6月30日に買った、内館牧子さんの「カネを積まれても使いたくない日本語」はまだ読んでないが、私にも使いたくない日本語がある。それは文頭から「なので」と使うアレだ。先日も藤田麻衣子さんが観戦記で「なので」を使っていたが、やや幻滅した。「なので」を単独で使う日本語などありません!
てゆーか、そもそも校正時にアカを入れられなかったのが不思議だ。まったく、日本語はよく分からない。
あれは4月だったか5月だったか、女流棋士になりたての和田あき女流3級から、6月29日(日)に東京・渋谷で行われる「女流棋士発足40周年記念パーティー」の勧誘をされた。大野教室でのことである。
しかしその参加費が15,000円と聞いて、ひっくり返った。これはちょっと出せない額である。
どうやら私には無縁の話で、貴族だけが参加すればいいと思った。
ところがW氏、Hon氏、Fuj氏はすでに申し込みを済ませており、私も申し込まねばならない雰囲気になった。私は、大野教室を数回休めば出費ぶんを賄えると判断し、しぶしぶ申し込んだ。
29日当日。私はNHK杯将棋トーナメントの予約録画を済ませ、自宅最寄駅から渋谷に降りた。改札を抜けたらSuicaの残額が777円で、これは縁起がいいと思った。
会場の「セルリアンタワー東急ホテル」はすぐに分かった。ホテルに入ると、エレベーターの前に、森内俊之竜王の姿があった。きょうは女流棋士のほかに、羽生善治名人を始め、錚々たる棋士が登場する。早くもビッグイベントの予感がした。
エスカレーターで地下2階に降りると、長蛇の列が見え、その中にTag氏の姿があった。これは受付のために並んでいるのだろうか。
ボールルーム前はすごい人出でごった返していた。これはマジで、きょうは大変なイベントなのだと再認識した。
近くにHon氏がいたので、声を掛ける。彼はジョナ研で着ていそうなラフな格好で、これでいいなら私もそうすべきだった。私は着なれぬスーツ姿である。
将棋ペンクラブの三上幹事がいたので挨拶。そのまま3人で受付の列に並ぶ。改めて、すごい長さだ。退屈しのぎに、先日の北海道旅行や「なんでも鑑定団」の話をしていると、Hon氏がアレッ、と言った。私の横を羽生名人が通ったらしい。全然気付かなかった。
受付を済ませるが、入口前もものすごい人込みである。花輪も数基届いている。北尾まどか女流二段が通ったので、目礼した。
W氏、Kun氏、Fuj氏、Sak氏の姿も見つけ、これで知り合いの数は揃った。係の人に促され、私はボールルームに入る。
中は想像以上の広さで、数百人が軽く収容できそうだった。よくは分からぬが、ホテル内で最大級のバンケットだったのではあるまいか。
私は室内の後方に陣取る。入場の際にほかのメンバーとはぐれてしまったが、自分から探しに行くのも面倒なので、今回はこの周辺で過ごそうと思った。
和田女流3級が通る。きょうは着物姿でおめかしして、かわいらしかった。
定刻を5分遅れの12時05分、いよいよ女流棋士発足40周年記念パーティーが開幕した。
まずは矢内理絵子女流棋士会会長の式辞。
「……きょうはポラロイドカメラを持った女流棋士が場内を歩きますので、皆さまどんどん写真を撮ってください」
場内が苦笑いに包まれる。この理由を説明すると、棋士とのツーショット写真が1枚1,000円するからである。ちなみにそれ以外の写真・ビデオ撮影は一切禁止。まあここで撮影を可にしたら、場内は「女流棋士撮影会」になってしまう。
それにしたって1枚1,000円はけっこうな額だ。貧乏な私には縁のない話であるが、もしものときに備え、懐に軍資金を用意していた自分が情けなかった。
なお矢内女流棋士棋士会長からは、今夏発売の「女流棋士名鑑2014」も紹介された。会場でも販売するらしいので、機会があれば買おうと思う。
次に本日参加の女流棋士の紹介である。全員がステージに上がる。さすがに艶やかだ。
