一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

Minerva交流将棋団体戦2022(1)

2023-01-25 01:17:59 | LPSAイベント
昨年11月27日(日)、LPSA主催「Minerva交流将棋団体戦2022」が、港区男女平等参画センターであった。実に3年振りの開催だが、私は会員参加型のイベントはちょっと苦手で、ほとんど感心がなかった。そのうえ近年は私の頭がヒドイことになり、LPSAのメンバーに晒せない、という思いもあった。
ところが11月17日のLPSA麹町サロンin DIS・島井咲緒里女流二段の回で、咲緒里女流二段にその勧誘をされた。そこで私も折れ、参加の運びとなったわけだった。
当日は昼からで、私は自宅から山手線に乗った。降車駅の田町には小諸そばがあり、それをたぐって会場に乗り込もうと思った。
山手線は上野に到着し、京浜東北線の快速に乗り換えようと思ったが、秋葉原でもいいか。
ところが御徒町で山手線のドアが閉まったまま、ナゾの停車を行った。その間向かいのホームに京浜東北線が停まり、追い越して行った。これは山手線にとって屈辱である。ったく、こっちは滅多に山手線に乗らないのに、たまに乗るとこの遅延である。
田町下車。かつてのLPSA芝浦サロンの最寄り駅で久し振りだが、駅前がすっかり変わっていた。参画センターへは中空にデッキが通じていて、ここを歩けば一直線で着くようだ。
だが私は直進し小諸そばを目指す。だが意外に距離があり、私は参画センターへ向かうことにした。
デッキの1階はフードコートがあり、人々で賑わっている。これが整備事業の成功形だと思った。
参画センターの指定部屋に着くと、中から藤森奈津子女流四段らが迎えてくれた。
この瞬間に私のハゲを披露することになるので、けっこう勇気が要った。入室すると、渡部愛女流三段は明らかに私の頭頂部を見たふうだったが、明るく応対してくれた。その配慮に感謝した。
会場は、すでに参加者がほぼ集まっていた。そのヤル気に脱帽である。
ほどなく開会の時間になり、参戦の女流棋士が勢ぞろいした。中倉宏美女流二段、船戸陽子女流三段、渡部女流三段、上川香織女流二段、島井女流二段、礒谷真帆女流初段の6女流棋士。藤森女流四段、大庭美夏女流初段はサポートに回る。皆さんお変わりなく、元気そうである。
開会の辞は渡部女流三段が務めた。相変わらずの美しさ。LPSAは今年も渡部女流三段を中心に回っていくのだ。
今回は先の6女流棋士が参加し、5人一組のチームを作る。よって、会員の定員は4×6の24名となる。しかし1人のドタキャンがあり、23名の参加だった。
対局は3つ用意され、1回戦が「通常対局」、2回戦が「指定局面対局」、3回戦が「リレー対局」である。勝つと得点が与えられ、上位2チームに賞品が出る。私はLPSAのイベントに参加すると、毎回何かしらの賞品をもらって帰ったものだが、今回はどうか。
チーム分けはすでに決まっていて、私は宏美女流二段のチームだった。
まずは通常対局である。相手は船戸女流三段チーム。チームリーダー同士は対局せず、誰が誰と当たるか分からない。こういう場合、女流棋士と指せるのが当たりなのだろう。と、船戸女流三段が席を替わった。宏美女流二段と当たったのかもしれない。ただし船戸女流三段は、さらに遠くへ行ってしまった。
私は1番席に座り、相手は30代と思しき男性である。傍らに幼少のお嬢ちゃんがおり、ふたりがかりだ。ちなみに3番席は宏美女流二段、相手の4番席は船戸女流三段だった。
振駒で男性氏の先手。ということは奇数後手で、このやり取りが団体戦である。チェスクロックも用いるので、本気の戦いだ。
将棋は男性氏の三間飛車となった。これは石田流に組んでもらい、それを崩したいところだが、男性氏はなかなか▲7五歩を突かない。私はシビレを切らして飛車先の歩を決めたが、これは作戦が分列して損だった。
男性氏は▲6八飛と寄り仕掛けを封じる。そして▲4六銀。いかにも三間飛車を指し馴れている感じで、私は強い警戒感を持った。

第1図以下の指し手。△9四歩▲9六歩△4四歩▲3六歩△4三銀▲2六歩△2四歩▲2七銀△2三玉▲3八金△3二金▲4八金左(第2図)

△9四歩▲9六歩はいいとして、△4四歩は妥協の一手。▲4五銀の脅威におびえたからだが、かなり弱気だった。この歩を突いたために、玉の整備が難しくなってしまった。△3二金まで、後手陣はちっとも固くなっていない。

第2図以下の指し手。△3一角▲3七桂△2二角▲9八香△4二金左▲6九飛△3二銀▲5九飛△4三金右▲5五歩(第3図)

△3一角~△2二角は何たる手。ひとり千日手で情けない。しょうがないから左美濃への組み換えを狙ったが、男性氏に万全の態勢で▲5五歩と来られた。

第3図以下の指し手。△8六歩▲同歩△4五歩▲同桂△5五歩▲2五歩△同歩▲2四歩△同玉▲6八角△2三玉▲2四歩△1二玉▲1五歩△同歩▲5五銀(第4図)

第3図で△5五同歩は▲同銀で先手の注文通り。私は△8六歩から△4五歩とした。もし▲同銀なら△5五歩で、次の△4四歩を狙う。
よって男性氏は▲同桂と取ったが、私は△4四歩から桂を取る楽しみができた。
しかし△5五歩に、▲2五歩の玉頭攻めが厳しかった。これがあるから天守閣美濃はイヤだ。△2二角があるときはなおさらである。
私は▲6八角と▲2四歩の組み合わせから逃げようとしたが、2度目の▲2四歩に△同玉は▲5五銀が厳しく見え、△1二玉と引いた。しかし▲2四歩が残っては後手非勢である。

第4図以下の指し手。△5四歩▲4六銀△6六角▲1四歩△2二玉▲1五香△1二歩▲3五歩△4四歩▲3六銀△4五歩▲同銀直(第5図)

△5四歩▲4六銀に、△6六角と飛び出して、急に視界が開けた気がした。何より玉の懐が拡がったのが大きい。
▲3五歩には△4四歩と桂を殺す。▲3六銀の圧迫にも△4五歩と取り切り、当初の目的は達成した。
さあ問題はここからだ。

第5図以下の指し手。△3五歩▲同銀△3四歩▲4六銀△3三桂▲3六銀(第6図)

第5図で△4四歩は▲3四銀とすりこまれ、お手伝いになると思った。そこで△3五歩だが、▲同銀に次がまた考えどころ。怖いが、△3四歩と打った。
これに▲同銀直は△同銀▲同銀△3六桂となる。後手もかなり脅威だが、先手氏がこの桂をどこまで恐れてくれるか。
と、男性氏は熟考のすえ、▲4六銀と引いた。私の気合が通ったわけで、これはいけるかもしれないと思った。
△3三桂に▲3六銀と引かせ、次も結構な勝負手だった。

(つづく)
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