NYシラキュース市のメル友から、Facebookに登録したので見てくれとメールを3日前に受け取った。Facebookといえば最近流行のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の最大手だということは知っていたが、私には無縁のものと思いそれ以上の興味は無かった。
というのも、数年前に加入した別のSNSであるMySpaceが音楽オタクみたいな人達の集まりで、やたら持ち上げて褒めまくるメッセージが飛び交い、自分の居場所ではないと感じていたからだ。紹介してくれた人の好みが出ただけのことで、全てがどうかは分からないが。
さて、どうしようかペンディングにしていたが、ちょうど同じ時にたまたまCNNのテクノロジー欄にJ.Sutter氏の関連する記事を見つけた。今、米国の老人世代のFacebook登録が急速に増えているという行を読んで、急に興味が出てきた。老人世代は、メールや写真・動画などの個人情報を公表することに躊躇いがあるといわれてきたはずだが、この変化の背景は何だろうと。
このSNSのプロフィール登録者のうち、65歳以上の世代はまだ7%だが、その直ぐ下の世代の55歳以上の女性が、半年前に比べ何と5.5倍も増えたそうだ。普及度がある一線を越えた時、突如質の変化が起こるという。多分それだ。一方、25歳以下では同じ期間に20%増えただけという。
専門家の言によると、登録者数がクリティカルマスを越え、若者から家庭・老人世代に広がり雪だるま式に登録が増えるようになった為だという。今やFacebookは老人世代と若者世代の家庭内コミュニケーションする「居間」の役割を果たすようになったという。実際、全く会話がなかった祖父母と孫の世代間コミュニケーションが回復したという。
そういえば、招待してくれたメル友も55歳前後だから、まさにFacebookの登録者急増世代に属する。いささかSNSに引っ掛かりを持っていた私だが、CNNの記事を読んで彼女の家族とか友人の一部と見做してくれたと思い、Facebookに参加することにした。
加入手続きをして彼女の登録情報にアクセスすると、子供や友人の挨拶メッセージが続いていた。多分彼女も家族の誰かに勧められ加入したばかりなのだろう。この仲間に入るのは、突然他人の家に入るような気がしてチョット気が引ける。好奇の目で見られるような気もする。とりあえず「I’m in(加入したよ)」とだけメッセージを残した。
上記の記事を読んで、インターネットの広がりがついにここまで来たかと思った。個人的には、IT世代とそうではない世代の断絶は今後益々大きくなると悲観的だったが、SNSがこの世代間ギャップを埋めるコミュニケーションの場を提供するようになったと感じた。
いまやFacebookにプロフィールを登録した人は2億人を越え、その7割は米国以外の国の人達だという。今日のCNET newsによれば欧州でも利用者数が急増しており、例えばスペインでは1年で10倍になったという。日本のSNSは使い方が特化され普遍性がないように感じるが、実際はどうなのか良く知らない。
因みに我が家では家族内の連絡は通常のメールか電話でありSNSは利用してない。私は用件によってなるべく家族のメンバーに写しを入れてメールしているが、子供達は‘無駄に’CCを入れない傾向があり、圧倒的にpeer to peer通信が多い。■