かぶれの世界(新)

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リコール報道の不公平

2006-07-21 11:21:19 | ニュース

先週からパロマ工業の瞬間湯沸かし器事故とトヨタRV車「ハイラックス」のリコール放置疑惑が報道されているが、テレビの扱いは公平さに欠けると私は感じる。いつもだとテレビは問題を起こした当事者から周りの人まで徹底的に痛めつける。不祥事に対する報道は弱者を執拗にいたぶるジャングルの掟と言って良い。

しかし湯沸し器に比べRV車リコール隠し疑惑の報道は甘い。既に熊本県警はトヨタの部長以下3人を業務上過失傷害容疑で書類送検したにもかかわらず、である。通常ならテレビは根掘り葉掘り調べ容疑者を断罪する報道を始める。関係者が書類送検され担当の副社長も少なくとも当時報告を受けていたのである。

事故報告はトヨタ組織の中でどのように伝達され、どういうプロセスで処理され、最終的にどの責任者が意思決定したかを解きほぐし、何処に問題があったか突き止める熱意を持って取材した形跡を感じない。初めから腰が引けているように感じる。

熊本県警が捜査に必ずしも協力的であったとは思えない世界的大企業のトヨタに対し、データを収集しトヨタ幹部3人を書類送検にまで持っていったのも大変なことであったと思われる。今日本で最も政財界に影響力を持っているトヨタが相手、経団連会長を出しているだけではない。その貢献も単なる企業活動以上のものがある。県警とトヨタの言い分を比較分析し批評するなど、報じることは幾らもあるはずだ。

大スポンサーであるトヨタに対しテレビが抑制して報道しているように私には感じる。普段は扇情的な報道をする朝のニュースバラエティや夜のニュース番組が問題を強く指摘しないのは不自然な感じがする。パロマ工業とトヨタの宣伝費に比例した報道になってないだろうか。

結局いつものように強者であるスポンサーにおもねり、弱者叩き報道をしている。延々と子殺し母親事件に時間を使い、伝えるべきことを伝えないのでは視聴者の信頼を失うことになる。■

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