日中韓の首脳会談が昨日、ソウルの大統領府で行われた。安倍首相は日本の立場を一歩も譲ることがなかった。これまでのような日本外交の卑屈さはなかった。無理してこちらから手を差し出したわけではなかった。尖閣諸島への中共の軍事的な挑発、歴史問題をめぐる韓国による嫌がらせなどに対して、日本は断固として妥協を拒否してきた。約3年半ぶりの開催となったのはそのためである。また、今回の首脳会談においては、日本国内で騒ぎとなった平和安全関連法案へについて、当然のごとく中共と韓国は日本を批判することはなかった。両国とも「戦争法案」とは露ほども思っていないのである。安倍首相をファシスト呼ばわりした野党やマスコミは、この現実をどう論評するのだろう。日本はようやく国家としての体裁を整えつつある。現在の世界は力のバランスによって成り立っている。軍事力の行使は政治的目的を実現する手段として、今もなお一定の有効性がある。そんななかで日本人も生きていくしかないのだ。アメリカの東アジアでのプレゼンスを高めるために、我が国は日米同盟を強化した。それを背景にしながら、日本を敵視している中共や韓国との交渉に応じたのである。しかも、相手からアプローチがあったからだ。これをきっかけに日本は両国との対話を継続するとしても、緊張状態は続くだろう。今後も日本は、国家として身構えつつ国益を追求しなくてはならないのである。
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