司会進行は島田良夫アナウンサー。島田アナはテレビ東京「早指し将棋選手権戦」の司会でお馴染みである。その島田アナから、きょう欠席の女流棋士が発表された。里見香奈女流二冠、植村真理女流三段、早水千紗女流三段、竹部さゆり女流三段、坂東香菜子女流初段、伊奈川愛菓女流初段の6人である。休場中の女流棋士、やる気のない女流棋士、問題山積の女流棋士、無関心の女流棋士、学業多忙の女流棋士と、なるほど欠席の理由は揃っている。そしてそれ以外の女流棋士会所属女流棋士45人が、いまこのステージにいるというわけだ。
ひとりひとりが紹介される。前一列が終わると彼女らが後方に移動し、2列目の女流棋士が紹介されるという按配だ。私の位置からでは女流棋士の顔が小さいが、向かって右に大型のスクリーンがあるので分かりやすい。
山口恵梨子女流初段、室谷由紀女流初段が紹介される。きょうは洋服で、相変わらず綺麗だ。彼女ら45人を鑑賞できただけで、15,000円のモトは取ったと思った。
日本将棋連盟からは、青野照市専務理事の祝辞となる。
「女流タイトル戦では、対局者が男性棋士の予想とは違う手を指すことがあります。でも検討すると、女流の手のほうがいいケースがたびたびある。そのくらい、いまの女流棋士は強くなったということなんですね」
続いて、衆議院議員・山東昭子氏の祝辞。山東氏は1978年、NHK将棋講座で、西村一義九段の聞き手を務めたことがある。将棋に理解のある議員先生である。
そんな山東氏のしゃべりはさすがにうまい。口調がしっかりしていてメリハリがあり、大したことは言ってないのだが、つい聞き入ってしまった。
続いて羽生名人の登場である。羽生名人を前にすれば、さすがの女流棋士も私たちと同じ、ただの羽生ファンにすぎない。羽生名人は自然体で、弁舌滑らかに女流棋界40年を祝った。
続いて森内竜王の祝辞。森内竜王は朴訥とした語り口で、静かに女流棋界40年を祝った。
最後に祝電が何本か読まれた。
乾杯の音頭は、報知新聞社代表取締役社長・早川正氏である。
「報知新聞はいまこそスポーツ紙ですが、昔は一般の新聞で…」
ちょっと長いスピーチのあとに、乾杯となった。定刻を8分遅れの12時38分、いよいよ懇親会の始まりである。
(つづく)
てゆーか、そもそも校正時にアカを入れられなかったのが不思議だ。まったく、日本語はよく分からない。
あれは4月だったか5月だったか、女流棋士になりたての和田あき女流3級から、6月29日(日)に東京・渋谷で行われる「女流棋士発足40周年記念パーティー」の勧誘をされた。大野教室でのことである。
しかしその参加費が15,000円と聞いて、ひっくり返った。これはちょっと出せない額である。
どうやら私には無縁の話で、貴族だけが参加すればいいと思った。
ところがW氏、Hon氏、Fuj氏はすでに申し込みを済ませており、私も申し込まねばならない雰囲気になった。私は、大野教室を数回休めば出費ぶんを賄えると判断し、しぶしぶ申し込んだ。
29日当日。私はNHK杯将棋トーナメントの予約録画を済ませ、自宅最寄駅から渋谷に降りた。改札を抜けたらSuicaの残額が777円で、これは縁起がいいと思った。
会場の「セルリアンタワー東急ホテル」はすぐに分かった。ホテルに入ると、エレベーターの前に、森内俊之竜王の姿があった。きょうは女流棋士のほかに、羽生善治名人を始め、錚々たる棋士が登場する。早くもビッグイベントの予感がした。
エスカレーターで地下2階に降りると、長蛇の列が見え、その中にTag氏の姿があった。これは受付のために並んでいるのだろうか。
ボールルーム前はすごい人出でごった返していた。これはマジで、きょうは大変なイベントなのだと再認識した。
近くにHon氏がいたので、声を掛ける。彼はジョナ研で着ていそうなラフな格好で、これでいいなら私もそうすべきだった。私は着なれぬスーツ姿である。
将棋ペンクラブの三上幹事がいたので挨拶。そのまま3人で受付の列に並ぶ。改めて、すごい長さだ。退屈しのぎに、先日の北海道旅行や「なんでも鑑定団」の話をしていると、Hon氏がアレッ、と言った。私の横を羽生名人が通ったらしい。全然気付かなかった。
