一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

船戸・一公VS早水・T氏戦

2010-10-28 08:53:40 | 女流棋戦
きょう10月28日は、LPSA芝浦対局場で、初の女流公式戦が指される。すなわち、マイナビ女子オープン本戦、石橋幸緒女流四段対中倉宏美女流二段の一戦である。女流棋士会の女流棋士は芝浦に訪れないので、公式戦開催がここまで延びた。しかしまずはめでたい。
本局、ファンランキング圏外と4位の対戦である。このブログの読者は、私が「4位」の中倉女流二段を応援すると見るだろうが、これは内輪の戦いのようなところもあり、どちらが勝っても構わない。ただ、いい将棋を見せてほしいと願うのみである。
また東京・将棋会館では、女流王将戦の第2局(第3局)が行われる。こちらは清水市代女流王将対里見香奈女流名人・倉敷藤花。この一戦も注目だが、テレビ対局のためネット中継がないのがさみしい。
…といろいろ書いてきたが、上の2局はまあ、どうでもいいと言えばどうでもいい。注目すべきは、同じく将棋会館で行われる、船戸陽子女流二段と早水千紗女流二段の、女流王位戦である。これはリーグ入りの一戦という、重要な対局である。
早水女流二段は普及に熱心、文章も達者で、今年の将棋ペンクラブ大賞・観戦記部門優秀賞を獲っており、好感の持てる女流棋士である。
しかし勝負となれば話は別だ。このカードなら当然私は、船戸女流二段を応援する。
そしてもうひとつ、この将棋には別の勝負もかかっている。すなわち、大の船戸女流二段ファンを公言する私と、早水女流二段ファンのT氏との戦いである。
昨年の女流王位戦リーグでは、全員が「女流二段」だった白組で、船戸女流二段が早水女流二段に屈していた。もし本局も船戸女流二段が負けたら…T氏が「また勝たせていただきました」と、私にニヤリと語りかけてきそうである。もう、想像するだけで不愉快である。
これは船戸-早水戦と同時に、一公-T氏戦でもあるのだ。船戸女流二段にはこの勝負、絶対に勝ってもらいたい。私も仕事をしながら、同じ空の下、船戸女流二段の勝利を祈っている。
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社団戦最終日(後編)・涙の表彰式

