去る11月5日の虎ノ門ニュースで、朝鮮半島研究家である西岡力氏が衝撃的な発言をした。韓国との歴戦で勝つためには、史実を重視する日本側の研究者が少な過ぎるというのだ。日本国内で出版された学術書の圧倒的多数は、日本を貶めて喜ぶ者たちの本なのである▼我が国は敗戦によって、有能な人材が次々と追放された。東大の史学の中心であった平泉澄のグループにしても、主要な大学で後継者を育てることはできなかった。それと比べると、あらゆる歴史の分野で左派は強固な地盤を持っている。学閥が形成されており、多数派となっている。アカデミズムがとんでもない連中に握られているために、官界やマスコミもその影響下に置かれているのである▼韓国が「慰安婦」や「戦時労働者」で世界に向けて反日情報を発信しているのは、日本国内にそれに呼応する者たちがいるからなのである。朝鮮半島研究家ばかりでなく、かつては国史といわれた日本史の世界でも、まともな論客が育っていない。一般書や通俗的な本では、それに対抗することはできないのである▼日本の歴史を正しく学ぶことを通じて、私たちは日本人であり続けることができるのだ。残念であるのは、日本史にも精通していた、政治学者の坂本多加雄があまりにも早くこの世を去ってしまったことだ。アカデミズムが歴戦の足を引っ張っている。左派に気遣うような風潮を断つには、若い世代を育てるしかないのである。
応援のクリックをお願いいたします