心のハンドル操作方法 幸せに生きるための教習所

旧精神科医療は思想警察なのか?

プロセスレコードの嘘、自己覚知、自己一致の重要性

2016年04月18日 | 精神科看護
精神科看護、看護学生は必ず一度は
プロセスレコード、通称プロレコをやります。
コミュニケーションの特徴や、自分が大切にしている価値観について、文字起こしをして、スーパーバイザーと一緒に振り帰るという作業です。
どのようなシーンを切り取りプロレコで起こすかというと、こういうシーンが多いです。
例えば、精神科実習中、入院中患者に、『学生さんは何処に住んでるの?』
『学生さんは彼氏いるの?』
『……』沈黙が気まずい、どうしよう?
などがありますね。

結論から言うと、コミュニケーション、カウンセリングというものは、徹底的に自分の存在を、そして価値観を消さなければならない、心が死んだ状態であり、進んで相手に質問の投げかけ、相手の発する子供のような発言を受け止め吸収するところから始めます。問題の解決方法はクライアント本人が持っているのですが当然クライアントは自分と向き合う力がないから、セラピストにお金を払って解決してもらえると勘違いしている人しかおらず、単なる子供のワガママを否定も肯定もせず、お地蔵さんのように受け止めていく、感情労働だと言えます。
貴方が、EXILEが好きだとしましょう。
しかし、クライアントからEXILEが嫌いと言われ延々とEXILEについての悪口を聞かされたらどう感じるでしょうか?

普通の神経の人なら、腹が立ちます。そして嫌な感情になりますよね?
また、自分は相手の気持ちを受容できなかったと反省してしまう人がいるかもしれませんね。
プロレコでは、ここを気づく作業を文章で起こすのです。
『EXILEの悪口を言われたが、患者と学生という立場が違うため、言い返すこともできず、腹が立ったし、傷付いた』

学生レベルなら、ここで終わり。

しかし、プロレコを繰り返すと、クライアントにとってのEXILEとは、クライアント自身の家族や両親、会社など
関係が上手くいってない人のことであり、それを比喩して話していると気づくはずです。
プロレコは自己の価値観を客観視して気づくための作業、自己覚知、自己一致するために行うと言われます。
しかしながら、プロレコをしたところで、自分の価値観などには気づくことはできません。
カウンセラーとして、相手を怒らせない、相手を微温湯につけたまま、塩漬けにしてカウンセリングを続けさせるためのトレーニングだということです。
結局、カウンセリングは相手を気持ち良くさせ、お金をぼったくる、お金が動かないにしても、対人摩擦を減らして、現状維持、安定領域でいることを暗に肯定し、問題解決の先延ばしを正当化するだけだということです。
これは別に悪いことではありません。対人摩擦は減らすに越したことはないからです。

本当に良いカウンセラーとは、相手の問題に対して気づかせ、自己解決させることだと思います。
しかし、プロレコをしてもそんな力は何も身につかないし、自分を知ることもできません。

振り返った振りをするだけで、現に実習指導者やカウンセラー自身、自己解決できず、自分とは何かなどわからずもがいている人しかいないということです。

ですから、プロレコをするときは、参考書を買って、丸写しで良いと私は考えています。

プロレコは、コミュニケーションスキルを上げる、つまり建前の会話のレベルを上げるためのトレーニングなのです。
本質をついた直面化させる力は身に付きません。人間関係を円滑にするためだけのものではないかと楽に考えてもいいのかなと思います。
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