かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

籔睨み2008年大統領選(8)-逆ペイリン効果

2008-10-03 16:42:43 | 国際・政治

この1ヶ月の間に米大統領選の風向きはすっかり変わった。先月ペイリン効果と題してアラスカ州知事が鮮烈なデビューを飾ったと書いたが、その後経験不足や政治家としての未熟さを露呈する発言が続き、彼女のイメージはすっかり色あせたものになっていた。

加えて、リーマン・ブラザーズ破綻をきっかけに世界を震撼させ続けている金融危機のお陰で、マケイン候補が苦手の経済に争点が移り支持率が逆転、ペイリン氏もすっかり影が薄くなっていた。彼女のデビュー時の魔術が何時まで続くか、副大統領候補間の討論で本物か分かるだろうと見られていた中、私は結構長く続くと予想した。現実はとっくにメッキは剥げ落ちていた。

その討論は日本時間で今朝10時からミズーリ州で行われ、私は後半の約40分とその後のコメンテーターの議論約30分をCNNで見た。討論を見始めてすぐ、ペイリン氏は短期間に学習してオバサンから普通の政治家になった印象を受けた。

討論はお互いに醜い個人攻撃を避け、感情的になることなく大人の政治家のやり取りで、やや物足りない内容だが、後味は悪くなかった。これでは、政治家としてダントツのキャリアを誇るバイデン氏の勝ちと思ったが、果たしてCNNが実施した直後の調査ではバイデン氏が優勢と出ていた。

ところが、同じ調査で夫々の討論の出来映えを聞くと、両候補とも80%以上が良くやったと答え、特にペイリン氏の評価は非常に高かった。共和党陣営は討論結果に満足しただろうと見られていた。この意味するところは、ペイリン氏が殆ど期待されていなかったということだ。

期待度が余りにも低かったから、バイデン氏に届かなくとも普通にやれただけで、非常に良くやったと評価されたということのようだ。専門家だけでなく視聴者も同じ印象を持ったようだ。彼女の愛らしい性格は依然好かれているようだ。ということで、討論の結果で大統領選の動向には殆ど影響がないだろうと多くのコメンテーターは述べていた。

昨日の記事「2008年大胆占い3Q見直し」の≪中風呂敷≫に書いたように、大統領選の争点が経済問題に移り、オバマ氏が俄然有利になった、投票日まで情勢変化の起こる可能性は極めて低い、と予測した。副大統領候補間のディベートはこの予測を何ら変更するものではなかった。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2008年大胆占い3Q見直し

2008-10-02 13:30:34 | 社会・経済

世界経済が年後半回復に向うのは困難と、前回見直しの最後に以下のように締めくくった。

「今年後半にサブプライム問題のトンネルの先に仄かな灯りを見出し、再び世界経済は徐々に成長の道を辿り始めるというシナリオは難しくなった。景気後退対応の為の金利引下げと流動性はインフレを招来し、為政者は又裂きにあっている。この1-2ヶ月が重要な山場になりそうだ。3Q見直しは全く違う基調になる可能性がある。」

そういいながらも秘かに予想が外れるのを期待したが、悪い予感は的中してしまった。前回見直し以来、このコーナーを更新する日が近づいてくると思う度、気が重かった。住宅価格下落が引き起こした米国発の金融不安は世界規模で連鎖し、実体経済に強烈なインパクトを与えることが鮮明になってきた。私の占いは黒三角ばかりになった。

昨年末に予想した時点では、専門家よりもかなり悲観的だったが、それも言い訳にならない。現実はそれよりも遥かに悪い状況になり、依然として先行き不透明なままである。このままレビューを終らせたいところだが、新しい状況を正しく理解するよう努めてみたい。

≪大風呂敷≫長期レンジで富の移転が「21世紀パラダイム」へのシフトを引き起こす。地殻変動の兆しはロシアを始めとする資源国と中印などの新興国だが、欧米が新しい関係を調整する為のルールをどう形作るかという視点で見ていきたいと思う。だが、世界は優勝劣敗の無法地帯、市場原理主義以外に何があるだろうか。

≪中風呂敷≫米国大統領選はこの2-3週間の間に劇的な変化が起こった。経済問題が争点のトップに急浮上し、民主党候補のオバマ氏が俄然有利になった。イラク問題がぶっ飛び、人種ファクターや宗教ファクターより、経済の建て直しが最優先になり、新大統領が直面する最大の挑戦となる。

現状では経済問題が大統領選投票日まで最優先の課題のままだろう。米国経済の重みというより、グローバリゼーションによる国境を越えた経済連結と問題を認識するべきで、デカップリングなど幻想だった。世界の指導者にとってキーワードはテロから経済に移った。

≪ハンカチ≫残念ながら日本の予測だけは修正の必要が全く無い。ポピュリズムが行き渡り、それが民意である限り、政治は益々内向きになるだろう。麻生首相が最優先は経済立て直しという現状認識は極めて正しいが、具体的な施策は的外れだ。

1.女性米大統領誕生、信用不安で成長率1%後半に失速0.7) ▼ 米国は民主党大統領候補のオバマ氏が大統領になるモードにロックインされた。金融不安と原油高騰で、既に経済停滞に入り成長率は0%台前半、実質マイナス成長に悪化する見込み。

2.Euro第2機軸通貨化、途上国が補い世界成長率3%台前半0.5) ▼ ドル安の進行は予想通りだが、これほどの急激なユーロ安は予想外だった。米国経済失速の影響が金融と実体経済にダブルパンチで効いた。ユーロ圏経済がこれほど脆弱だと途上国もカバー出来ない。

3.北京五輪後、中国経済は調整段階に入る、成長率10%台へ0.6) △ 北京五輪後の株価暴落と輸出に頼る経済は10%割れ最悪8%台の成長に低下の恐れもある。輸出不振は避けられず、国内需要がどの程度支えるかが鍵となるだろう。

4.予算成立後、解散総選挙、政権交代か政界再編両睨み0.51) ▼ 占いを立てた時点では春の予算成立後解散総選挙だったが、今は補正予算成立後の解散を議論する羽目になった。しかし争点は相変わらず年金問題や後期高齢者保険など、ネジレ解消する政界再編を期待したい。

5.日本経済は米国失速の影響を受け、成長率は1%前半0.6) ▲ 前回見直しと変わらない数少ないテーマ。米国経済後退と資源高の影響を受け経済停滞は避けられなくなってきた。最悪の場合と予想した1%を切る経済成長率が現実のものとなってきた。

6.日経平均13000円台へ低落、年後半18000円に盛り返す0.4) ▼ 米国発の金融不安により株式相場は日経平均11000円台に暴落、13000円台回復がベストケースか。

7.日本サッカー、岡田新監督も決め手不足でW杯予選苦戦0.3) ○ 予想通りというか、岡田氏の下で欧州組を召集し3次予を突破した。依然、オシム戦略の方が勝つ確率が高いと思うが、岡田氏の積極的な若手招集は期待を持たせる。

8.日本人MLB存在感増す、松坂・イチロー活躍、福留・黒田苦戦0.5) ◎ 全く予想通りとなった。唯一の予想外はレイズの岩村の活躍だ。

結局のところ、スポーツの予想だけしか丸印がつかない、実質全敗の結果になった。私の占いは、その時点でのトレンドに線を引いて、それをチョット上向きにするか下向きにするかだけだった気がする。所謂「潮の目の変化」を見極められないのは、私が会社勤めをしている時もそうだった。預言者にはとてもなれそうにない。

【注】 ( )内の数字は予測時点で的中すると思う確率、占いが当たる自信の程度■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする