて5名)。
日本の社長、人事部長と面接の後、米国本社で面接。一人50分ずつ、12人と2日間面接。
いろいろな切り口から、質問された。もちろん準備はしていたが。
3日目にOKが出たらしく、研究所・工場の見学となった。
当時、同社は、まだ会社が小さかったこともあり、関係者全員が面接するというルールがあったとのこと。
また、同社の顧客、Appleのスティーブ・ジョブズも同じ方針で、彼の影響があったと思われる。
これが、私の最初の転職時の面接。その後も海外での面接はあったが、12人と面接はなかった。
さて、この本を読んで「やはりそうだよね」と大きくうなずいた点は二つ。
① 事業のライフサイクルのフェーズにより活躍できる人材のタイプは異なる(自分にあったフェーズは?)
事業のライフサイクルは、導入期、成長期、安定期、衰退・再展開期と時間とともに進む。
著者によると、各フェーズで活躍できる人材のタイプは以下のとおり。
導入期:新しいことを考える人材タイプ。
成長期:走りながら、今のビジネスを太くする人材タイプ、または、海外で展開する人材タイプ
安定期:ルールや仕組みに沿って今のビジネスを太くする人材タイプ
衰退・再展開期:最適化する人材タイプ
前述のQuantumをはじめその後入社した会社は、すべてスタートアップか新規事業。安定期に入ると窮屈になって転職。確かに自分に合ったフェーズがある。
② キャリアアップではなくスライドで考える。逆張りの勧め。
例えば、公認会計士や税理士、さらにはCPAの資格を取り、PWCのような外資系企業に入る。
周りは海外の一流大学や東大、京大などのトップの大学を出て、同様な資格を持った人材ばかり。
日本のスター野球選手が、大リーガーに行き、トップチームで競争することと似ている。
人並み以上の能力を持っていたとしても、成功する(生き残れる)可能性は高くはない。皆がイチローや大谷にはなれない。
むしろ、そういう優秀な人材が来ないスタートアップ企業や中堅企業に入り、仕事の幅を増やしながら、貢献し、感謝されるという戦略の方が旨く行く。
別の例で、英語が苦手だから理系を選択したという人もいるくらい、英語ができるエンジニアは少ない。このため海外留学経験者や英語が好きなエンジニアは、ひっぱりだこで高額の給与で外資系IT企業にスカウトされている。
私が現在、携わっているビル管理業界も外資系の顧客が多く、英語のできる電気・機械・建築系のエンジニアを募集しているが、年収1500万円を提示しても応募さえない。
実際、このため私のような一旦定年を迎えたポンコツ・エンジニアが、外資系プロパティ・マネージメント会社と契約して、外資系証券会社の設備管理をサポートなどができている。しかも普通の設備管理エンジニアの2倍以上の報酬をいただいている。
どこに行けば、自分は希少価値として扱ってもらえるのかを考えるべきだ。
ライバルがいないか少ない「アウェイ」にスライドし、自分の資質や経験の中から、相手に喜んでもらえそうなことを行う。それが「逆張り」。
私の場合は、サラリーマン時代は、導入期・成長期の会社で、上司や会社の規則に束縛されずに好きなだけ仕事し、独立後は「逆張り」となる市場を選んだことになる。結果オーライだが、準備して経験を積まなければ、こうはならなかった。どこかで挫折していた。