妹尾河童(せのおかっぱ)の小説『少年H』を原作とした映画を見ました。戦時中、小学生から中学生だった少年H(Hは肇のイニシャル)が体験した妹尾河童の自叙伝です。
敗戦を知らされH少年は「この戦争はいったい何だったんだ!」と叫ぶ。また校内では軍事教練で生徒たちをシゴき殴りつけた配属将校が戦後は急に丸くなり、民主主義を口にしH少年に対しても丁寧言葉で接する。あまりの身の変わりの早さに「みんな海底で揺れるワカメだ」と時代に流され、その波に我先に乗ろうとする大人たちの態度を批判する。この二つのセリフが、私には大変心に響きました。
良い映画でした。上映時間2時間以上あったと思いますが、一睡もすることなく最初から最後まで真剣に見入る作品でした。
新聞好きの小学生
自分で言うのも気恥ずかしいのですが、H少年と私の小学生時代の感性、たとえば映画の中でH少年は新聞をよく読んでいる。実は私もオマセで新聞を1面からスポーツ欄まで目を通していました。正義感と旺盛な好奇心はダブるような感じがしてなりません。鑑賞後、隣りの席で見ていた妻も同じようなことを言っていました(笑)
【写真】少年P(ポポロのP)。小学6年。
少年H〈上巻〉 (新潮文庫) | |
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