11時17分、鈴木環那女流初段-室田伊緒女流初段戦が終わった。鈴木女流初段の勝ち。室田女流初段の素敵四間飛車を、居飛車穴熊に囲ってから撃破した。懸賞金8万円(手取りはやや少なくなる)のボーナスは大きい。
本田小百合女流二段-島井咲緒里女流初段戦は、先ほどまで島井女流初段が劣勢に見えたが、いまは敵陣に食らいついている。前期の1回戦も、苦戦の将棋を穴熊流の食いつきで逆転している。本田女流二段と島井女流初段、どちらも応援しているが、やはりマイナビ女子オープンでは島井女流初段に勝ってほしい。
11時21分。松尾香織女流初段-小川詩織アマ戦は感想戦に入っている。これは松尾女流初段の勝ちであろう。小川アマとのやりとりは、指導対局で先生が生徒に教えているかのようだった。
その3分後、中村真梨花女流二段-山口真子アマ戦が終わり、中村女流二段の勝ち。これもプロ側の貫禄勝ちであろう。
11時30分。本田-島井戦の感想戦が始まっている。あれから本田女流二段がと金と二枚飛車で攻めていたから、これも本田女流二段の勝ちであろう。昨年は本戦入りの島井女流初段、初戦で姿を消す。女優を思わせる記念撮影は、今年はならなかった。
井道千尋女流初段-浅野法子アマも感想戦に入っている。これも井道女流初段の勝ちであろう。しかし堅固な井道陣の穴熊を崩していたから、浅野アマの実力も相当である。やはりチャレンジカップを勝ち抜いただけのことはあった。
短い感想戦を終え、本田女流二段と島井女流初段が席を立った。私はこのおふたりと写真に収まる権利があるのだが、それは放棄している。いざ目の前にすると、後悔がなくもないが、負けて悄然としている島井女流初段に、無理に笑顔を作ってもらって、3ショットで収まっても意味がない。記念撮影回避は冷静な判断だったと思う。
11時45分。清水市代女流王将-船戸陽子女流二段戦は、船戸女流二段もと金を作って迫っているが、いかんせん戦力不足。清水女流王将の勝勢だ。
11時46分、ひっそりと指されていた石高澄恵女流二段-熊倉紫野女流初段戦も終了。熊倉女流初段の勝ち。
11時55分。気になる藤田綾女流初段-渡部愛アマ戦は、渡部アマが端に綾をつけて、戦線を拡大している。しかし藤田女流初段の玉が広く、苦戦は否めない。
駒台を見ると、渡部アマの駒は整然と並べられている。勝敗はともかく、こうした所作は中井広恵女流六段や石橋幸緒女流四段の教えの賜物だろう。
ところで渡部アマは夏用の制服を着用していたが、ブラウスは長袖である。それを肘のあたりまでまくり上げている。ちょっと冷房が弱いのだ。もっとも、対局場の熱気もすごい。
11時58分。安食総子女流初段-新藤仁奈アマ戦は、安食女流初段の勝ち。このふたりは先の女流王将戦でも対戦し、安食女流初段が勝ち名乗りを上げたが、返り討ちにした。
反対側にとって返すと、高群佐知子女流三段-室谷早紀アマ戦は終了しており、駒も片付けられていた。時間の関係で感想戦は省略したのだろうか。これは高群女流三段の勝ちであろう。
誰かに腕をポン、と叩かれる。振り返ると将棋ペンクラブの幹事氏である。指を差すので、その先を見ると、山口恵梨子女流初段が観戦している。もう高校生でないとはいえ、可憐である。近寄りたいが、近寄りがたい。私は幹事氏に手を振り、無言の御礼だけを返しておいた。
12時10分。早水千紗女流二段-北村桂香アマ戦は、早水女流二段の優勢に見えたが、意外と時間がかかっている。
清水-船戸戦はいよいよ終局が近付いている。☖3九竜と銀を取られ、船戸女流二段、無念の投了。12時11分48秒だった。これで私のマイナビも終わった。
そのすぐあと、渡部アマも投了。12時12分38秒。本戦に進出し、そこでも大活躍すれば女流棋士への道も開けた可能性もあるが、負けては仕方ない。これに腐らず、また来年チャレンジカップからこの舞台に上がればいいのだ。
