かなり古い話になるが、2013年10月11日(金)、LPSA芝浦サロンでの指導対局を振り返る。
この日の担当は、1部が中倉彰子女流初段(当時)、2部が中倉宏美女流二段だった。その前は8月23日に伺ったが、その時と同じ講師である。中倉姉妹に1日で2局教えていただけるありがたさ。当時も薄々感じてはいたが、同様のシステムでの受講が叶わなくなった今、よけいその思いを強くする。
なお、私は2013年10月1日から2014年3月31日までブログを休んでいたので、この時の芝浦サロンの模様はまったく分からない(当時はそのままブログを止める気でいたが、思うところあって、2014年4月に再開した)。
彰子女流初段との将棋は、私のひねり飛車になった。彰子女流初段は堅囲いに組む。中盤まで互角の形勢だったが、▲6四飛、と4二角の利きに飛び出たのが私の勝負手。△同角に▲同角で、これが△8二飛と△7五金の両取りだ。
以下も見応えのある応酬になったが、最後は彰子女流初段に緩めていただいた。
次は宏美女流二段である。前局はココセの王手飛車を喰らって負けたので、本局は恥ずかしい将棋を指さないよう心掛けた(はずである)。
とりあえず、初手から指し手を記そう。
下手・▲一公
上手・△女流二段 中倉宏美
▲7六歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7七角△3四歩▲6六歩△6二銀▲6八銀△4二玉▲4八玉△3二玉▲3八玉△3三角▲5六歩△2二玉▲2八玉△1二香▲3八銀△1一玉▲1六歩△2二銀▲5八金左△5四歩▲6七銀△3二金▲7五歩△5三銀▲6八角△9四歩(第1図)
2手目△8四歩には三間飛車に振ってみた。こうなれば、宏美女流二段は得意の穴熊である。しかし右金を動かさないのが工夫だ。
私は▲7五歩と伸ばし、まずまず。
第1図以下の指し手。▲7四歩△同歩▲同飛△6四銀▲7八飛△5五歩▲5七金△1四歩▲7四歩△5六歩▲同金△8六歩▲同歩△5一金▲5四歩△7七歩▲同角△5五銀▲同金△同角(第2図)
▲7四歩から1歩を交換してポイントを稼いだと思ったが、宏美女流二段も△7三歩とは謝らない。△6一金型を活かし、△6四銀と出てきた。
△5五歩に▲同歩は△同銀で、次の△6六銀が受けづらい。私は▲5七金と上がったが、これでは美濃囲いが薄くなってしまった。
ただし私も▲7四歩~▲5四歩と垂らし、十分である。
宏美女流二段は金銀交換に来たが……。
第2図以下の指し手。▲5八飛△6四角▲7三歩成△同桂▲5三歩成△4一金▲7四歩△8六角▲7三歩成△7七角成▲同桂△8九飛成▲6三と左(第3図)
私は▲5八飛と回ったが、ここはたんに▲5三歩成もあったのだろうか。しかし△5七金も嫌味なので、やはり▲5八飛が正着だろう。ただ▲7三歩成は、手順に相手の桂を跳ばせてよくなかった。たんに▲5三歩成だった。
私は桂得したが、上手も飛車が成れば十分だろう。私は▲5三にと金も作ったのに、それでも優位にならない。ここが対穴熊の恐ろしさだ。
私は▲6三と左だが、穴熊相手にいかにも遅い。といって変わる手も分からなかった。
第3図以下の指し手。△5七歩▲同飛△6八角▲5八銀△5七角成▲同銀△5六歩▲4八銀△5七金▲3九銀打(第4図)
△5七歩から宏美女流二段の反撃である。
飛車角交換後の△5六歩には▲同銀と取りたいが、△6七飛が嫌味と思った。
とはいえ▲4八銀と引くようではひどい利かされで、△5七金に▲3九銀打と受けるようでは、未来がない形である。
とはいえ、ここで宏美女流二段はどう指すのかと思った。
第4図以下の指し手。△1五歩▲同歩△1六歩▲4六角△4八金▲同銀△5七銀▲同銀△同歩成▲同角△5六銀▲4八銀△5七銀成▲同銀△7九飛▲5九歩△7七飛成▲4八銀(第5図)
△1五歩と、穴熊側から端攻めにきた。私は素直に応じるよりないが、▲5七同角に△5六銀が重厚な攻め。△4七銀成も見られているので私は▲4八銀の辛抱だが、△5七銀成からふつうに駒損になってしまった。
私は63手目に▲6三と左とやってから、全然相手陣に手を付けられない。それだけ宏美女流二段の攻めが続いているということだ。
第5図以下の指し手。△6六竜▲5二と左△1七歩成▲同香△1六歩▲同香△同竜▲1七銀(第6図)
△6六竜を軽視した。まさか端攻めの増強にくるとは思わなかった。
でもよく考えれば、私の5筋は鉄壁。それならと、逆から攻めるのは自然な発想である。
私は▲5二と左だが、十階から目薬のような手で、全然穴熊に響いていない。ここでは辛抱ついでに、▲2六銀だったか。
宏美女流二段は予定の△1七歩成。数手後の▲1七銀に、次の手は当然であろう。
第6図以下の指し手。△1七同竜▲同玉△1五香▲1六歩△同香▲同玉△2四桂▲1七玉△1二香▲1六歩△同香▲2六玉△4四角(投了図)
まで、112手で宏美女流二段の勝ち。
△1七同竜と切り飛ばし、▲同玉に△1五香と走り、あらかた寄っている。以下△4四角まで投了となった。
本局、5三にと金を作ったところは悪くないと思ったが、その後のスピード計算を間違えた。もっと受けの姿勢を貫けばよかったと思う。
