かぶれの世界(新)

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右傾化する世界

2015-12-06 22:29:45 | 国際・政治
急増するシリア等からの難民受け入れとパリ・テロ事件やカリフォルニア州・銃乱射事件等で、欧米諸国で世論の一部が極端に右傾化し深刻な対立が起きている。フランスでは難民受け入れに反対する極右政党の支持が広がり、米国ではイスラム教徒等への人種差別発言を繰り返すトランプ大統領候補の支持が最新の世論調査で次点を大きく引き離す指示を得たとCNNが報じた。

米仏だけではない、東欧諸国(ハンガリーとポーランド等)では保守強硬派政党が政権を握り、ドイツでは盤石と言われたメルケル政権が高まる難民受け入れ反対に苦悩している。欧米の伝統的リベラルの流れをくむ各国の政権が右傾化する世論の声に直面していると12月1日のファイナンシャルタイムズ(FT)は伝えている。

当初は泡沫候補だと見られていた不動産王トランプ米大統領候補の支持率は46%、次点のテッド・クルーズ氏は15%だというから私からみると最早異常だ。私が有力候補だと思っていたジェブ・ブッシュは低支持率にあえぎギブアップ寸前だ。大雑把に言うと米国選挙民の40%が民主党支持、30%が共和党、30%が無党派だというが、ここに来てトランプ氏がヒラリー氏に勝つ予測もあるそうだ。

上記FTの記事によれば右傾化は経済不安の高まり、移民に対する反発、テロへの恐怖、そして従来型メディアの衰退の4つの要因があるという。最初の3つは理解できるが、最後の要因はポピュリストやナショナリストがSNS等の新しい手段を利用して既存メディアの影響力を抑制しているからだという。結果として、政治のポピュリズム化或いは劣化が生じている様に私は感じる。

私はそれだけ既存メディア、ひいては現政権が代表するエリート層への信頼が劣化(政治不信)していると理解する。同記事は2017年にトランプ米大統領、ルペン仏大統領、プーチン大統領がいる事態を「悪夢」と呼ぶ。しかし悪夢と言いながら、現実に彼等は少なくとも現在有利な戦いを進めていると憂慮している。

更に、ここから私流の皮肉な見方を紹介する。欧米のメディアの中には安倍首相を右傾化とか国粋主義者とか報じた記事があった。私から見ればチャンチャラ可笑しい、もっと足元を見ろと言いたい。安保法制等を「戦争法案」とか「徴兵制度の復活」とか言って反対した人達の主張を反映しているようだが非現実な妄想に近い。寧ろ欧米各国を代表する有力大統領候補の愛国的な主張に比べれば可愛いものだ。

日本と違い欧米各国の政治システムにおける政権の寿命は長い。その時々の世論調査で政策を左右されることが起こりにくいのは日本より優れる。とは言っても、何れ大統領や政権は選挙の洗礼を受ける。それが2016-2017年に起こるのだ。ロシアはさておき、極右政権の成立を欧米のメディアは夫々の信念に従って阻止すべきだと思うがどうだろうか。■
コメント
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