相前後して、早水-北村戦も終局。早水女流二段の勝ちであろう。
これで午前の部の、全12局が終了した。終わってみると、プロアマ戦は、プロの8戦全勝だった。男性棋界より棋力の差が接近している女流棋界だけに、この数字は意外。しかも、内容もプロが圧倒していた気がする。午後出場のアマ陣に期待したいところである。
1回戦の午後の部は、1時から開始である。昨年は昼食に出て、チェーン店のラーメンをさびしくすすった記憶があるが、今年はどこへも行けそうにない。
金曜サロンのW氏とY氏がお茶を誘ってくれるが、断った。私は人づきあいがわるいのだ。ひとりがいい。それに今度こそ、女流棋士の入場を対局場から見届けたい。
とりあえず対局場を出ると、中倉彰子女流初段に挨拶された。3児の母だというのに、瑞々しく、若々しい。そして何より、私を覚えていてくださったことに感激する。「懸賞金を…」と言おうとしたら、中倉女流初段には懸賞金を懸けていなかった。懸けたいところだが、予算が限られている。今回は見送りである。
中村桃子女流1級とすれ違った。ショッキングピンクの洋服を羽織っている。ちょっと刺激的な色だが、よく似合っている。LPSAでは、船戸陽子女流二段が辛うじて似合うか、というコーディネートである。しかし女流棋士会には、この色の服を着こなせる女流棋士がゴロゴロいる。本当に人材豊富だと思う。女流棋士会の前途は洋々である。
船戸女流二段が、LPSAの控室から出てきた。目を赤くはらしている。清水戦での完敗がこたえたのだろう。しかし、負けたらそのくらい悔しがるのが本当である。もしヘラヘラ笑っていたら、私は即、船戸女流二段のファンをやめるところだった。やめないけど。
1回戦敗退は残念だったが、まあよい。また来年、頑張ればいいのだ。
中井女流六段が来場する。私と目が合い、目礼された。しかしその表情は厳しい。すでに戦闘モードに入っているかのようだった。
(つづく)
本田小百合女流二段-島井咲緒里女流初段戦は、先ほどまで島井女流初段が劣勢に見えたが、いまは敵陣に食らいついている。前期の1回戦も、苦戦の将棋を穴熊流の食いつきで逆転している。本田女流二段と島井女流初段、どちらも応援しているが、やはりマイナビ女子オープンでは島井女流初段に勝ってほしい。
11時21分。松尾香織女流初段-小川詩織アマ戦は感想戦に入っている。これは松尾女流初段の勝ちであろう。小川アマとのやりとりは、指導対局で先生が生徒に教えているかのようだった。
その3分後、中村真梨花女流二段-山口真子アマ戦が終わり、中村女流二段の勝ち。これもプロ側の貫禄勝ちであろう。
11時30分。本田-島井戦の感想戦が始まっている。あれから本田女流二段がと金と二枚飛車で攻めていたから、これも本田女流二段の勝ちであろう。昨年は本戦入りの島井女流初段、初戦で姿を消す。女優を思わせる記念撮影は、今年はならなかった。
井道千尋女流初段-浅野法子アマも感想戦に入っている。これも井道女流初段の勝ちであろう。しかし堅固な井道陣の穴熊を崩していたから、浅野アマの実力も相当である。やはりチャレンジカップを勝ち抜いただけのことはあった。
短い感想戦を終え、本田女流二段と島井女流初段が席を立った。私はこのおふたりと写真に収まる権利があるのだが、それは放棄している。いざ目の前にすると、後悔がなくもないが、負けて悄然としている島井女流初段に、無理に笑顔を作ってもらって、3ショットで収まっても意味がない。記念撮影回避は冷静な判断だったと思う。
11時45分。清水市代女流王将-船戸陽子女流二段戦は、船戸女流二段もと金を作って迫っているが、いかんせん戦力不足。清水女流王将の勝勢だ。
