カルテ番号 あ・28 9度目(21)
巫女。
百合は、愛田恵子の言葉に落ち着いた。
自分ではわからないままで口が開く。
そういう体質なのだ。
すると、愛田恵子がとても大きな優しい女性だと感じた。
最初から、自分を包んでくれていた、と感じた。
院長も、玲香も、最初から自分を包んでくれていた事に気づいた。
自分はこの人達の仲間だと実感できたのだった。
愛田恵子は、今度は柳玲香に向かって言った。
「柳さんの社長、茂木さんね。
アタシ、少し調べさせてもらったわよ。
あの人は、アタシ達の事を薄々知っているみたいね。
その上で、センセーや柳さんと親しくなっている。
吉永さんを預けるのには、いいと思うわよ。
社会的に溶けて暮らすには、ありがたい社長よ。
当分、吉永さんと一緒にいてくれるのなら、安心だわ」
「あの~・・・」
百合が、誰に向かっていいのか迷いながら言った。
「どうしたの?」
愛田恵子の声が優しい。
「私、いつ勝手に言葉が出てしまうのか、不安です。
皆さんの前ならいいのですが、普通の場なら変でしょう?」
風間陽水が笑って言った。
「吉永さん、大丈夫ですよ。
誰彼見境なく口が開く事はありません。
必要な人の前だけです」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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