室内楽の愉しみ

ピアニストで作曲・編曲家の中山育美の音楽活動&ジャンルを超えた音楽フォーラム

シャコンヌ

2013-05-25 15:17:09 | 日記
バイオリニストの小笠原伸子さん主宰の《横浜バロック室内合奏団》の定期公演がみなとみらい小ホールでありました。


        


今回はオール・バッハ作品に合わせて、本来『無伴奏バイオリン組曲第2番』の中の一曲である『シャコンヌ』の弦楽合奏版の編曲をご依頼頂きました。素晴らしい名曲中の名曲を「オリジナルの独奏とは一味ちがった、合奏ならではのサウンドにしてみたい」と思いました。

一度、音出しをしてもらった後で、長年『無伴奏ソナタ&組曲』のリサイタルをやり続けて、この曲に大変精通している小笠原伸子さんのイメージしているストーリーと異なる箇所が2ヶ所あって、部分的に作り直しになりました。私がエネルギーの蓄積とクライマックスと思った箇所を、彼女は天国的美しさをイメージしていたのです。彼女のこの曲に対する深い《愛》が分かり、横浜バロック用改訂版を作りました。

コンサートでは、次にどういうサウンドが聞こえるか知りながらも、すでに自分の手から離れた作品として客観的に聴いていましたが、小笠原さんが拘った辺りを聴いていて、その演奏に、この作品が持っている世界に、感動していました!



その他の演奏、チェンバロ協奏曲第4番も、フルート協奏曲イ短調も、カンタータ『われは満ち足れり』も素晴らしいソリストと合奏で、どれも聴き応えがありました。「一見敷居の高そうに思われがちなバロック音楽を親しみのあるものにしたい」とする小笠原伸子さんの意図のとおり、大成功の演奏会でした。その演奏会に編曲で参加させて頂けて光栄です。


        終演後、フォワイエで小笠原伸子さんのご挨拶と、独奏者たちの紹介。

        
        オーボエの市川清士さん。


        
        バス独唱の佐藤望さん。


        
        チェンバロの平野智美さん。


        
        フルートの高野成之さん。


        
        若手バイオリンの吉田篤貴さん。


        定期会員代表の方。

        

 
        


        私も編曲者として紹介して下さったんですが、写真はありません。



        「良い音楽会だったなー。小笠原さんはやっぱりスゴイなー。」と思いながら外へ出ると満月が。

        


        そして、みなとみらいを象徴する景色。

        


        6月5日は小笠原伸子さんのベートーヴェンVn協奏曲伴奏を関内サロン・ランチタイム。

        6月12日はベートーヴェンのピアノ三重奏シリーズ『大公』も関内サロン・ランチタイム。

        6月30日はベートーヴェンVn協奏曲とブラームスVn協奏曲を追浜で。


        私も練習しなくちゃ・・。