一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第九回 シモキタ名人戦(2)

2020-11-22 00:19:15 | 将棋イベント
次は14時30分から「武宮先生が聞く、囲碁YouTuberの新しい世界」。武宮正樹九段が女性棋士YouTuberにその魅力を聞くという企画だが、私は前述のとおりYouTubeは興味がないので、これはパスとする。
沿道では指導対局をやっていた。ナイスミドルの男性は飯野健二八段。その右の若手は、田中悠一五段か。いずれもゴーグルにマスク、フェイスシールドを付けている。こうした場での棋士の防御は徹底していて、感心する。
問題はその右の女流棋士で、小芝風花にも見えて、とてもかわいらしい。たぶん飯野愛女流初段だと思うが、やはりフェイスシールドやゴーグルに隠れて、よく分からない。



見物人の中に、LPSAファン氏がいた。LPSAファン氏は医者で、将棋界のよき理解者である。むかしLPSA芝浦サロンの帰り、ふたりでサイゼリヤに行ったのがよき思い出だ。
女流棋士が私を見ると、ニコッと目が笑って、挨拶された。ほかの観客も私を見たので、ちょっと慌てた。やはり飯野女流初段だったようだ。
私も女流棋士の知己がいて誇らしいが、笑顔で挨拶してくれる女流棋士となると、ほかに渡部愛女流三段と島井咲緒里女流二段くらいだろう。ほかの女流棋士は、私への警戒感のほうが勝る。上の3名は歴代の「女流棋士ファンランキング1位」で、私の目は節穴ではなかったと再認識した。
高架下には、バックギャモンや連珠コーナーがあった。囲碁将棋コーナーがないが、それは別所にあるのだろう。
そして下北沢といえばいつもの蕎麦屋である。香り高いそばを食べさせてくれるのだ。
それを食しに行ったが、場所がよく分からない。どうも線路の反対側だったようで、そちらに移ったら、すぐに分かった。
昨年の同イベントの時は行った記憶がないので、2018年の4月以来となろうか。
店内は混んでいたが、私は大テーブルに座れた。大もりを注文する。
ずいぶん待たされて出てきたそれは、挽きぐるみのようで、麺が黒かった。そばの上にネギを直接載せ、すすってみる。ネギの酸味が直接喉に入ってむせたが、それより驚いたのはこのそばだ。
……これ、市販の乾麺じゃないか?
間違いない。この一定の長さ、縮れの少なさ、何より市販品独特の香り。何度も食べたことがあるから分かる。しかもここのそれは、少し芯が残っていた。
蕎麦専門店で、なんでこんなの出してんの⁉
ずいぶん時間がかかっているからおかしいと思ったのだ。もりはそばを茹でるだけだから、そんなに時間はかからない。だが乾麺なら数分は茹でなければならない。それで時間を食ったのか。
よほど一言言ってやろうかと思ったが、ほかにも客がいるし、従業員も高齢ばかりだから、そこはぐっと堪えた。
駅前に戻ると、路上の対局場で、女性同士が将棋対局をしていた。これがグランドチャンピオン戦だろうか。片方の女性は個性的な服装だが、出場者の基準はなんなのだろう。
その向こうでは、森内九段が3面指しをやっていた。線路を隔てているから、さっきとは反対側である。相手はすべて女性で、平手戦だった。
棋士の中には平手の指導対局を嫌う人もいるが、森内九段は平手を厭わない。ただ今回は女性陣が駒落ちの指し方を知らず、平手になった気がした。
観客の中に、ミスター中飛車氏がいた。彼は将棋チームを持っているから、こうした場には熱心に訪れる。
局面は見るまでもなく、3局とも森内九段が優勢。どんなに緩めても、上手が優勢になってしまう。
傍らのテーブルには森内九段の色紙が置かれている。現在行われているグランドチャンピオン戦の副賞だろう。揮毫は「畏天命」。論語の巻八・季氏第十六にあり、天命を畏れ敬い、受け入れる、という意味だったと記憶する。











それにしても、歴代の永世名人は皆さま達筆だ(羽生善治九段はやや個性的だが)。
指導対局は、手前の女性が、ビシッ、と▲4七飛と打った(図)。

図で△5六馬なら▲4一飛成△同銀▲同竜の狙いだ。
だが森内九段はしばらく考えて△4九馬。よく分からないが、うまい切り返しだと思った。
この将棋を見ていたら遅れてしまう。旧線路を越えて東口に戻ると、指導対局を終えた中村真梨花女流三段がいた。中村女流三段には大野教室で指導を受けたことがあるが、ほかに飯野女流初段の姿も見えて、そこに私が顔を出すと、却って気を遣わせてしまう。私は黙ってトークショー会場に赴いた。
(つづく)
コメント
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