かぶれの世界(新)

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女性が維持する遊歩道

2023-03-13 11:27:45 | 社会・経済
先週末に何時もの遊歩道を歩いた時のことだ。早く朝食後に時間を空けず家を出たのでいつもと違う風景を見た。郷土の森公園を通り過ぎるとかつては下川原線が走る田園地帯だったが、今では介護施設や身障者施設とか職業訓練施設など大きなビルの公共施設が並ぶ。

いつもは犬を散歩させる中高年夫婦に出会うのだが、早い時間だと私には「アレッ、何してるんだろう」と気になる人達に出会った。最初に何処でも見かけるが、介護施設の前では珍しい散歩する保育園の子供達を見かけた。3人の若い女の先生に引率されていた。

少し大きめの子供たちなので「年長組?」と聞くと、若い女の先生がニコニコしながら「4月からね」との返事。私も笑いながら「なるほど、そりゃそうだね。ご苦労様」と返した。高齢者の私には若い女性と話すことは珍しいが、こういう話題なら自然に話せて気分良くなった。

信号を渡ると身障者施設の裏口から遊歩道に繋がるところで制服姿の中年女性がいた。様子を見て「見守りですか、1日中?」と聞くと、彼女は施設のドアが開いている9時過ぎまでに限って人の出入りをチェックするという。不審な人の出入りがないか見守りをしていると受け取った。

この付近の遊歩道の反対側は宅地が並ぶ。身障者らしき人達のグループが引率され散歩する姿を別の時に見かけたことがある。彼女が出入り口に繋がらる遊歩道で見守りする意味も理解できた。やっぱり「ご苦労様」というしかなかった。

そこから暫く歩くとサツキの生垣の周りのゴミを長火箸みたいなもので拾ってナイロン袋に入れている自転車の中年女性を見かけた。邪魔したくなかったので通り過ぎたが、生垣の幅が広くて反対側のゴミまで手が届かず苦労していた。思わず「ボランティアですか」と聞くと彼女は頷いた。

「僕がやりましょう」と言って長火箸を借りて反対側に落ちそうになっているゴミを拾った。ナイロン袋は沢山のゴミで膨らんでいた。どうしても取れないゴミは向こう側に落としてくれと言われ、そうした。彼女の前で偉そうに言う事は何もない。「ご苦労様です」と言って先を急いだ。

その先の交差点から最寄りの駅に向かう小路を歩きながら、私達市民の愛する散歩道は女性の無償の行為で維持されていると感謝の気持ちが湧いた。競馬場の補助で作られた背景があるのだろうが、遊歩道は日々細やかな手入れをする女性たちによって維持されていると、妙に感傷的になった。

何の証拠もないが、これって日本女性だから出来てることと思った。90年代にフランスに出張しシャンゼリゼ通りを歩いた時、広い歩道の隅にゴミがあり犬がション弁をすると聞いた。大谷がグランドに落ちたゴミを拾いポケットに入れたのを見て世界を驚かせたのに通じると思った。■
コメント
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