かぶれの世界(新)

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中国のUnocal買収はOK

2005-07-08 08:41:51 | 国際・政治
この1週間色々な意見を読み考えたが、CNOOCのUnocal買収はトータルで見て中国だけでなく米国も残りの世界も失うより得られるものの方が遥かに多いというのが私の結論である。Unocal買収は昨年からの中国企業のIBMPC部門やMaytag等の買収や80年代の日本企業の買収とも意味合いが異なり非常に戦略的なものである。

中国は成長を続けるために石油はどうしても必要であり、Unocalがダメなら替りを探すだけである。しかし、残るところは限られている。スポット市場からの調達と更に不足分をアフリカ、中央アジア、中南米の政情不安でいわゆる圧制国家の石油を買うしかない。結果的に石油高騰と独裁政治体制を助け延命させると非難されても共産党政権存続がかかっているので他に選択はない。

元々買収をオファーしたシェブロンは、石油ロビーの強い影響力を行使して議会に働きかけ、中国政府の後押しで買収が進められるとエネルギー安全保障上問題があると決議させることに成功した。シェブロンはエネルギー安全保障の問題に摩り替えているが、結局のところ中国に同じ石油を高く売って利益を上げる狙いに他ならない。シェブロンのUnocal買収は彼らの利鞘分だけ国際石油価格を高騰させ、中国を圧制国家に押しやることに繋がる可能性が非常に高い。

私はCNOOCのUnocalの買収は基本的に認めるべきであるが、単純な経済行為としてだけの判断にする必要はないと考える。買収が戦略的である限り両国の交渉の材料になりうる。米国は時間をかけ中国の人民元切り上げや民主主義化、知的財産などの関心事と絡めながら中国とコミュニケートし、ベストケースとしては最終的に米国民の感情的な不安(不信)を静めて買収を認めるシナリオを目指して環境を整えていくべきである。■


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