室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

雛祭りコンサート 2013

2013-03-06 11:15:12 | 日記
高津にある二子保育園での《ひなまつり・コンサート》に今年も伺いました。

 

        


        今年は、なんと15年ぶりになる、トランペット・鈴木啓之氏、トロンボーン・山崎忠男氏がゲスト。


        

 彼等は、クラシック音楽から派生して、南ドイツからスイス・オーストリアに跨る”チロル地方” の民族音楽に精通しており、珍しい楽器も披露して下さいます。


        

        世間ではアルペンホルンと言ってしまいますが、正しくは”アルプ・ホルン”

        調律がG♭なので、楽譜はフラットが6つ付いています。


        
        

        スタイリッシュ・ハーモニカーというアコーデオンに一種とギター。


 学生時代に履修した授業で「クラシック音楽といっても、西ヨーロッパ地方の民族音楽にすぎない」とおっしゃる先生がいらっしゃった事を思い出しました。その通りなんです。

 バッハも、ベートーヴェンも皆、街で聞こえていた市井のメロディやリズムを取り入れた作品がずいぶんあります。逆に、そういう血や肉に染みこんだ音楽を体裁良く整えて、献上品に仕立て上げたものが”クラシック音楽” と云えます。

 クラシック音楽は"CLASS" なので、初めから品良く整えられたモノなのですが、あくまで宇宙の中心に向かって真心を放出させる芸術的営み、という事でジャンルに違いはありません。只、学問的に体系ができあがっているのと、『普遍性』をはっきり意識している点が、他のジャンルと違っているかもしれません。でも、元々民族音楽の中に、メロディやリズムが持っているもののルーツがある事を知るべきですね。そのまま取り入れるかどうかは別としても、少なくとも知った上で、自分はどうしたいか、どう表現したいかを選ぶ作業が在るべき・・。ベートーヴェンのピアノ三重奏をやっている時など、よく思う事ですが、民族音楽に触れて、認識を新たにしました。


        

        珍しい木のお匙を楽器にして踊る民族ダンスに、子供たちは大喜び。



        

        リーダーのバイオリン・井上直子さんと。



        

        最後は『うれしい雛祭り』と『一年生になったら』です。


 子供たちは、生演奏に親しんで育っているので、伸び伸びとしながらも要所要所はちゃんと聴いています。『ロザムンデ(ビヤ樽ポルカ)』など、いっぱい手拍子をしながら聴いてくれました。長い人生がまだ始まったばかりの子供たちの心のどこかに「そういえば、こんな曲、聞いたなぁ」とか、「音楽、聞けて良かったなぁ」と残ってもらえたら本望です。