受付を済ませるが、入口前もものすごい人込みである。花輪も数基届いている。北尾まどか女流二段が通ったので、目礼した。
W氏、Kun氏、Fuj氏、Sak氏の姿も見つけ、これで知り合いの数は揃った。係の人に促され、私はボールルームに入る。
中は想像以上の広さで、数百人が軽く収容できそうだった。よくは分からぬが、ホテル内で最大級のバンケットだったのではあるまいか。
私は室内の後方に陣取る。入場の際にほかのメンバーとはぐれてしまったが、自分から探しに行くのも面倒なので、今回はこの周辺で過ごそうと思った。
和田女流3級が通る。きょうは着物姿でおめかしして、かわいらしかった。
定刻を5分遅れの12時05分、いよいよ女流棋士発足40周年記念パーティーが開幕した。
まずは矢内理絵子女流棋士会会長の式辞。
「……きょうはポラロイドカメラを持った女流棋士が場内を歩きますので、皆さまどんどん写真を撮ってください」
場内が苦笑いに包まれる。この理由を説明すると、棋士とのツーショット写真が1枚1,000円するからである。ちなみにそれ以外の写真・ビデオ撮影は一切禁止。まあここで撮影を可にしたら、場内は「女流棋士撮影会」になってしまう。
それにしたって1枚1,000円はけっこうな額だ。貧乏な私には縁のない話であるが、もしものときに備え、懐に軍資金を用意していた自分が情けなかった。
なお矢内女流棋士棋士会長からは、今夏発売の「女流棋士名鑑2014」も紹介された。会場でも販売するらしいので、機会があれば買おうと思う。
次に本日参加の女流棋士の紹介である。全員がステージに上がる。さすがに艶やかだ。
司会進行は島田良夫アナウンサー。島田アナはテレビ東京「早指し将棋選手権戦」の司会でお馴染みである。その島田アナから、きょう欠席の女流棋士が発表された。里見香奈女流二冠、植村真理女流三段、早水千紗女流三段、竹部さゆり女流三段、坂東香菜子女流初段、伊奈川愛菓女流初段の6人である。休場中の女流棋士、やる気のない女流棋士、問題山積の女流棋士、無関心の女流棋士、学業多忙の女流棋士と、なるほど欠席の理由は揃っている。そしてそれ以外の女流棋士会所属女流棋士45人が、いまこのステージにいるというわけだ。
ひとりひとりが紹介される。前一列が終わると彼女らが後方に移動し、2列目の女流棋士が紹介されるという按配だ。私の位置からでは女流棋士の顔が小さいが、向かって右に大型のスクリーンがあるので分かりやすい。
山口恵梨子女流初段、室谷由紀女流初段が紹介される。きょうは洋服で、相変わらず綺麗だ。彼女ら45人を鑑賞できただけで、15,000円のモトは取ったと思った。
日本将棋連盟からは、青野照市専務理事の祝辞となる。
「女流タイトル戦では、対局者が男性棋士の予想とは違う手を指すことがあります。でも検討すると、女流の手のほうがいいケースがたびたびある。そのくらい、いまの女流棋士は強くなったということなんですね」
続いて、衆議院議員・山東昭子氏の祝辞。山東氏は1978年、NHK将棋講座で、西村一義九段の聞き手を務めたことがある。将棋に理解のある議員先生である。
そんな山東氏のしゃべりはさすがにうまい。口調がしっかりしていてメリハリがあり、大したことは言ってないのだが、つい聞き入ってしまった。
続いて羽生名人の登場である。羽生名人を前にすれば、さすがの女流棋士も私たちと同じ、ただの羽生ファンにすぎない。羽生名人は自然体で、弁舌滑らかに女流棋界40年を祝った。
続いて森内竜王の祝辞。森内竜王は朴訥とした語り口で、静かに女流棋界40年を祝った。
最後に祝電が何本か読まれた。
乾杯の音頭は、報知新聞社代表取締役社長・早川正氏である。
「報知新聞はいまこそスポーツ紙ですが、昔は一般の新聞で…」
ちょっと長いスピーチのあとに、乾杯となった。定刻を8分遅れの12時38分、いよいよ懇親会の始まりである。
(つづく)