2010-10-28 00:30:35 | 社団戦
すなわち、Wパパと私、Y監督が負け。さらにHar氏も負けていた。まだ指されている2局を残して、LPSA星組の2位転落が確定した。信じられないのはHar氏の敗戦で、相手の二歩を見落としたうえ、そのまま指し継ぎ投了してしまったというのだ。
社団戦のルールでは、相手が二歩をしても、自分が投了してしまえばそちらが優先される。こんなケースはありえないが、この大事な一戦でそれが起きてしまったのだ。これはHar氏、究極のスットコドッコイをやらかしてしまった。この将棋を勝っていれば、まだ望みはあったのだ。
残る2局、Kaz氏とIs氏の将棋はともにいい勝負に見えたが、まずIs氏が投了した。Is氏は粘り強い将棋で、社団戦でも安定した成績を残していたが、ここで力尽きた。
最後になったKaz氏は30秒将棋だったが、落ち着いて指している。優勢の将棋をそのまま押し切った。
結局、2勝5敗で終了。2勝しかできなかったのは、15戦目にして初めてだった。ところでチームが5敗したことで、Har氏の変則負けが帳消しになった。そして皮肉なことに私たち敗者組も、過重な責任から逃れることになった。
つまり3勝4敗で終わっていたら、負けた選手は「もし自分が勝っていれば優勝だったのに…」と、たいへんな後悔に苛まれるに違いなかったからだ。
となると、LPSA星組の真の敗因は、7月の社団戦2日目で、私が持将棋模様の将棋を2点差で落とし、3勝4敗で敗れたことに帰結される。やはりあの将棋は勝たなければいけなかった。
もっともほかの選手の悔しがりようも尋常でなく、堂々の準優勝(2位)で4部昇級を果たしたのに、笑顔の選手はいなかった。
「あの将棋は勝たなければいけなかった」
「あそこでああ指さなかったのが悔やまれる」
「最後の将棋はヒドかった」
と、それぞれが自虐的な言葉を口にする。1年前なら考えられなかったことで、前も書いたが、それだけチームが成長したのだ。
このまま打ち上げ式という名の反省会に繰り出したいところだったが、このあと表彰式があり、準優勝チームも参加の義務があるとのことで、一旦返したゼッケンも戻された。仕方がないから待つことになったが、これは辛い時間だった。
入れ替え戦を指しているチームを横目に、午後4時20分から、表彰式開始。1部から順番に、3位チームまで表彰される。賞状読み上げは所司和晴七段が務めた。
賞状と副賞をいただくと写真撮影に入るが、これは準優勝まで行う。ということは、私たちが最後の撮影対象チームとなるらしい。
賞状を受け取るのは、いやがるWはなちゃんにお願いした。はなちゃんは早見え早指しで、相手もつられて早指しになるものの、いつもはなちゃんの勝ちに終わっていた。最終戦も、いい大人が5敗もしたのに、はなちゃんは真っ先に勝利して、サッとその場を離れていた。この日も1不戦勝を含む3戦全勝。社団戦全体を通じても安定した戦績で、我がチームの最優秀選手であった。
「はなちゃん、みんなを代表して賞状を受けとってください」
「ええー? いやだあ」
「じゃあパパちゃんといっしょに受けとってください」
「ええー? パパとじゃいやだ。ひとりがいい」
「おお!! じゃあひとりで受けとってね」
「うん」
という具合で、はなちゃんの快諾を得た。
LPSA星組の表彰になった。はなちゃんが堂々と前に出る。ほかのチームより、明らかにいただく拍手が多かった。それも道理で、LPSA所属の女流棋士が、温かい拍手をくださったからだ。
私がLPSAの1dayトーナメントの公開対局にお邪魔し、表彰式で拍手をすると、優勝者が涙することがある。そんなに嬉しいものなのかな、と疑問を抱いていたが、いざ自分がその場に立ってみると、たとえ形だけの拍手でも、大いに感激することが分かった。
私もホロッとしてしまったが、それは嬉しさ半分、悔しさ半分だった。
あらためて記すと、LPSA星組は12勝3敗。1位とは同じ星だったが、総合勝数の差で、準優勝だった。
思えば昨年の最終戦のあと、私たちLPSA星組は打ち上げ(居酒屋)の席で、Y監督の指示のもと、今期(2009年)の反省点と、来期の抱負を述べたものだった。
それから比べれば今期の昇級は大いに誇っていいが、やはり勝負事は1位にならなければダメなのだ、と痛感した。
このあとは撮影タイムである。係の人に混じって、LPSA女流棋士の多くが撮影してくれる。いつもと立場が逆で、ちょっとはずかしい。
やがて賞状と副賞(のし袋)を持っているはなちゃんのみの撮影が始まった。スットコドッコイの将棋を指した大人は用なしなのだ。大活躍したはなちゃんに、「優勝」の賞状を持たせてあげたかった、と思う。
これで今年の社団戦は終了。私個人は大した戦績ではなかったが、今回WパパとKaz氏が新加入し、大将と3将に定着してもらったことで、私の心理的負担がかなり軽くなった。私が負けても両隣のふたりが勝つという安心感があったから、緊張の中でも伸び伸びさせた。
また、Iz氏、W氏ら、控え選手の棋力向上も大きかった。彼らが控えていてくれたからこそ、私たちは安心して将棋を指せたのだ。
またLPSAのもう1チーム、月組は4部で13位に終わった。星を計算できるWパパ氏、Kaz氏をこちらに入部させたため、月組のメンバーが手薄になってしまったからで、これは申し訳なかったと思う。
さて、LPSA星組は来期4部である。できればこの同じメンバーで来期も臨みたいが、LPSA月組は調整次第で、5部陥落の恐れもある。そうした事態も含めて、2チーム全体の再編成の可能性もある。私はたぶん来期も出場することになるのだろうが、どちらのチームに入っても、参戦したら、悔いの残らぬ、いい将棋を指したいと思っている。
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