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不平等条約から平等条約への足掛かり

2015-05-09 | 地域情報
幕末から明治時代までは、日本と外国の間に結ばれた通商・友好条約は日本側に大変不利な内容だったようですが・・例えば、外国人に日本の警察権力が及ばない・通過の交換レートが不公平・税制面で優遇される、などなど強力な軍事力を背景に経済力や技術力も大きく劣っていたので仕方がナイナー・・

ということでズルズルと米国やヨーロッパ先進諸国に有利な特権を与えざるを得ないという情けない状況があったそうです(-_-;)

そういう国際的に日本の不遇な時代、明治初期に太陽の前を金星が通り過ぎるという天体事象が日本で観察できるということが先進諸国で分り、米国・フランス・イタリヤ・ドイツなど天体観測隊を日本に送り込みました!(^^)!

受ける日本側は訳が分からないままに受け入れたのですが、当時既に技術レベルの高かったメキシコが遅ればせながら来日しました。
観測に適した地域は既にヨーロッパ諸国・米国が確保していたので、メキシコ観測隊は日本国政府と相談して、横浜の野毛山地区で観測基地を設営しました。

記念碑があるので・・表敬訪問致します・・まずはJR根岸線桜木町駅を下車、“みなとみらい21”と反対側の野毛方面に・・駅の横を左に曲がり、紅葉坂という標識が左側に、そして坂を上ります・・余談ですが横浜は坂が多く、紅葉坂の先には富士見坂があるという・・紅葉や富士山が見られるという趣がある坂が!(^^)!
  

坂の上から降ろすと、ランドマークタワーやJR線などで遮られていますが、その昔は港や海岸が真下に見られ・・風情がある景色だったでしょうねー!

坂の上に、県立青少年センターやら県立図書館が右側に・・この辺りは神奈川奉行所があったそうで、説明板と記念碑が・・

  

この奉行所跡記念碑から少々下がった所の道路沿いの植え込みの中に、メキシコ金星観測隊記念碑が建てれています!



このメキシコ観測隊の隊長だったデイアス・コバルビアス氏は、当時のメキシコ政府の高官だった人で、乏しい予算をやりくりして機材や人員を集め、来日したのです。

メキシコ調査隊は無事に調査を行うことが出来、同時に日本政府から支援のために配置された人達に、観測方法や観測機器の使用法などを指導したという!(^^)!
このコバルビアス氏は帰国後に日本旅行記という報告書を作成、メキシコ政府に提出しましたが、その内容は滞在中に見聞した日本について、誠に好意的な内容で、しかも、いずれメキシコは日本と交流を始めるべきであろう、という意見が添えらえていました。


上の写真は、記念碑のすぐ近くの丘の上にある神社の鳥居ですが、この写真とほぼ同様の写真が報告書の中に添えられています・・眼下に横浜港と海が見え、大変趣のよい景色だったそうです!

最後に結論になりますが、このコバルビアス氏の提出した報告書はメキシコ政府を動かし、10年後に日本との通商協定締結に至るのですが・・日本国として初めての外国との平等条約となったのです!


ちなみに、コバルビアス日本旅行記は神奈川県立図書館の蔵書として公開されていますので、興味のある方は是非!(^^)!