穴熊相手には丁寧に指すべし。本局を並べ返して、つくづくそう思った。
この日の担当は、1部が中倉彰子女流初段(当時)、2部が中倉宏美女流二段だった。その前は8月23日に伺ったが、その時と同じ講師である。中倉姉妹に1日で2局教えていただけるありがたさ。当時も薄々感じてはいたが、同様のシステムでの受講が叶わなくなった今、よけいその思いを強くする。
なお、私は2013年10月1日から2014年3月31日までブログを休んでいたので、この時の芝浦サロンの模様はまったく分からない(当時はそのままブログを止める気でいたが、思うところあって、2014年4月に再開した)。
彰子女流初段との将棋は、私のひねり飛車になった。彰子女流初段は堅囲いに組む。中盤まで互角の形勢だったが、▲6四飛、と4二角の利きに飛び出たのが私の勝負手。△同角に▲同角で、これが△8二飛と△7五金の両取りだ。
以下も見応えのある応酬になったが、最後は彰子女流初段に緩めていただいた。
次は宏美女流二段である。前局はココセの王手飛車を喰らって負けたので、本局は恥ずかしい将棋を指さないよう心掛けた(はずである)。
とりあえず、初手から指し手を記そう。
下手・▲一公
上手・△女流二段 中倉宏美
▲7六歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7七角△3四歩▲6六歩△6二銀▲6八銀△4二玉▲4八玉△3二玉▲3八玉△3三角▲5六歩△2二玉▲2八玉△1二香▲3八銀△1一玉▲1六歩△2二銀▲5八金左△5四歩▲6七銀△3二金▲7五歩△5三銀▲6八角△9四歩(第1図)
2手目△8四歩には三間飛車に振ってみた。こうなれば、宏美女流二段は得意の穴熊である。しかし右金を動かさないのが工夫だ。
私は▲7五歩と伸ばし、まずまず。
第1図以下の指し手。▲7四歩△同歩▲同飛△6四銀▲7八飛△5五歩▲5七金△1四歩▲7四歩△5六歩▲同金△8六歩▲同歩△5一金▲5四歩△7七歩▲同角△5五銀▲同金△同角(第2図)
▲7四歩から1歩を交換してポイントを稼いだと思ったが、宏美女流二段も△7三歩とは謝らない。△6一金型を活かし、△6四銀と出てきた。
△5五歩に▲同歩は△同銀で、次の△6六銀が受けづらい。私は▲5七金と上がったが、これでは美濃囲いが薄くなってしまった。
ただし私も▲7四歩~▲5四歩と垂らし、十分である。
宏美女流二段は金銀交換に来たが……。
第2図以下の指し手。▲5八飛△6四角▲7三歩成△同桂▲5三歩成△4一金▲7四歩△8六角▲7三歩成△7七角成▲同桂△8九飛成▲6三と左(第3図)
私は▲5八飛と回ったが、ここはたんに▲5三歩成もあったのだろうか。しかし△5七金も嫌味なので、やはり▲5八飛が正着だろう。ただ▲7三歩成は、手順に相手の桂を跳ばせてよくなかった。たんに▲5三歩成だった。
私は桂得したが、上手も飛車が成れば十分だろう。私は▲5三にと金も作ったのに、それでも優位にならない。ここが対穴熊の恐ろしさだ。
私は▲6三と左だが、穴熊相手にいかにも遅い。といって変わる手も分からなかった。
第3図以下の指し手。△5七歩▲同飛△6八角▲5八銀△5七角成▲同銀△5六歩▲4八銀△5七金▲3九銀打(第4図)
△5七歩から宏美女流二段の反撃である。
飛車角交換後の△5六歩には▲同銀と取りたいが、△6七飛が嫌味と思った。
とはいえ▲4八銀と引くようではひどい利かされで、△5七金に▲3九銀打と受けるようでは、未来がない形である。
とはいえ、ここで宏美女流二段はどう指すのかと思った。
第4図以下の指し手。△1五歩▲同歩△1六歩▲4六角△4八金▲同銀△5七銀▲同銀△同歩成▲同角△5六銀▲4八銀△5七銀成▲同銀△7九飛▲5九歩△7七飛成▲4八銀(第5図)
△1五歩と、穴熊側から端攻めにきた。私は素直に応じるよりないが、▲5七同角に△5六銀が重厚な攻め。△4七銀成も見られているので私は▲4八銀の辛抱だが、△5七銀成からふつうに駒損になってしまった。
私は63手目に▲6三と左とやってから、全然相手陣に手を付けられない。それだけ宏美女流二段の攻めが続いているということだ。
第5図以下の指し手。△6六竜▲5二と左△1七歩成▲同香△1六歩▲同香△同竜▲1七銀(第6図)
△6六竜を軽視した。まさか端攻めの増強にくるとは思わなかった。
でもよく考えれば、私の5筋は鉄壁。それならと、逆から攻めるのは自然な発想である。
私は▲5二と左だが、十階から目薬のような手で、全然穴熊に響いていない。ここでは辛抱ついでに、▲2六銀だったか。
宏美女流二段は予定の△1七歩成。数手後の▲1七銀に、次の手は当然であろう。
第6図以下の指し手。△1七同竜▲同玉△1五香▲1六歩△同香▲同玉△2四桂▲1七玉△1二香▲1六歩△同香▲2六玉△4四角(投了図)
まで、112手で宏美女流二段の勝ち。
△1七同竜と切り飛ばし、▲同玉に△1五香と走り、あらかた寄っている。以下△4四角まで投了となった。
本局、5三にと金を作ったところは悪くないと思ったが、その後のスピード計算を間違えた。もっと受けの姿勢を貫けばよかったと思う。
穴熊相手には丁寧に指すべし。本局を並べ返して、つくづくそう思った。