11時46分、ひっそりと指されていた石高澄恵女流二段-熊倉紫野女流初段戦も終了。熊倉女流初段の勝ち。
11時55分。気になる藤田綾女流初段-渡部愛アマ戦は、渡部アマが端に綾をつけて、戦線を拡大している。しかし藤田女流初段の玉が広く、苦戦は否めない。
駒台を見ると、渡部アマの駒は整然と並べられている。勝敗はともかく、こうした所作は中井広恵女流六段や石橋幸緒女流四段の教えの賜物だろう。
ところで渡部アマは夏用の制服を着用していたが、ブラウスは長袖である。それを肘のあたりまでまくり上げている。ちょっと冷房が弱いのだ。もっとも、対局場の熱気もすごい。
11時58分。安食総子女流初段-新藤仁奈アマ戦は、安食女流初段の勝ち。このふたりは先の女流王将戦でも対戦し、安食女流初段が勝ち名乗りを上げたが、返り討ちにした。
反対側にとって返すと、高群佐知子女流三段-室谷早紀アマ戦は終了しており、駒も片付けられていた。時間の関係で感想戦は省略したのだろうか。これは高群女流三段の勝ちであろう。
誰かに腕をポン、と叩かれる。振り返ると将棋ペンクラブの幹事氏である。指を差すので、その先を見ると、山口恵梨子女流初段が観戦している。もう高校生でないとはいえ、可憐である。近寄りたいが、近寄りがたい。私は幹事氏に手を振り、無言の御礼だけを返しておいた。
12時10分。早水千紗女流二段-北村桂香アマ戦は、早水女流二段の優勢に見えたが、意外と時間がかかっている。
清水-船戸戦はいよいよ終局が近付いている。☖3九竜と銀を取られ、船戸女流二段、無念の投了。12時11分48秒だった。これで私のマイナビも終わった。
そのすぐあと、渡部アマも投了。12時12分38秒。本戦に進出し、そこでも大活躍すれば女流棋士への道も開けた可能性もあるが、負けては仕方ない。これに腐らず、また来年チャレンジカップからこの舞台に上がればいいのだ。
相前後して、早水-北村戦も終局。早水女流二段の勝ちであろう。
これで午前の部の、全12局が終了した。終わってみると、プロアマ戦は、プロの8戦全勝だった。男性棋界より棋力の差が接近している女流棋界だけに、この数字は意外。しかも、内容もプロが圧倒していた気がする。午後出場のアマ陣に期待したいところである。
1回戦の午後の部は、1時から開始である。昨年は昼食に出て、チェーン店のラーメンをさびしくすすった記憶があるが、今年はどこへも行けそうにない。
金曜サロンのW氏とY氏がお茶を誘ってくれるが、断った。私は人づきあいがわるいのだ。ひとりがいい。それに今度こそ、女流棋士の入場を対局場から見届けたい。
とりあえず対局場を出ると、中倉彰子女流初段に挨拶された。3児の母だというのに、瑞々しく、若々しい。そして何より、私を覚えていてくださったことに感激する。「懸賞金を…」と言おうとしたら、中倉女流初段には懸賞金を懸けていなかった。懸けたいところだが、予算が限られている。今回は見送りである。
中村桃子女流1級とすれ違った。ショッキングピンクの洋服を羽織っている。ちょっと刺激的な色だが、よく似合っている。LPSAでは、船戸陽子女流二段が辛うじて似合うか、というコーディネートである。しかし女流棋士会には、この色の服を着こなせる女流棋士がゴロゴロいる。本当に人材豊富だと思う。女流棋士会の前途は洋々である。
船戸女流二段が、LPSAの控室から出てきた。目を赤くはらしている。清水戦での完敗がこたえたのだろう。しかし、負けたらそのくらい悔しがるのが本当である。もしヘラヘラ笑っていたら、私は即、船戸女流二段のファンをやめるところだった。やめないけど。
1回戦敗退は残念だったが、まあよい。また来年、頑張ればいいのだ。
中井女流六段が来場する。私と目が合い、目礼された。しかしその表情は厳しい。すでに戦闘モードに入っているかのようだった。
(つづく)